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[1年半経過。] Leica M10-P

どうもみわです。最近割とバタバタしていて、それに甘んじているというか、とりあえず飲み込まれてしまわないように必死の日々です。

さてM10-P。
値段が乱高下しがちなM10シリーズですが、なかでもPはちょっと人気のあるモデルな気がします。

わからんけど。

控えめなデザイン、控えめなシャッター音、意外と実用的なタッチパネル、自分としてもM6TTLからの初めてのデジタルライカで、恐怖と興奮と共に開封しました。

しばらく使ってみて、どうだった?
という感じで書いていこうと思います。



使い心地

M6同様に、やはり、「それそのまま」な操作性。

僕はフィルムカメラからカメラ、および写真を撮ることにハマりまして、そういう点で毎日使いたいカメラってどんなの?ってなると
・かっこいいやつ
・小さめのやつ
・質感ができるだけフィルムカメラっぽいやつ
という感じになります。そういうわけで見た目とコスパと色の評判の良いX-T3を最初に買い、何を思ったのかX100FやX-Pro2を長らく借りたうえで、fpの質感と「これでフルサイズ!」な小型軽量に魅了され、少しだけfoveonに寄り道した末にM10への興味が抑えられなくなりました。

さて身の上はこの程度にしておいて、M10-Pの使い心地なんかに話を戻しましょう。

M10-Pの使い心地は、もう本当にM6などのフィルムライカとおんなじように使える、ということに尽きます。

基本的なところはそれ以上でもそれ以下でもなく、ただ、撮影ができる。MレンズをMレンズらしく、デジタルで使うことができるなぁ、というカメラです。多分。

そこにプラスアルファで、AEが使えたり、細々とデジタル機らしい便利さがついてきます。
例えば撮影後のプレビューをONにすれば撮ってその時に撮影画像の確認ができますし、ライブビュー撮影で距離計連動範囲を超えた近接撮影や、Mマウント以外のオールドレンズなんかを取り付けて使うことだってできてしまいます。

接続性が抜群に良いとは言えませんが、Wi-Fiも搭載していて、画像の転送やリモートレリーズ、ライブビュー撮影への対応もしています。


M10との違いで認識しているのは、デザイン面以外だと
・M型の中では多分一番静かっぽいシャッター(Rも同型だったような)
・タッチパネル対応
・水平器の搭載
・↑による「Perspective Control」機能(ジャイロセンサーを使って画面の歪みや傾きを勝手に補正してくれる不思議便利機能)(ちゃんと使ったことない)

という感じです。多分見た目とシャッター音が好きかどうか、くらいの違いな気はします。

ファインダー

0.73倍の素通しファインダー。連動距離計も搭載。
目に優しい。(目に優しいのか?)




ここのところ、気のせいかもしれませんが、イベントの記録とかで一日中EVFを覗いたりした日々があったせいか、右目だけ前ピンな気がしているんですよね。(つまり視力の悪化が…)

やはり便利さ、最初から構図が、露出が、描写がわかるEVFの安心感たるや、もう本当に素晴らしいし、EVFが綺麗なSLとか、Zとか、色で遊べるLUMIXとかFujiとか覗いてて楽しいのは確かです。

ただやはり至近距離で液晶なり有機ELなり、とにかく光源を見続けることになるので多用する方の目は多少なりとも負荷があるのではないかなぁと思います。どうなんでしょうね。実際ほんとスチールのプロの人で連日撮影、とか大きい映像のシネマトグラファーさんでEVF派の人、とかの利き目の事情は気になるところです…

さて、ここから少し、noteあるある、Leicaあるあるな、個人的すぎる精神論です。恥ずかしいので読み飛ばしてください。




僕の初カメラはフィルム一眼レフでした。

一眼レフのファインダーやEVFって、なんというか上記の便利さ、楽しさがあるためか、「のめり込んでしまう」という感覚があるような気がします。やっぱりレンズを通した視点が普段と違う面白さとか、興奮、眼差しがさらに顕在化することによる、普段と違う感覚とかがあるのかもしれません…
また横で構えた際にはもう片方の目がカメラボディでマスキングされてしまうため、これまた没入感に寄与してる感じがあります。

