本の読み方・選び方
良い本の選び方とは、基本的には読むことです。
なぜ私がそう言うかというと評価とは目的に応じて行うもので、目的は人によって違い、またその時々によっても違うからです。ここで何か万人に万能の選び方を示すのは、則ち無理なのです。
しかし同様に前述の理由から、目的さえ定まればマシな選び方は可能です。
今日は高校生に本の選び方を聞かれて、イジワルにも上述のような返答をしたのでお詫びと反省を込めて、本を探したり選んだり読んだりする方法を書いてみます。個人的には、こういうのはおじさんになってから書くべきだと思うので畏れ多いです。
一つには、良い本を感覚的にでも分類すると良いでしょう。
例えば、娯楽の為の本だと面白かったり感動すれば良い本でしょう。知識を得る為の本だと分かりやすかったり、沢山の知識を得られたり、知識全体の体系を知ることができるなら良い本と言えるかもしれません。
こうした基準に則って、本を開いて、概要や目次を見て、中身をパラパラっと見てみると、概ね良さそうかそうでないか分かるのではないでしょうか。
さて、しかしそのように評価すべき本をどう見つけるのか。つまり選び方について。
例えばインターネットや通販サイトで「興味のあるキーワード+本」で検索する。または図書館の検索システムで興味のあるキーワードを検索する。この際のポイントはキーワードを適切に選定すること、ダメなら入れ替えてみることです。
他には図書館や本屋を歩くことです。例えばお目当ての本(検索して見つけたものなど)を探すついでに他に近くて面白そうな本を探すと良いでしょう。ぶらぶら歩いて興味のままに見ることも良いでしょう。
人が面白かったと言う本や同じ著者の別の本を見てみるのも楽しいです。尊敬する人や先生、先輩や友達なんかの面白いと言う本はどこかしら琴線に触れることが多いです。
とは言え、食事と一緒で偏りはいけません。面白いと思う種類の本もいいですが、たまには食べたことのないものを食べてみると、新しい好物になるかも知れません。
食べ物のアナロジーに被せるならば、もう一つ。我々の体が食べたもので出来ているように我々の言葉は読んだ本で出来上がるのです。かっこいい言葉がつらつら書かれてインスタ映えするような本も良いですが、大将こだわりの、手間暇かけた質の高い食べ物も食べてみてください。良薬ならずとも、口当たりがいいものや噛まなくても柔らかいものだけが良いものではないかも知れません。
ファストフード、映える食べ物、フランス料理のような分類を自分でしてみても良いでしょう。それぞれに合った食べ方もあります。
その美味しい食べ方。
最初の目的、興味が熱々のうちに食べ切りましょう。人の目的や興味は移ろうので、あまりゆっくり読むとおいしくありません。
そのためにはある程度のスピードで読めると良いですが、たくさん読めば早くなりますし、読めば賢くなるのでその分理解も早くなります。難しいなと思いながらも何とか突破すれば、必ず次の本ではもっと読むのが得意になっています。
それでも、全く知らない分野の本を読んだり、読みたくもない本を読む時は遅くなります。そんな時は諦めてさらさらっと流し読みします。つまらないなと感じたら、少なくともその部分はあなたの目的に合っていないことがあります。また難しいなと感じた場合は流し読みすると少し後に言い換えてあったりして謎が解ける場合があります。
人生諦めが肝心です。流し読みしてまだやっぱり理解したければもう一度読めば良いですから。読書百遍意自ずから通ずです。
チップス
哲学書は思考の過程を追って行くものであり、基本的には流し読みできません。言葉を通して脳味噌とそのつながりを作り変えるようなものです。これは古典と呼ばれるような、ある学問の始まりと言えるような本などについても共通する場合があります。
おすすめ
ドラッカー『マネジメント』(エッセンシャル版でも)
目的を定めその達成には何が重要かを考えるもの。社会や組織への洞察が深い。文章も易しい。ただドラッカーおじいちゃん話が長いから、また始まったよ…って思ったら聞き流すべし。まあ読んでも面白いけど。全人類はこれを読むべきであるし、読めばブラック労働なんてものは無くなるはず。
他にも書こうと思ったけどめんどくなってきたのでリクエストあれば答える形式で。