3つの好きな映画|ベルギー発 アートを纏うファッションシーン[マルジェラ ドリス ラフ・シモンズ]
日本を代表するファッションデザイナーは?
これはあまりばらつきなく、誰に聞いてもほぼ同じ。三宅一生、山本耀司、川久保玲。90年代のUNDERCOVER、A BATHING APE、00年代以降のsacaiやkolorなどなど、いくつものブランドが世に登場しても、やっぱり原点はこの御三名。
ISSEY MIYAKE|イッセイミヤケ
Yohji Yamamoto|ヨウジヤマモト
COMME des GARCONS|コムデギャルソン
では、ベルギーを代表する三名は?
Dries Van Noten|ドリス ヴァン ノッテン
Martin Margiela|マルタン マルジェラ
RAF SIMONS|ラフ シモンズ
ファッション業界に全く詳しくないので、ばらつくか、ばらつかないかよくわからない。完全なる独断と偏見ではあるけれど、選ぶとするとこの御三名。
ということで、2025年春夏メンズコレクションを最後にドリスが引退を表明した今だからこそ、ベルギーのファッションデザイナーの映画でもどうでしょう、という話。
美しき生活が創り出す、美の源泉
老舗メゾンの誇り高き職人と妥協なき戦い
表層に意味はない、大切なのは本質
ファブリックと花を愛する男
ドリス・ヴァン・ノッテン
美しき生活が創り出す、美の源泉
アントワープ郊外にある自宅は、まるでおとぎ話の世界に迷い込んでしまったかのようなところ。庭の草木や花々を摘んで、一つ一つの花器に慎重に生け、室内に飾る時間。庭から採ってきた野菜やハーブを丁寧に調理する静かな時間。生き方の豊かさに気づかせてくれる。
季節に寄り添って暮らすことの尊さ
ディオールと私|ラフ・シモンズ
老舗メゾンの誇り高き職人とデザイナーの戦い
パリ・コレクションまでに与えられた時間は異例の8週間。通常4~6ヶ月必要とされる期間の半分以下。そんな環境でラフが提案する斬新なアイディアとデザインをもとに、寝る間も惜しんで1枚の布にディオールの魂を吹き込むお針子たち。
全身全霊を傾けてドレスを作り上げる職人とデザイナーの関係は、建築に携わる身としては共感しかない。ファッションも建築も、ものづくりの原点は同じなんだなぁと気づかせてくれる。
時間がない、技術的に難しい
でも誰も妥協しない、諦めない
マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”
マルタン・マルジェラ
エルメスのデザイナーへの抜擢
そして51歳に突然の引退―
これまで一切語ることのなかったクリエイティビティについて、そして自身に影響を与えた祖母や子ども時代について、重い沈黙を破って本人の言葉でつづる。7歳の時、テレビでみたファッションショーをみて、デザイナーになることを決意し、祖母から教わったバービー人形の服づくりは、もうすでにマルジェラっぽいというからおもしろい。
マルジェラのシグネチャーであるステッチの生まれた背景も明かされ、引退の理由も語られる。時間に追われ、才能を酷使し,消費されることが成功か?
自由に好きなことをしたい、それが引退の理由。
ブランドタグに価値はない
服そのものを感じてほしい
関連記事
映画|アートなヴェネチア
本|感じのいいセンス
旅|テキスタイルと建築