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秘密結社

「秘密結社」は1980年代末の昭和末期に購入した同人誌小説です。内容は政府の秘密機関の情報員の主人公亜佐実が、政治家や官僚、企業経営者らに蔓延する謎のインナーサークルについて調査するうちに巨大な陰謀に巻き込まれたと思い込むという二重構造の作品です。
インナーサークルの名称は「デストロン」といいその由来は仮面ライダーシリーズなのかトランスフォーマーなのか最期まで不明ですが子供番組の悪の組織に由来すると構成員の口から語られます。
調査するうちに50代、60代の時代劇女優を集めてのお座敷遊びから、アニメ歌手四天王を集めてのディナーショー、特撮ヒロインを集めたコンパ等がサークル活動として行われる実態に主人公亜佐実はこのサークルが単なる社会的地位のあるオタクが密かにその趣味を満たしているだけのものではないかと疑い始めます。
ですが、一部のメンバーが作成した軍事クーデターの計画書とか要人の暗殺計画書とかがサークルの機密書類から見つかり緊張することになるも、それも遊びの一種でしかないのがわかったりで状況は二転三転していきます。
殺人兵器としてのロボット開発や光線兵器の開発計画もあり、亜佐実はついにデストロンの最高幹部会が東京某所で開かれる情報を掴み侵入します。
そこにはたがいを「大佐」「博士」「大使」「将軍」「ドクトル」と呼び合う5人の幹部とモニター越しの彼らに指示を与える「首領」と呼ばれる存在がありました。
そして亜佐実が侵入者として警備員に捕まり幹部たちの前に連行され首領から彼らの目的が世界征服であることを告げられてそれが彼らのジョークなのか本当の目的なのか亜佐実が自問したところでこの小説は終わります。
総ページ数50ページの中編小説でした。
まさか、特撮ヒロインが実際にショーやったりファンイベントしたりする時代が来るとは思いませんでした。この作品の秘密結社デストロンのサークル活動で実現していないのは時代劇女優集めてのお座敷遊びくらいかな?

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