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ジビーフの生産者と出会えて


昨日、ジビーフの生産者である西川ご夫妻にお会いしてきました。日本で肉牛の放牧をしたい私にとっては、本当にお会いしたかった方です。


ジビーフとは日本では珍しいアンガス種の牛を放牧してクローバーやイネ科などの牧草だけでなく笹やふきのとうなどを食べて育ったビーフで、肉はジビエの鹿肉に近いくらいの濃さ。

まず見て思ったのは、牛の毛艶の良さとリラックスした状態。そして、一面均等に綺麗に食べられていて密度が濃い草地。最後に、牛たちの日除けやシェルターになる森。
もちろん、世界でも希少な日本の水資源もです。
もう、一目見てワクワクしかありませんでした😍


これまで見てきた放牧でタスマニアの贅沢型、ニュージーランドの管理型、ヨーロッパの伝統型、ウルグアイの自然型(全て個人的感想です🙇‍♂️)ではウルグアイに近いかもしれないけど、それとも違うような感じ。

西川さんも仰ったように、一つの正解は無くて、牛に聞きながら(牛や周りの自然を見ながら)、その場所にあった方法を探っていき、最後には牛たちが自分で住みやすい環境・自然を作っていく。
もう、大納得です😆

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しかし、そのように育ったビーフは季節ごとに、個体ごとに味が変わります。
だって、季節ごとに生える草が変わっていくし、同じ草地の中にいろいろな草があるので一頭一頭がどの草を食べるかはその子次第。
同じ味になるわけ無いんです。
牛舎の中で餌屋さんから買った配合飼料を全頭に同じように与える日本の一般的な畜産とは真逆です。


けど、前職での大衆の日常の食事を提供するためには同じ味は欠かせないことですが、一方でワインのような農場によって年によって味が違うように違いを楽しむのも食事の選択肢としてあっても良くないですか?

ちなみに、ジビーフが食べられるのはごく限られたシェフのレストラン。
私の勝手なイメージですが、ジビーフが来るたびに味が違うけど、その違いを押さえ込むのではなくそれに向き合って調理をする。ジビーフとシェフの真剣勝負のような感じです。
その一つである帯広のマリアンヌで食事をした時にもそのような印象があり、最近では唯一感動した食事でした。

もし家庭で食べるなら多分もっと手頃で買えるかもしれない。でもシェフの調理で味わえる感動は無いと思う。
6次化産業による生産者から直接消費者に届ける限界がここにあるかもしれないと思っていて、自分の牛を届ける時にはここが大きな悩みです。

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しかし、どのような届け方でも作る側にとって大事なのは伝えることだと改めて思いました。
目も耳も鼻も塞いで、口だけで感じるのは味覚の5%だそうです。残りは鼻からの嗅覚が大きいそうですが、目と耳からの情報も美味しく“感じる”には重要と思ってます。美味しい食事でも接客が悪いとぶち壊し、普通の食材でも風景の良い場所で仲間たちとBBQすると美味しく感じる、などです。

あと、特別なシェフは置いといて、普段食べる食事はどこも美味しいんですね。昔みたいな“安かろう悪かろう”のような食事は見ることありますか?
ネットに象徴する情報が取り放題の時代にモノの機能(美味しさ、栄養、見た目など)だけだと真似されていつかコモディティ(一般品)になるだけです。
生きるためだけの食事だと培養肉も近いうちに実用化になるでしょうしね。

なので作る側ができることは、モノを通じてその裏側のストーリーを伝えること、そして、モノを買う顧客を集めるのではなくそのヒト(ストーリー)を応援するファンを作ることがますます大事だと思っていて、逆に“面白い”って思ってます。
#もちろん美味しいことは大前提ですよ

ここまでの西川ご夫妻の道のりは長く険しいものだったことはかの有名(?)な「西川奈緒子さんからの手紙」で読ませて頂いてたのですが、それを感じさせないような明るさで、けど、力強い人柄は素晴らしく、だからこそ素晴らしい方々が周りに集まるんだろうなぁとつくづく思いました。

西川ご夫妻に会う前は放牧の技術的な話を伺えればと思ってたのですが、このような考え方の話に夢中になってしまい気がつけば5時間超😱

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私は放牧で和牛(?)の牧草肥育による「日本の自然が育てたビーフ」を届けるため「自然にも動物にも人にもやさしい農場」を作ります。


あと、これまでの経験を生かした和牛の牧草肥育がどうなるかの結果を早く知るためにまず一人でやりますが、もしそこで良い形ができ日本の自然と牛の組み合わせに興味をもつ農家さんがいれば一緒に「牛がつくる日本の自然」を各地で作るのがその次の夢です。

まだスタート地点にも立っていませんが、スタートしても失敗が続くでしょう。
日本では非常識な方法なので、周りからの批判も多いでしょう。
けど、おひとりづつ応援していただける方を探して、その応援してくれる方を想いながら挑戦を続けていきたいと思います。

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