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数が優先じゃない
先日は、コンサートの翌日も横浜から大船に宿を移し1泊して、北鎌倉と江の島を散策した。北鎌倉でのランチは『喫茶ミンカ』に行った。木立に囲まれた古い木造家屋のお店は、目にしただけで気持ちをほぐしてくれる。
タイミングよく店内はお客さんも疎らで「お好きな席にどうぞ」と言って貰えたので外の景色がよく眺められる、入って直ぐの4人掛けのテーブル席に着いた。
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メニューを開いて、ナポリタンにするか、ひよこ豆のカレーにするか迷いに迷って、カレーに決めた。デザートのプリンは迷いなく即決。
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頭の中を完全OFFにして、外をボーッと眺めながら1人で食事やお茶をするのが本当に好き。このひと時が、くたびれた気持ちや頭をレストアしてくれる。
カレーを半分近く食べ進んだ頃に、店の外に4人組の外国人のお客さんの姿が見えた。店員の方が「カウンター席でよければすぐに案内出来ます」と声をかけ、了解をとって店内に案内された。私は反射的に椅子から少し腰を浮かせて「あの、私カウンターに移りますか?」と店員さんに声をかけた。昭和世代ならではなのか、はたまた世間慣れしたオバサンの性なのか咄嗟に口から出ていた。それに対して「大丈夫です、お気になさらないで下さい。」との配慮ある丁寧な言葉が返ってきて驚いたのと、私が店員じゃなくて良かった…と思った。私だったら軽く「すみませーん、イイんですか?」なんて言っていたはず。
数が優先じゃない世界を私は知らないのかもしれない。私が若い頃は外食産業が華やかだった頃で、ランチ時や繁忙期の居酒屋などでは、こうした時の席の移動は普通にあった気がする。それに、1人客が良席に案内されることもあまり無かった。
おひとり様も肩身の狭い思いをしないで、食事を楽しめるって素敵なこと。パズルのピースのように見られていない安心感。
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食後のデザートのプリンは私にとって王道の味と食感で大満足!プリンは固めで、カラメルはしっかりと苦いのが好き。
プリンを食べながらお店の佇まいと店員さんの姿が一致していて素敵なお店だな…なんて思った。