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手塚治虫先生との邂逅

「生涯一度だけの手塚治虫先生にお会いしたのは第一回の「広島国際アニメーションフェスティバル」のことだったと記憶しています。手塚先生が「おんぼろフィルム」でグランプリを受賞され授賞式だったか講演会だったかを会場メインスタジアムで行われたときです。所詮遠くから眺めるだけでしたが同じ室内で同じ空気を吸い手塚先生を自分の目で確認することが出来た唯一の機会でした。これ以前にも著名な漫画家には紀伊國屋書店広島店や広島アニメック(アニメージュスタジオNo1)等でサインいただく際や上映会の挨拶などでお会いすることはありましたが、握手してもらったのは水島新司先生と竹宮恵子先生と萩尾望都先生の3人だけでした。後に何かの著作で「穏やかな聖人君子みたいな手塚治虫は演技だ」という文書を読んだときはショックでした。「広島国際アニメーションフェスティバル」はその後、2011年に市長が松井一實に変わると予算やコロナを理由に縮小され続け、2020年を最後に開催されなくなりました。レイ・ハリーハウゼンらレジェンドと同じ空気を吸えたのはいい思い出です。

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