秋月夜
薄暮れの
志賀の都を見渡せば
古より
洋々と満つる琵琶の湖の
汀(みぎわ)を撫で行く風清か
影 鮮やかに 延びたる枝の
僅かに染まる葉の先に
そろり そろり と
秋の立つ
静寂の天空(そら)
凛と佇む 白金は
偲び来る闇 祓うが如く
しなやかに
光の腕(かいな)で 我を抱かん
四方(よも)をめぐらば
ヒタヒタと
砂に綾なす細波(さざれなみ)
遥か沖まで
揺るな 揺らすな 狭霧よ立つな
心待ち
水面に昇る
今宵 望月
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2015.11 作・mizuki
画像・満月の浮御堂(撮者不明フリー画像)
ー余談ー
※白金 = 月
※志賀とは
滋賀県 琵琶湖西南部沿岸一帯の呼称で
大津〜現・志賀などにかかる地のこと。
この地域を結ぶ湖畔の道路を、近年「さざなみ街道」と呼ぶ
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