【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ小郷オーエンの恋
今日から開催される
うりもさんの名物企画。
創作活動
「すっぱいチェリーたち🍒」。
キーワードは、
「すっぱければすっぱいほど輝く」です。
学生時代の甘く切なく、すっぱい青春時代を
学園コメディもので楽しみながら創作活動する
今回の企画。
本日、11月1日がスタートです。
(なぜか、2回言うのはご愛嬌)
うん!!
すでに
マガジン登録されている記事数が
”40”を超えてますがな!!
みなさん、
フライングしすぎです(笑)
というわけで、
わたしも鳴りを潜めていたのですが
もう、我慢できそうにありません。
【すっぱいチェリーたち🍒】
スピンオフ小郷オーエンの恋を投稿させていただきます♬
よろしくお願いします。
では、いってみましょう(^^♪
✔小郷オーエンの
恋のはじまり
「オーエン、今日の昼ごはんは
コンビニで買っておいてね。ここに500円、置いとくから」
オーエン
「はーい」
朝早くから母ちゃんは、バタバタとしながら家を出ていく。
机に上には、昼ご飯のお駄賃となる”500円”が置かれている。
オーエンは、「これで帰りに駄菓子屋のガシャポンでキン消しが買える」と心を躍らせながら、その500円を自分の財布へ入れた。すぐに学校に行くために身支度を整える。お気に入りのウォーズマンのキン消しも忘れず、専用の鉛筆箱へ忍ばせて登校した。
昼休み
宇利 盛男
「3時限目の垣野先生の話し、長かったよな~。
ずっと、かるた部の話しばっかり。
ぜんぜん、授業が進まんやったな~」
阿久 佳祐
「ほんと、ほんと!
どんだけ、かるた部にチカラ入れてんのやろ!
つぎこそは全国大会優勝を狙えるメンバーが揃ったって
力説するし…
ま、垣野先生の気持ちは分からんでもないけどな」
宇利
「ほんまやな」
宇利と阿久の話を聞きながら、小郷は100円のウインナーパンをかじる。
宇利
「たしかに、部活って、青春よな~。
あぁ~、おれも恋という名の青春を過ごしてぇな~。
そういえば、阿久はバンドやるんやろ?
保志田とだっけ。いいな~、青春やな~」
阿久
「なんや~、宇利もやりゃ~えーやん」
宇利
「いや~、そんなセンスないよ、おれは。
おれはこの梅干しと一緒で、恋にすっぱく生きようと思うねん」
そう言いながら宇利は、弁当の梅干しを口に入れて、おもいっきり”すっぱい顔”を見せた。
小郷
「あっ!
その顔、このあいだ手に入れたキン肉マンのキン消しにそっくりや!」
宇利
「どういうたとえや!内輪すぎて、分からんわ!」
阿久
「そんなキン消しあったか?知らんぞ」
小郷はすぐさま「これやこれ!」と宇利と阿久に見せるために、キン消し専用の筆箱をカバンから取り出そうとする。
???
例のキン消しを宇利と阿久に見せるために小郷は、もう一度、カバンの中を探る。しかし、見つからない。
そう、カバンの中に大事にしまっているはずの”キン消し筆箱”が行方不明なのだ。
みるみるうちに小郷の顔は青ざめる。
小郷
「ヤバい…、筆箱がない…」
宇利と阿久は「なんやなんや」という顔で心配そうに小郷を見つめる。
すると、教室の入り口から”とある女性”の声が聞こえてくる。
???
「すいませーん!
この教室に”小郷オーエン”って、人はいませんかーーっ!!」
小郷は、パッと声のするほうを振り返る。そこに立っているのはメガネ姿の似合う女子生徒が立っていた。どうやら、その女子生徒は小郷オーエンに用事があるようだ。
???
「すいませーん!
小郷オーエンって、いませんかーー!」
ガヤガヤする教室の中でも分かるように、彼女はもう一度、声を大にして伝える。小郷は申し訳なさと恥ずかしさがこみあげて、猛ダッシュで彼女のほうへ向かいながら声をかける。
小郷
「すいませーーん!
わたしが小郷オーエンでーーーす!!」
少々、息を荒げながらも平常心を保つ風に見せかけながら彼女の前に立ちつくす。
???
「あなたが小郷オーエンね。
これを渡したくて、呼び出したの」
彼女は両手で”あるもの”を差し出す。
それは、カバンの中にあるはずの”キン消し専用筆箱”だったのだ。
宇利
「ほえぇーー、あの人、えらいべっぴんさんやな」
阿久
「そやな~、
同学年であんなべっぴんさん、おったかな~」
宇利と阿久は、遠巻きに小郷と彼女を見ながら会話する。
???
「はい!これは小郷くんの落とし物よね。
玄関の渡り廊下に落ちてたわよ」
小郷
「…」
???
「違うの?」
小郷
「あっ…いや」
???
「そうよね。勝手に開けて申し訳ないけど、
筆箱の中を開けたら学年と名前が書いてあったから」
小郷
「あ…、ありがとうございます」
???
「じゃ、はい!受け取って。
つぎは落としたらダメだよ」
小郷は彼女から筆箱を受け取る。
???
「これで用事は終わり。
友達が待ってるんでしょ、じゃぁね」
彼女は用事を済ませたことでスッキリとした顔をして、小郷の前から去ろうとする。
小郷
「あ…あの…」
???
「なに?」
小郷
「あの…良かったら、名前を教えてください」
???
「えっ!わたしの名前!?
わたしは千世子。
数字の千に、世界の世で、子どもの子。
3年C組の千世子よ」
千世子は、メガネを片手でグイっとあげながら小郷に名前を伝える。
小郷
「…千世子さん…、千世子さんですね。覚えました。
今日は筆箱を拾ってもらいホント、ありがとうございました」
千世子
「いいよ、いいよ♬
つぎこそは落とさないように紐でカバンにくくるなり、気を付けなよ」
小郷
「はい」
千代子
「じゃ、また」
千代子はバイバイと片手でジェスチャーしながら、自分の教室に向かって走り去っていく。小郷は、彼女の姿が見えなくなるまで背中を追いかけ続けた。
ドッ!!
小郷の肩に宇利の手が乗っかる。
宇利
「ええやん!すっごいべっぴんさんやったやん!」
小郷の肩に手を回して、阿久も言う。
阿久
「これは、こ、い、の、よ、か、ん…ってやつか!」
小郷
「そんなんじゃないよっ!からかわないでよ!!」
宇利と阿久は顔を見合わせて、ひゃひゃひゃと笑う。
知らず知らずのうちに、胸の内でドキドキしたものを初めて感じた小郷。同時に「もう一度、千世子さんに会いたい」という気持ちも芽生える。いや、今後はしぜんと彼女の姿を追いかけるだろう。
この感覚こそ、小郷の初恋なのだから。
以上です。
うりもさんの創作活動
「すっぱいチェリーたち🍒」スピンオフ
小郷オーエンの恋でした。
楽しんでいただけたら幸いです。
そして、勝手ながら
初恋相手としてご紹介させていただいた
「千世子」さんは、この方です。
千世さん、勝手ながら
物語に参加させていただきました。
すいません💦
(それも初恋の相手役…🙇♂️)
ご都合の悪い点などありましたら、
連絡いただければ対応いたします。
では、また。
失礼します。
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