故に気合を入れて撮る、ということに関しては非常に良い感じなのですが一方で…と思わなくもないです。


どっちがどう、という話ではないのですが。

一方でレンジファインダーは過度なマグニファイヤーを使用した際や超広角用ファインダーでない限りは、普段の視界と非常に近い雰囲気で我々にフレームを見せてくれます。

この、ある種の刺激のなさやフラットさが、「レンズ越しの、対象物」というより「自分と、対象物」という感覚をどことなく生んでいて、たとえば人を見た時、たとえば旅先の風景で、いつもより少し、そのまま眼差すように撮れるような気がします。


…気のせいかもしれません。

ただとにかくカジュアルに撮れます。実際の写真がうまく撮れているかどうか、という点で言うとまた話は別になってきます笑

ぱっと見の絵でピントの具合がわかるレフ機、EVFと違って、真ん中のちっさい四角に映る二重像があってるかどうか、で合わせるので、たとえばズレやすい距離計とか、オールドレンズとか、そういった要素の相乗効果で、本気でガチピン狙いたかったらちゃんと整備されてないと無理では?といった具合です。

まあだからこそ頓着せずにカジュアルに撮れるのかもしれません…



センサー、エンジン

M10、M10-Dと全く同じ、2400万画素のフルサイズセンサーに、Leica Maestro IIって画像処理エンジンを積んでいます。これはM10シリーズは共通、あとはS、Q2、 SLあたりと共通です。


ところでこのMaestroエンジン、なんか調べていたら富士通セミコンという企業とライカの共同開発みたいで、日本結構いろんなところで絡んでいるんだなぁとなりました。

センサーはベルギーのCIMOSIS製という噂がありますが、実際のところは非公開で僕はあまりよくわかっていません。

とりあえず白飛びがすごい。

便利な国産デジカメを使い慣れているとびっくりします。とにかく飛ぶ。

そして測光についても一癖あるような雰囲気が漂います。
M10までのM型はおそらく中央重点測光なのですが、結構アバウトというか、明るいところにめちゃくちゃ引っ張られることもあるし、暗い部分に敏感に反応して空が消し飛んだり、ということもしばしばあります。使いこなせてねぇ...


これはギリ耐えている
世界は思っている以上に照らされているのかもしれない。

とにかく白飛びして、飛んだら帰ってきません。
FOTONEさんのブログでは露出補正-2でもイイ感じ、というくらいハイライトに気を使わないと還らぬ光になります。僕はあんまり持ち上げて綺麗に処理する技術が現状ないので、基本的には-0.7くらいを使っていることがほとんどです。


基本暗めで。

というわけで基本的におとなしめ、暗めな撮影結果が出てきます。S5とか使っていると絵がイキイキキしていて驚かされます。

プレビューの再生をONに設定しておけば、一応撮影結果を見てリヤダイヤルで調整して再度撮影、という方法があるので、AEの場合はそういうやり方もアリかもしれません。

M11からセンサーを電源ON時は常に開放してミラーレスカメラのような方式で測光するようになっているので、この辺は変化故の進化点かもしれません...
(M10もライブビュー時は測光が安定していて、モードも選ぶことができます。)

M10でAEを使ってうまいこと露出を撮りたい場合は、AEロックを使おう、というのを選択肢に入れるとかなりスムーズになります。AEロックというのは名前の通り、自動で設定された露出をシャッターを切るまで固定するというもので、これに慣れるとM10のヘンテコAEもなんとかなります。シャッター半押しで起動します。

空バックで人を撮る時なんかは、顔の位置だと空が近くて引っ張られてしまうので胸とかお腹の辺りで一旦AEロックしちゃうといい感じに撮れたりします。 AFデジカメの中央一点AFみたいなイメージです。

DxO Markっていうスペックチャートなどを毎度公開してくれているところがいるんですが、そこで公開された「センサースコア」っていう色深度、高感度スペック、ダイナミックレンジ...などなどを勘案して出された数値があり、M10は「86」とそれなりですが、最近のつよつよ国産機には全然負けてしまう感じです。というのをわかった上で露出に気を使うといい感じなはずです。

https://www.dxomark.com/Cameras/Leica/M10
https://digicame-info.com/2017/12/dxomarkleica-m10.html

ちょっと重い

デザイン面はほぼ完璧に仕上がっているM10ですが、材質へのこだわりもあってちょっと重いです。

持ってるM6TTLが600g、M10はバッテリー込みで660gと小さな差ですが、なんか重い。不思議ですよね。人間の手って割と敏感なセンサーを積んでいるようです。

ちなみにfpは422g。軽すぎやろ。

ちなみにM6TTLは亜鉛合金という生産性に優れた素材ですが、M10は真鍮の削り出しで、コストかかってますなぁという気持ちになります。しみじみ。


とりあえず、不思議な重量感のある不思議なM10です。
(ガラスフィルムつけてるのもありそうだなぁ)

