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街を変える小さな店 堀部篤史

大量生産・大量消費の時代。モノが飽和するこの時代に、モノの価値を提供する京都にある恵文社一乗寺店。そのお店の店長が書いたこの本は、店長になった経緯と個人店のマニアックなこだわりなどがたくさん盛り込まれている。
大量生産の良いところはモノが安価に買えることである為、安価に買えるようにこだわりポイントより多くの人が受け入れられるシンプルなデザインがより重視される。しかし、京都の左京区にあるこのお店は、流行りのモノより価値のあるモノ(店員がおすすめするモノやコアなファンがいるモノなど)を大切にする。その為、店頭に並べられるのは、店長や店員のこだわりの商品になる。また、恵文社一乗寺店はオンラインでの販売を周りが導入する前に導入したお店でもある。個人店の良いところは、即行動がしやすいところにあると思う。店頭に並ぶ商品の棚替えもそうだが、個人の意見や意思があらゆるところで感じられる。その為、お客様の要望も通りやすい。無理に流行りに乗るのではなく、好きなモノに囲まれた空間を作れる事が個人店の強みでもある。
しかし、市場のニーズはなかなかモノの価値そのものに行きつかない。みんな同じような服装になっても安価なものを欲しがり、いつも同じ味でも安くて早い某牛丼店を好んだりする。大量に消費すらされるものの、個人店のようなお店はその流れに上手く乗れない為、廃業するお店も増えている。
モノが溢れているこの時代に、再度モノの価値について考えてほしい。
そして、個人店のように個人のこだわりが詰まったお店を見つけてほしい。

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