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【実話】九死に一生を得る体験をして気づいた、いざという時の選択の大切さ。
昔のテレビ番組で「九死に一生スペシャル」という番組が話題で、よく見ていました。
その名のとおり、死ぬかと思った体験を紹介する番組です。
みなさんは、そんな体験をしたことはありますか。
もし体験した場合、どんな選択をするでしょうか。
以前友人と船釣りに行った時、船釣りの最中に思いもよらない出来事が起き、まさに九死に一生を得る体験をしました。
今回は、その当時の話をしようと思います。
1.船釣りツアー
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友人のお誘いで、人生初の船釣りツアーに行くことになりました。
待ち合わせ場所でツアー担当のボートの船長と合流し、沖から小型ボートに乗って、いざ出港。
近場の釣りスポットで始めるのかと思いきや、ボートはどんどん沖から離れていきます。
ボートを運転していたツアー担当の船長に、友人がこんな質問をしました。
「ここらへんって、サメとか出るんですか?」
すると、船長はこう言いました。
「はい、出ますよ」
僕は「サメ出るんだ」と驚き、海から落ちることに恐怖心を感じていました。
中々危険なツアーになりそうだと感じながら、ボートにしっかりと掴まり、釣りスポットまで向かいました。
2.釣り開始
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まずはグルクンという、小さい魚を釣るところからスタート。
20匹くらい釣った時に、今度はグルクンを餌にして大物の魚を釣ろうという話になりました。
グルクンを餌にする場合、釣り針に引っかかったグルクンが海の中を動き回ります。
大物の魚がグルグルを狙って針に引っかかってくるため、釣り竿は基本的に垂らしておくだけ。
「なかなか大物来ないね」
友人達とのんびり話している時に、思いもよらない事件が起きました。
3.事件
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垂らしていた釣り糸が絡まって、解いている時に、船長がおもむろに立ち上がりました。
船長は何かに気づいたようで、船尾の方に近寄っていきました。
船尾には大きめの簡易トイレが付いていて、座っていると死角になり、後ろが見えづらい状態です。
「おーい!おーい!」
船長が船尾から海に向かって叫び始めました。
何事かと思って立ち上がってみると、僕らが乗っているボートに向かって、大型船が全速力で走って来ています。
「えっ!?うそっ!?」
その大型船は、錨を下ろして止めていた僕らのボートに向かって、スピードを緩めることなくまっすぐ向かってくるのです。
「おーい!危なーい!」
いくら船長が叫んでも、まるで聞こえていない様子。
あまりにもの迫力に、僕は「映画みたいだ…」と思いながら唖然としていました。
すると、船長は思いもよらない事を言い出しました。
「ダメだ!飛び込めー!!」
そう叫び、船長は僕らの目の前で、海に飛び込みました。
「えーーーっっっ!!!?」
向かってきている大型船もなんとか避けるだろう、船長がなんとかしてくれるだろう。
そう思っていた僕の目の前で、船長は船から脱出。
あまりにも非現実的な光景が目の前に広がっていて、僕は何をすることもできず、向かってくる大型船を見ていることしかできませんでした。
「ドッカーン!!」
そのまま大型船は、僕らのボートの船尾に激突。
しかし、幸いなことにもボートにぶつかる直前で舵を切っていたようで、ボートの側面に擦れる形で横切り、正面衝突は免れました。
「・・・。」
なんとか一命を取り留めたものの、起きた出来事が衝撃的過ぎて、声が出ませんでした。
4.友人がいない
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一安心していると、友人の一人がいないことに気づきました。
「あれ!?○○は?」
「〇〇なら、さっき海に飛び込んだよ!」
見てみると、ボートに脇に友人が掴まっていました。
「助けてくださいー」
友人をみんなで引き上げ、友人はケガもなく無事救出。
奇跡的に負傷者はゼロ。
そしてぶつかってきた大型ボートの船長は、わき見運転だったそうで、全く気付かなかったそうです。
「いやいやいや」と思いながらも、命に別状はなかったため、僕らのボートの船長とやりとりし海上保安庁へ連絡。
エンジンに破損はなく、沖までもどることができ、一見落着。
陸地に着いた時に、地面があることへの安心感を覚えたのは、初めての出来事でした
5.一瞬の判断
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その後、海に飛び込んだ友人と、僕を含め海に飛び込まなかった友人たちで、話し合ったことがありました。
「なんで海に飛び込んだの!?」
「いやいや、なんで海に飛び込まなかったの!?」
飛び込まなかった側の僕らの意見は、船酔いして寝転んでいた状態だったり、僕のように予想外の出来事に反応できなかったり、人それぞれの意見や解釈がありました。
飛び込んだ側の友人の意見は、海の上で船長の言うことは絶対と信じていたので、飛び込めと言われたから飛び込んだそうです。
「いやいや普通飛び込まないよー!」
当事者たちの中では、5人中4人が飛び込まなかったので、「飛び込まないことが普通」でした。
しかし、その後この話をほかの人にすると、「飛び込む」「飛び込まない」の意見は五分五分。
「飛び込む」と言った人たちは共通して、素直な人たちでした。
「海の上では船長が絶対でしょー!(飛び込んだ一人以外)死んでたかもしれないよ!」
後々考えてみると、確かにあのまま船が舵を切れなかったら、正面衝突してエンジンが爆破し、命を落としていた可能性があったことに気づきました。
6.振り返り
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その後数日間、「なんで僕は飛び込まなかったのか」振り返っていました。
海の落ちたほうが危険だと思ったから。
濡れていい服装じゃなかったから。
船長の行動が一瞬信じられなかったから。
自分の意見を貫いて、手を差し伸べてくださっている人の言うことを聞かない。
周りからどう見られるかを気にしている。
ではこの出来事が、子供のころの出来事だったらどうでしょうか。
右も左も分からない未熟だった子供のころの僕だったら、船長の言うことを信じて、飛び込んでいたんじゃないかと思います。
7.まとめ
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大人になって社会に揉まれて、いろいろな経験をするうちに、生死に関わる一瞬の判断を誤ってしまう自分になっていたことに気づきました。
あの一瞬で海に飛び込んだ友人の素直さが、本当にすごいと思います。
みなさんがもし、このボートに乗っていたら、海に飛び込んだでしょうか。
何がともあれ、九死に一生を得て、生きていることのありがたさを体験した出来事でした。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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