3つの好きな映画|たまにはジャケットで選んでみる?[シルエット]篇
映画にも“ジャケ買い”はある
もともとはレコードやCDを購入するときに、内容を全く知らない状態で、パッケージデザインの印象だけで購入することを言うと思うんだけど、映画を見つけるときにもあるよね?という話。
想いを込めているジャケット
映画の内容を伝えるために2時間程度の映像を数分の映像にギュッと凝縮したものが予告編。さらに凝縮してひとつのビジュアルにまとめたものがジャケット。
と、いうことはジャケットには監督の伝えたい内容が濃縮されている。なので、ジャケットが直感でいいと思ったものは、映画の内容もいいに決まってる、、、はず。
映画の選び方は千差万別。
あらすじで選ぶもよし、ジャンルで選ぶもよし、受賞歴で選ぶもよし。だけど、つくり手の想いの詰まったジャケットが、自分の好みであれば、映画の内容も好みの可能性は非常に高い。
映画は“ジャケ買い”もおすすめ。
シルエット
18世紀のフランスで、財務大臣シルエットさんが、倹約のために肖像画を「切り絵」にしたことが語源となったようで。いつしか、黒い紙を切り取って人物の横顔を表現した切り絵が“シルエット”と呼ばれるようになった、と。
シルエットになることで、髪や服の色、年齢、表情など全て闇の中に消えてしまう。それが、見ているこちらの興味を惹くことにもつながっているわけで。
さらに、シルエットになった人物の奥には、しっかり光のあたった風景が広がっている。メインであるはずの人物の情報が削ぎ落とされることで、背景にも意識が向けられる。
シルエットで人物と舞台の関係をよりドラマティックに。光と影が織りなす物語
人物がいて、背景である舞台が整い、物語が生まれる。映画のジャケットとシルエットは相性抜群。
と、いうことでシルエットが印象的な映画を3つご紹介。
たまには20年前、40年前、60年前と時代を遡って古い映画を見るのもいいのでは?
パンチドランク・ラブ/2002
約20年前の映画。
光と影の使い方がとてもうまいポール・トーマス・アンダーソン(PTA)による主人公2人のシルエット。とても印象的で綺麗なビジュアル。
PTAはこれ以外にもたくさん良い映画があるので、どれもおすすめ。
マンハッタン/1979
約40年前の映画。
巨大な都市に対峙してベンチに座る二人が印象的なジャケット。
ただ綺麗なだけの都市の風景は物足りない。
風景の中で佇む人を、ぼんやり眺めることができる風景がいい。
何を話しているのかなぁ、と他者を意識することができる風景
直接会話するような関わりがなくても、他者をなんとなく眺めることができる風景ってすごくいいことなんだ、という気づき。
ラ・ジュテ/1962
約60年前の映画。
全編スチール・カットで撮った中編SF映画の名作。映画の内容もとても実験的で、動画の威力を思い知らされるシーンが印象的な映画。
12モンキーズやテネットも強く影響を受けているとか。
陰鬱なシルエットが、映画の内容をしっかり表しており、それでいてとてもかっこいいジャケットデザイン。