サーバル猫と会いたかった百歳の女性
アフリカのサハラ砂漠以南に生息するサーバル猫はすらっとした体と長い脚をしていて、さしずめ「サバンナのスーパーモデル猫」でしょうか。
その美しい斑点模様ゆえに毛皮用に乱獲された時代があり、今では絶滅危惧種となっています。
100歳になる動物好き英国人のベティ・モリスさんは、地元の小さな動物園で初めてこの猫を見て好きになり、長年にわたって同園を頻繁に訪れました。
そんなベティさんに飼育員たちも親しみを感じていました。
2021年4月、そのドラシージャ動物園ではヌウェラという名前の美しいサーバル猫を新たに入手し、訓練を始めました。
サーバルは一般人が飼えるようなたやすい猫ではありませんが、この仔は幼い頃から人手で育てられたので珍しくヒトに慣れていました。
ヌウェラが落ち着き始めて訓練を楽しんでいるとわかると、飼育員たちは最終的にベティさんが望んでいる「サーバル猫を近くで見たい」という夢をかなえてあげたいと思いました。
そこで慎重に検討し何度もテストして計画を立て、準備と猫の訓練に何週間も費やしました。
猫を徐々に囲いの中の車椅子に近づけてベティさんと安全に会わせられるよう、何度もリハーサルを行いました。
特別招待日の2021年9月1日、一般の開園時刻より早くに飼育員たちに伴われてベティさんはサーバル猫の囲いに入りました。
飼育係長のジェマは訓練用スティックや食べ物、クリッカーなどを使い、それまで猛練習したとおりにヌウェラを導いてベティの車椅子に近づけました。
ヌウェラは車椅子のすぐそばまで来てくれ、ベティさんにとっては素晴らしい1日となりました!
サーバル猫を初めて見かけて以来ずっと抱いていた夢が実現したのですから。特別な、1回限りの忘れられない出来事になりました。
飼育員のジェマは「この体験がベティさんにとってどれほど重要なことかわかっていたので頑張りました。ヌウェラがうまくやってくれたのでとても誇らしいわ!こんな素晴らしいサーバル猫と一緒に仕事ができて光栄です。」と語りました。
この出会いのあとにベティさんは園からサーバル猫との最愛の関係を記念する里親の称号を与えられて感涙をこらえることができませんでした。
そして、サーバル猫の囲いには銘板が掲げられました:
「当動物園のサーバル猫を見守ってくれた長年の支援に感謝し、2021年9月1日にベティ・スミスさんへサーバル猫里親の称号を贈与できたことをとても嬉しく思います。」と記して。
5月に100歳の誕生日を迎えたベティさんは、同園のミーアキャットやキツネザルやアルマジロとの接触を許されていましたが、とうとうサーバル猫とも会えたわけです。
園からのこの粋な計らいに応えてーー動物たちとの面会のたびに付き添ってきた孫娘さんは、ベティさんが好きなだけ動物園へ来れるよう年間パスチケットを100歳のお誕生日に贈りました。
参考までに円山動物園のサーバル猫 👇