誇り高く。「舞台『鬼滅の刃』」~感想日記~
「舞台『鬼滅の刃』」
あらすじ(ネタバレ)
炭焼き小屋の息子、竈門炭治郎はある日突然、鬼に家族を殺されてしまい、唯一生き残った妹の禰豆子は鬼に変貌してしまった。鬼殺隊の冨岡義勇の紹介により、「育て」である鱗滝左近次のもと選別試験に向けて鍛錬を行うことになった炭治郎は水の呼吸、全集中の呼吸などを教え込まれ、いよいよ選別試験を受けるかどうかを決めるため、大きな岩を切るよう命じられる。苦戦する炭治郎の目の前に現れた謎の二人、錆兎と真菰の手助けにより、ついに岩を切ることに成功した炭治郎は選別試験へと向かうが、そこで出会った鬼との会話により錆兎と真菰が亡くなっていたことを知る。その鬼を倒し、無事に最終選別に残った炭治郎。鱗滝のもとへ戻り、隊服と日輪刀を手にし鬼殺隊として最初の任務へと出かけるのだった。
任務で訪れた街で、家族を殺した鬼の匂いを察知した炭治郎は鬼舞辻無惨と対峙する。無惨は通りすがりの男性を手にかけたところで鬼の珠世が表れ炭治郎たちを珠世と愈史郎の隠れ家に案内するが、そこへ二人の鬼が攻撃を仕掛けてくる。炭治郎は愈史郎の助けを受け矢琶羽を倒し、禰豆子の健闘と珠世の血鬼術により朱紗丸も倒された。鬼を人間に戻す方法を共に解明するため協力することを珠世たちに誓い、炭治郎は次の任務へと向かう。
鬼殺隊の我妻善逸と合流し向かったのは山中のお堂であった。兄が囚われてしまったと言う子どもたちと共に建物の中に入ることになった炭治郎と善逸だったが、鬼の血鬼術によりはぐれてしまう。善逸は恐怖と罪悪感のあまり気を失いながらも子どもを守り抜く。炭治郎は囚われていた子どもに女の子を預け、満身創痍である自身を鼓舞しながらなんとか家主である響凱を倒した。戦いが終わり、建物の外に置きっぱなしになっていた禰豆子の入った箱に飛び掛かろうとする伊之助。それを止めようとする善逸に容赦なく殴り掛かる伊之助を止めるため炭治郎は伊之助の腹を殴り、頭に頭突きを食らわし、満身創痍の三人は藤の家で休養を取ることとなった。藤の家にて鬼を連れた炭治郎の事情を知った二人。三人は休養を終え、共に那田蜘蛛山の任務へと向かうのだった。
感想
めっちゃ良かったです……!!!想像以上の素晴らしさだった!!!原作好きで舞台をまだ観ていない方はぜひ一度でもいいので観てみてほしい!!!
なにが良いって、音楽と歌唱が素晴らしいです。まず始まりの歌から鳥肌。わらべ歌のような旋律が圧巻の歌声で響き渡ります。このメインテーマ、おそらく始まり・中盤・クライマックスの3度に渡って歌われていたと思うのですが、クライマックスに向けて演出も歌声も豪華に盛り上がっていくのがとても見応えあります。
そして役者さんの歌声が素敵すぎる。義勇さんの歌声にまずビビりますし、珠世様の美しすぎる歌声は血鬼術レベル。無惨の歌声はあまりに最強すぎてもうぐうの音も出ないという感じになります。そして何より炭治郎の歌声が……。優しいのに芯がありよく通る声という、あまりにも炭治郎すぎる事実に、泣ける。
演出も素晴らしかった!プロジェクションマッピングを使うことで戦闘シーンの非日常な動きや場面展開を表現されているのですが、安っぽさや違和感はなく、ちゃんと原作にある儚い美しさが巧みに表現されていて感動しました。
ストーリーはもちろん台詞も原作リスペクトな部分がかなり多い中、舞台ならではの場面といえばやはり歌唱シーン。これがとてもよかった……!炭治郎の戦闘シーンや善逸の霹靂一閃シーンでの歌唱があることでキャラクターの心情がより深く入って来るなぁ~とミュージカルの良さを痛感いたしました。一番感動したのは選別試験の鬼を倒した時の炭治郎の歌。錆兎や真菰たちに「君たちは約束を守ったんだ、ちゃんと帰る、と」と歌い「自分が命を失っていたとしても、鱗滝さんと禰豆子のいる山へ帰っただろう」と歌う炭治郎。これは原作にもアニメにもなかったですが、「炭治郎ならそう言うよね―――――!!!泣」と大号泣のシーンでした。
同じ役者さんがいくつも違う役を演じていたりするのも単純に「すげー!!」と感動しました。
あとですね、これは確かではないのですが。
アマプラで観劇していたところ、回線が重くなりたまたまスローモーションになったのが霹靂一閃のシーンで。まさか、とは思いますが善逸さん、もしかして、ちゃんと刀抜いてる……???
いやあの、善逸の抜刀って早すぎて見えないパターンのやつじゃないですか。だから実際芝居するとなると例えば刀を少しだけ鞘から出して素早く仕舞う、とかでも芝居としては成りたつのかなと思って見過ごしてたんですが、スローで見た時ちゃんと刀がキラリ、と光っていたように見えたんですよ……!このシーン、アニメでも「一瞬すぎて普通の速さだと見えないけど、スローにして見るとちゃんと抜刀して鬼の首切ってるよ!!!アメージング!!!」ってSNSで話題になってたと思うんですけど、もしこれを生身でやってるんだとしたら、とんでもない技術なんじゃないコレ……?!?!
そして改めて、ですがやはり「鬼滅の刃」はいいですね。決して幸せな物語ではないのですが、作品に魂がこもっているのを感じます。
舞台で物語を追っていると、「鬼滅の刃」のストーリーが伝えるメッセージ性には「誇り」というものがあるように感じました。
「自分の立場をきちんと理解して、その立場であることが恥ずかしくないように、正しく振舞うこと」かぁ。それを思うとたしかに、鬼殺隊の人たちはみんな最後まで誇り高く生きたと言えるし、私もそうでありたい。
素晴らしい作品を観劇できすごくリッチな気分になれました。なんと遊郭編あたりまで舞台化されているようなので、続編も楽しみに観劇したいと思います♪
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