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ありえないお友だち (6)
前話「ありえない友だち(3)」https://note.com/miumiu_hime/n/n1b7db26a4a41 から、昨日さっくり紹介した、キリンの仔を見守る牧羊犬の続きです。
最近YouTubeやSNSでたくさん見かける仲良し動物ネタは、写真や動画に簡単な説明を付けてメドレー式に紹介するだけにしようと思ってます、基本的には。
山火事で無数の鳥や動物たちが犠牲になった話の後などは、ほっこりしたいですからネ。
癒されれば、もうそれだけで十分ですからね。
けれど、一度知ってしまったあのカップルは、どんな経緯だったのかしら今でも健在なのかしらと、あれこれ気になり始めるとどうにも止まらなくなるのが私の性分 (すなわちミーハー)。
なので、大半の方々にとっては気分が癒されればそれ以上はどーでもいい話が、わたしの中ではまだ続いてるわけです。
まず疑問に思うのは、なぜこのキリンの仔が親から離れてそこにいたのかってこと。
人間の育児放棄や虐待が時々ニュースになるが、動物にもそれはあるようです。動物園などの人工飼育だけでなく、野生においても。
育児放棄!なぜ!!と、できれば人も動物もとことん追究したいくらいだが、そうなるとnoteをしばらく休まなくちゃならないだろうから、あきらめます。
ジャズと名付けられたこのキリンは、生まれてすぐ母親に育児放棄されたのか、アフリカの荒野にひとりぼっちで衰弱し脱水状態になっていました。地元の農民が発見し、Rhino Orphanage (犀の孤児院) に運び込みました。
犀の孤児院は文字通り、孤児となったサイを育て野生に戻すための、非営利団体が南アフリカで運営する保護施設です。
スタッフがそこでの出来事や写真をマメにSNSへUPしてくれてます。
なかには、ツノ狙いの密猟者に傷つけられ運び込まれる犀の悲惨な写真もありますが。
ベルジアン・シェパード・マリノアというベルギー産牧羊犬種であるハンターくんは、そこでサイの密猟防止に一役買っているんですね。
生後わずか数日目で深刻な脱水症になっていたジャズはすぐに獣医の手当てを受けたが、そんな幼いキリンのお世話役もかって出て、ハンターは保護者のように寄り添うようになりました。
昏睡状態だったキリンの仔
当時のジャズは危険な昏睡に陥っていたため、獣医師は必要な水分と栄養を投与。回復を祈りながら経過を見守った。
昏睡状態から回復の兆しをみせたジャズは、それから18時間後ようやく目覚めてみんなを喜ばせた。その夜は職員たちの手を借りて何度か立ち上がり、おぼつかない足どりで辺りを歩き回った。
しかしキリンの赤ちゃんは手がかかることでも有名で、栄養を与えるのも難しい。しかも生後数日目の赤ちゃんとはいえ、背が180センチ近くある。この先ミルクをやるのも一苦労に違いないと誰もが思った。
とはいえ今は健康を取り戻すのが先決だと、職員たちはキリンの様子を見ながら少しでも早い回復を待つことにした。
一方、職員たちに負けないくらいジャズを見守っているのが犬のハンターだった。サイの密猟防止だけでなく、キリンの仔が野生に復帰するまでの見守り犬としての反応は、スタッフに目を見張らせるものがあったという。
この犬の名は幼いサイのツノを狙う密猟ハンターからサイを守るにしてはまぎらわしいが、密猟者を発見して「ハンターだ!」と叫べばすぐに飛んで来るから便利な名前といえるかもしれない。
見た目はいかついが心優しいハンターは、見慣れぬキリンの赤ちゃんをすぐに新入りと認定。ジャズとすっかり仲良くなった。
ジャズも長い首でハグするくらいハンターを大好きだった。
それから約1週間、ハンターの励ましもあってか、ジャズは驚異的に回復し自力で葉を食べるぐらいの食欲も出てきたのだが_____
まもなくして犀の孤児院は、キリンの仔が脳出血で倒れたとFacebook に発表した。数日前から足どりがふらふらしていたそうだ。職員一同悲しんでいます、と。
ハンターはジャズの死に際も寄り添い(写真左下)
空になった部屋の前でしばらく座っていた。(写真右下)
キリンの仔ジャズは野生に復帰することもなく短い生涯を終えたが、
犬のハンターは無二の友としてずっとそばにいました。
いかがでしょう? 昨日のコラムでほっこり癒されて下さったなら、やはりそれ以上は書く必要なかったのかもしれませんが・・・
ジャズの死を知ってFacebookにたくさんのコメントが寄せられました。
「えーっ、ハンターどうしちゃったの!!あら、ハンターじゃなかったの、慌てちゃった・・お悔み申し上げます」とか、
「密猟者に対面するのは危険で心配、ハンターいつまでも元気でね!」というのには、
ちょっと笑えました。