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13歳からの地政学

この本を一言でまとめるなら、国としての戦略の立て方が違う事を直感的に学べる本

地政学は、現代の教養の一つとして重要な学問と聞きこの本を読んだ。地政学というと国同士の問題というイメージがあった。

13歳からのというタイトルがついているだけあり、本当に初学者向けだったが難しい表現がひとつもなくわかりやすく読み進められた。

実際に強い国と弱い国での戦い方の違いや、過去にある国や地域を占領した(支配した)側とされた側で捉え方が違うなど、地理上での位置関係だけでなく周りの国との信頼関係が平和につながる第一歩だと改めて気づくことができた。

このnoteは地政学初心者がこの本を読んでの備忘録なため、誤った記述などがあるかも知れません。ご容赦ください。

国と人間は同じ

人間が国を作っているため、隣国との信頼関係が重要である。また、地政学の一つに「遠交近攻」という考えがある。

アメリカが日本と仲良くしている理由として、アメリカから遠い中国が何か行動を起こした際に日本をいいポジションとしておくためがある。

領土を広げるために侵略を続けると、その土地を失いたくないというサンクコストが発生してどんどん領土を広げようとする。

人間関係で重要なことの一つである信頼関係は、国を守るためにも重要であると知った。

情勢によって翻弄される、韓国人でロシア国籍のヤマモトさん

本の中で、韓国人でロシア国籍のヤマモトさんの人生が紹介されていた。

彼女はソウルで生まれ、日本が大韓帝国を併合したことで6歳で日本国民となった。日本が日露戦争に勝ったため家族で樺太に移住。その後、第二次世界大戦で日本が敗戦したことで樺太がソ連に占領された。

韓国が建国されたが冷戦によりロシアと韓国が対立していて、韓国に帰れずロシア国民となった。

自国が占領されたため、自分のアイデンティティが強制的に変更されてしまう。
文章単位では、占領した/されただけの事実が残されている。しかし、そこに人がいて人生が翻弄されるということを忘れないようにしたいと感じた。

今日世界中で様々な戦争や紛争、貧困などの社会問題があるが、ニュースを見ているだけでは苦しんでいる人たちの顔や状態が把握しにくい。どうしてもリアリティに欠けてしまうが、ニュースの先には1人1人の人生があることを常に意識していたい。

世界の中心はどこ?

最後に世界の中心はどこか?という質問が書かれている。きっとこの答えに正解はない。「中心はないという回答」も「中心は自分」という回答も正解だ。

ウクライナとロシアの戦争やイスラエルとガザ地区戦争など、世界的に緊張が高まっているここ数年。地政学がより重要な学問になってくると共に、世界平和を1日でも長くするためには1人の地球人としてどのようなことができるのかを考えていきたい。


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