奇跡の雑誌月花ＯＵＴとみのり書房と白と黒

「月刊OUT」が初めて我が家にやってきたのは1978年9月号だったかと思います。「エイトマン」が表紙のそれには「さらば宇宙戦艦ヤマト」の特集記事が組まれており、兄が偶然書店で発見購入して持ち帰りました。既に宇宙戦艦ヤマトについては「アニメージュ」の創刊号とかも兄は購入していましたが、そのマニアックな記事内容に大いに満足し、中学の昼休憩時間に学校を抜け出し、郵便為替のOUTのバックナンバー4冊を購入する暴挙に出ます。
そして事件は起こります。
郵便為替を使って2週間後にやや大ぶりなガムテープで梱包された郵便物が自宅に届きました。封を切られるわけでもなく母から兄に手渡され、兄は私と一緒の子供部屋でその封筒を開封に中に入っている書籍を取り出しました。それは「超人ロック」や「吾妻ひでお」「スターシマック」のイラストが表紙を飾る「OUT」や「ランデブーコミック」のバックナンバーでした。
それ自体には問題無かったのですが、それ以外の本が同封されており、それが事件を巻き起こしました。
そこには白い下着と黒い下着を着た女性2人が表紙を飾る青年雑誌が同封されていました。「みのり書房」の出版物なのは確認されましたが注文分のバックナンバーは全てそろっていたので、発送係の人が気を利かせて売れ残りの成人誌を同封したものと思われます。
兄はすぐにその本を隠しましたがいつまでも隠しおおせるものでもなく、通販で成人雑誌を購入したとして父親に思いっきり殴られていました。
父が兄を殴ったのは私の知る限りこれが最初で最後だったので、この程度のことで何で殴るかなと疑問に思ったものです。
後に父が兄を殴りキツく叱ったのは成人誌の件というのは私の勘違いで、郵便為替を使うために学校を抜け出し午後の授業を一コマさぼったことが原因だと私が知ったのは兄が大学進学して家を出る5年後のことでした。