ちなみに後継機のM11はブラックについてはアルミニウムを採用し、フィルムカメラ並みの軽さになりました。

面倒な気質の僕としてはM10みたいな裏蓋付きの方式でアルミニウムモデルが欲しいとか考えております。M10-E、どうですか。(ない)

馴染む

fp同様、小さくて邪魔にならないので割と本当にほぼ毎日肩からかけて使っています。最近はちょっとシャッターを切る回数も少なかったりはするのですが、もはや一枚も撮らない日でさえ、そこにカメラはあります。

M10は上記の通りfpよりも少々重いわけなんですが、90gしたヘリコイドアダプタとかを常につけていたので差は約100g。

横幅はM10の方がデカいですが、いい感じの薄さなのでカバンに突っ込みやすい、レンズポーチに突っ込みやすい、というのもあるのでかなり持ち出しへの精神的コストは低くていい感じです。

まあ見た目もかっこいいですからね。持ち出したくなるよね。
というわけでfp同様、日々一緒です。

流石にお客様、お姫様じゃなくて、相棒として使いたかったので、割と気を遣いすぎずに日々使い倒しました。荒く使う、と使い込む、は違うと思うのでもちろん大事にはしているつもりで。

で、まあ不注意による事故は絶えないわけで(おい)冬服のジャンパーの金属製ボタンが引っかかってトップカバーに線が入ったり、裸のiPhoneをおっことしてちょっぴり凹ませたり、就職の最終面接で低い位置からポロリと落ちてボトムカバーの端っこが凹んだり…アレ、荒いかもしれない。


まあ持ち出す回数が増えれば増えるほど、事故る確率も上がるわけで、そういうことを感じさせるダメージ具合になってきています。ちくせう。

まあ上記のような派手なやらかしはそれくらいで、あとは本当に使ってて〜な感じの雰囲気のものがちょこちょこあります。

腹に当たるたびについてるんであろう引っ掻き後とか、サムレスト的な部分の擦れ方とか…

まあこのサラッサラのブラッククロームというのがそもそもハゲやすく細かい擦り傷がつきやすいような気がします。M11はそういうのの対策?で耐傷性高めのブラックペイントらしく。

ちなみに購入後すぐに外したボトムカバー、唯一自分が使った痕跡だけを残せる場所、1年少々使って現在こんな感じです。


よく触るボトムカバーのツマミや、それぞれの端っこの部分、膨らんでるのか知らないですが三脚穴のすぐ後ろなどがかなりスレてきています。やはり置くときの摩擦とかは一番デカいんだろうなぁと思います。

Ariさんの綺麗なM10-Dと自分のM10-Pを並べた時、質感の差がすごかった。使うとこうなるんだなぁと感じます。

まあM型はフィルムからの流れもあって、傷ついてもかっこいい系のカメラの筆頭だと思うので引き続き大事にガンガン使っていきたいところです。


レンジファインダー、MFってどうよ


ちょっと先ほど書いたことを違うような言い方で書いているだけかもしれませんがそのままにしておく…

使い続けていると慣れるもので、結構何も考えないで撮るようになってきました。フォーカスリングのピッチがレンズによって多少異なるので、例えばそれを揃えることを重視した構成にすればめっちゃ早くできそうな気もします。

例えばスナップとか人撮りとか、仕事でも無い限り、ある程度同じような距離感で撮影している人が多いと思います。撮影後フォーカスを無限に戻す、みたいなクセがなければ意外とちょっと触れるだけで合焦させることができるわけで、やっぱ実用的なのかもしれないなぁと思います。
(嘘です。AFって便利!)

