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懸命に生きる

東日本大震災を越えて。

辛さ・苦しさ・強さ・優しさ・勇気…


日頃でもテレビをあんまり見ない私だが、たまたま点けたら その時に始まったばかりの番組があった。

東日本大震災の大津波(2011)から ちょうど5年経った頃の事。
一人の老婦人が綴られた日記から、ご本人 武澤順子さん・忠さん(日本テレビディレクター)親子の 実録だった。

夫を亡くし その直後に震災に会い、夫と二人で築き上げた家も跡形も無くなっていた。
その軌跡や心情を 記憶のままにずっと認めて来られたこの日記は、出版されて書店にも並んでいるのだと、その時初めて知った。

番組タイトルは 「生きてやろうじゃないの」

長靴とエプロン姿で、懸命に壊れた家の後片付けをしながら、ご家族との思い出の品を見つけ、呟く言葉は、家族との日々と これからへの覚悟。

その背中は、とても80歳(当時)を過ぎたとは思えない程、凛としている。

日々 空を見上げて「おーい 雲よ~」と語りかけ、
「塩水 被っても、草は生きてる。虫も生きてる。だから、人も生きなきゃ・・。」

「この歳になって、なお生きることは辛いけれども、生も死も天の定めであるのならば、生かされている事を忘れてはいけない。最後まで懸命に生き抜く」

映像の一コマ一コマが、日記に綴られた想いと共に 私の五感を伝って 心の奥までドンっと落ちて来た。

人生、命ある限り「これで良い」という事はないのだと・・。
たった今 この時から、次の瞬間が始まる。
「今まで どう生きたか」そして「これからどう生きるか」 それが 問題なのだと・・。

「生きてやろうじゃないの」 と 始まった放送。
その最後に、しっかりと 空を指さして 「この続きは 『ドッコイ生きてる』 だよ」
と、笑顔で言われた。

そして、「今 生きる力を失いそうな若者がいたら、伝えたい。」と。
その強い意志のままに 全ての想いを込めて綴られた 確かな文章力にも感動した。

私の中にある甘い心を 千切れるほどに揺さぶり、突き上げて来た言葉。
いつもは 少々の事には 泣かない私の、頬を伝たう涙が いつまでも止まらなかった。


今(当時)の私自身の、多忙に踏み潰されそうな心に

そうよ!私の人生だもの。私が生きなきゃ誰が生きるよ?…と思える
大きな大きな力を、頂いた気がした。

歳を重ねる事の   重さ、全てを慈しむ  優しさ、

生き抜く心の  強さ、伝える言葉の   大切さ

たくさんの気づきを下さって、本当に ありがとう御座います。
どうか どうか、 どうか お身体大切に、元気でお過ごし下さい。

と、祈りつつ  テレビを消した。

その後、私が ポンポンに腫れた瞼で出先へと向かった事は、内緒にしたい。


※画像は、現地のものではありません。
過日 自身が旅の途中で撮って 日記に当てたものです。

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Mizu.H
拙い文章です。サポート頂くことは考えておりませんが お心遣い下さった方へ、心から感謝申し上げます どうかこれからも暖かく見守っていただけますように。