2割の善玉菌で居続ける決意
NPO法人「読書普及協会」の理事長、清水克衛さんがこんな話をしていた。
生き物の世界には2:6:2の法則がある。
二つの「2」は対極をなし、「6」はどっちか勢力の強いほうになびいていく、というものである。
たとえば、細菌の世界。
2割の善玉菌と2割の悪玉菌、そして6割の日和見菌がいる。
善玉菌が強いと6割の日和見菌は善玉菌になびき、8割が善玉菌となる。
それが「発酵」である。
だが、悪玉菌が強いと6割の日和見菌は悪玉菌になびき、8割が悪玉菌となる。
これが「腐敗」だ。
人間界で言えば、マスコミが「不況です」「大変です」と言い続けると、6割の大衆は口を揃えて、「うちも不景気だ」「うちも大変だ」と大合唱。
その結果、国内の8割の勢力が「大変だ、大変だ」というムードになっていく。
清水さんは「2割の善玉菌で居続けよう。そのためには固い意志が必要だ」と言う。
誰かが「今不況で大変だ」と言っても、「そうですよね」と答えてはいけない。
絶対に流されない決意が必要である。
誰かが何と言おうと、
「不況がどうした!」
「売上げは下がっても俺のテンションは下がらない」
「勝利のVという字を見てみぃ。勝利するためには一度どん底まで落ちなきゃいけないんだ」
みたいな、能天気なことを言い続ける覚悟がないと、2割の「善玉菌」で居続けることはできない。
人生には運気というものがある。世の中の「善玉菌」になびいて、運気が下がると、ツイていないことが複合的に起こる。
しかし、2割の「善玉菌」で居続ける覚悟をすると運気は間違いなく上がる。
運気が下がれば、どんなマイナスの状況下でも物事が不思議を好転していく。
仕事がうまくいったり、いい人間関係に恵まれたり。
運気が上がるきっかけの一つに「頼まれごとを喜んでやる」というのがある、
たとえば、会社の中でも「●●さん、ちょっとすみません。これお願いします」と頼まれたとする。
それを喜んでやると、また頼まれるようになる。
頼まれやすい人になると、その人の名前が会社の中で一番呼ばれるようになる。
そうなると上昇気流に乗るように運気がどんどん上がっていく。
ところが、「なんでいつも私ばっかり…」と愚痴を言い始めると、眉間にシワができ、ブスッとした表情になる。
そうなると誰からも頼まれごとをされなくなり楽になるが、同時に運気はどんどん下がっていくという。
もう一つ、運気が上がるコツは笑顔。
意識して口角を上げているとニコニコしているように見える。
ニコニコしているように見えると、だんだん人相が良くなる。
人相が良くなると間違いなく運気は上がっていく。
江戸時代に「稼ぎ3割、仕事7割」という言葉があったと清水さんから聞いた。
「稼ぎ」とは今でいえば現金収入につながる商売であったり、給与につながる業務のこと。
それに対して「仕事」というのは地域ボランティアのことだった。
壊れた橋があれば修理に行ったり、お年寄りの具合を見に行ったり、一銭にもならないけれど、人の為、地域の為に一肌脱いで汗を流す、これが7割を占めていた。
一銭にもならないことだけど、やがてそれは「徳積み」という形で本人に還元され、いい人間関係や商売繫盛に恵まれていったそうだ。
最近、運気が下がっているなと思ったら、口角を上げて、一銭にもならないことでもニコニコして汗を流してみましょう。
(日本講演新聞 魂の編集長 水谷もりひと社説より)
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