ELMAR-M 50mm f2.8は回転角90度。比較的ピッチが狭めのレンズで、非常にスピーディなピント合わせができたりします。


面白いな〜と思うのが一眼レフとかミラーレスってレンズを交換したらそのレンズの視界になると思うんですが、レンジファインダーって常に一定、どのレンズを使っても同じ窓を覗くことになるので、否が応でも自分と被写体の距離はこれくらい、って感覚で撮ること。

基本的に光学ファインダーで撮影する分には、もう真ん中の二重像でしかピント合わせをするしか方法はなく、そういう制約も上記のような距離感を実感する点を際立たせている感じがあります。


そういうわけで、やっぱり独特の身体感覚があって、いいなあとなります。(いいのか悪いのか)

M型の悪くて面白いところが、慣れてない人に貸した時にピント大外しとかで撮ってくれるところで、逆にそれが思い出に残りやすかったりして好きです。LVもいきなり拡大してくれるから困惑される謎。

Mレンズの出入り

今あるのはコレ

ELMAR-M 50mm f2.8 2nd
Summilux 50mm f1.4 1st後期
Tele-Elmarit 90mm f2.8 2nd
Color skopar 35mm f2.5 P II

借り物
Elmarit 28mm f2.8 4th
HELIAR Classic 50mm f1.5 SC

手放したものは

7artisans 50mm f1.1
貴婦人の修理中の代打として手に入れました。結構良かった…!けどやはり貴婦人使いたい+fpにはバランス良かったですがM10には少しデカオモなのでリリース…

TT artisan 21mm f1.5 Aspherical
なんかやす!と思って衝動買い、21mm使うことってないな…不要か…
となって爆速で手放してしまったのですが、相当安く売ったので、まあ手元に置いてても良かったかもなぁと思います。安いし写るし明るいし。星とか良かったかも。

M-Rokkor 28mm f2.8
神戸のカメラのナニワで購入、しばらく気に入って使ってましたが、持病のクモリが出てきたら怖すぎるな…と思い、カラスコとリプレイスする形でサヨナラ

Color-Skopar 28mm f2.8 Aspherical VM
GRレンズが欲しすぎて狂いそうになっていたところに現れた新星。106gという驚異的な軽さと非球面による小型かつ高画質な設計。最高でした。しかも50cmまで寄れる。LVのあるM10の恩恵にあやかれます。
ただ超絶金欠のタイミングで、まあまた買えるレンズだから…という気持ちで一旦リリース。今、少しだけ寂しいです。

です。

基本的に小型、軽量レンズがどちらかというと好きで、口径よりは軽さ、操作性重視です。多分。

M型って割とミラーレス全盛のこの時代、逆に一番雑に撮っちゃっていい、むしろそれが本領発揮な感じのカメラな気がしていて、そういう場合にサクッと取りやすい小径軽量レンズがloveです。


金欠ゆえ、現行で買えるカラスコ28は一旦リリース。軽い小さいよく映る。すごいレンズです。

特に純正でイチオシはELMAR-M 50mm f2.8 2ndで、LTM時代のエルマーよりも短い上にMマウント50mmで最軽量級、写りの傾向は味、というよりかは無個性端正、という感じで、ボケすぎず、ボケなさすぎず、フリンジも発生しにくい、という優等生です。何よりも相場が10~15万円と、最近のMレンズとしてはかなり求めやすいわけです。フォントもleitz normでデジタルとの親和性高め。


ついでに最短70cm。オールド系だと最短1mが多かったりする中でf2.8なので、なかなか色々できそうな雰囲気があります。     

とりあえず楽しい

とにかくミラーレスとフィルム機の中間くらいの温度感で、雑にも撮れるし、オールドレンズでじっくり撮影することもできる。

パンフォーカスで狙ったとしてもどのレンズにも距離指標がついているし、ピントの山がわかりにくいレンズでもレンジファインダーがあるからバチピンも思い通り。(ズレてるなら知らんけど。)

とにかく楽しいカメラです。

なんだかんだ言って見た目はいいし、質感も最高レベル、レンズの選択肢もコシナに純正にオールドレンズから、最近アツい中華メーカーまで、縦横無尽の様相です。
使おうと思えばレフ用レンズだって使えちゃう。ちょうどいい長さのフランジバックがアダプター使用時もいいビジュアル。

やっぱ高いし絶賛ローン返済中()ですが、まあ現状不具合なく調子良く毎日一緒に過ごしてくれていますし、無駄に物欲も湧かなくなり非常に心穏やかなので、後悔はしていません。今のところ…

そういうわけでM10-P、約一年半が経ちました。引き続き楽しんでいきます💪

それではまた。

物撮り

今回は窓際で適当に撮りました。カメラはZ8に24-70 f4。JPGの感じが良かったのでそこから露出少し調整したのみです。


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みわ
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