彼女の聖域に触れそうな日々(短編小説)
*
僕は傲慢な彼女の靴下を持っている。
なぜなら、彼女が僕のことを誘っているからだ。
「いつも通り、あたしに靴下を履かせてみなさい」
ある高校の誰もいない放課後の教室で、ある儀式がおこなわれようとしていた。
それは、僕と彼女だけの秘密の儀式だ。
「早くしなさいよね、このグズ!」
彼女は僕の目の前で足を組んで座っている。
そして、その美しい足を僕に突き出している。
「はやくしてよ! あたし、足が冷えてしょうがないんだから!」
僕がなかなか行動に移さないことに苛立ったのか、彼女は声を荒らげた。
「ご、ごめん……」
僕は慌てて彼女に謝ると、手に持っていた靴下を彼女の生足に履かせようとする。
――綺麗だ。
そう思ったが、彼女は傲慢なので、そんなことを口にすればまた怒られるかもと思い、口には出さなかった。
彼女の聖域……スカートから足のつま先まで伸びる長い脚線美。
それを目に焼き付けながら、僕はゆっくりと彼女の白いソックスを履いていく。
まずは右足。次に左足……。
「……あっ……!」
彼女に白いソックスを履かせているとき、彼女の白いショーツが見えてしまった。
思わず声が出てしまう僕。
だが、彼女はそんなことなど気にも留めず、ただ黙ってじっとしていた。
やがて、すべての作業が終わると、彼女は満足そうに微笑んだ。
「うん、これでよしっと」
そう言って、彼女は椅子から立ち上がり、教室を出ていこうとする。
「じゃあね、また明日学校で会いましょう」
「あ、あの……!」
僕は彼女を引き止める。
「なに?」
彼女は面倒くさそうに振り向いた。
「えっと……今日はありがとう」
「なんのお礼? あたしがあんたにお礼を言われるようなことをした覚えはないけど?」
「……いや、なんでもないです」
「そう。ならいいわ」
そう言うと、彼女は今度こそ本当に帰っていった。
一人教室に残された僕は、彼女の聖域にあった白いショーツを思い出していた。
「……はぁ……」
ため息をつきながら、僕は自分の陰部を見る。
そこはすでに固くなっていた。
これが僕と彼女の……放課後の教室でおこなわれている、いつもの儀式であり、秘密の行為だった。