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1960~80年代の泣ける名曲100選5~映画音楽篇①「八月の濡れた砂」「太陽はひとりぼっち」「激しい季節」他13曲

048 ブラザース・フォア「遥かなるアラモ」 (1960)

ハリウッドの赤狩りを真正面から取り上げた『 トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 』 (2015)でも敵役の一人として登場する大物保守派俳優ジョン・ウェインが監督・主演(デイヴィー・クロケット役)したアメリカの国威発揚映画『アラモ』の主題歌。当時、日本でもヒットしました。                                  ブラザース・フォアは「グリーンフィールズ」などのヒット曲で知られる1960年代の代表的アメリカン・フォークバンド。

049 「日曜日には鼠を殺せ」 (1964)

フレッド・ジンネマン監督、グレゴリー・ペック、アンソニー・クイン主演、スペイン戦争を背景にしたサスペンス映画。            音楽は、モーリス・ジャール。

050 「初恋(ファースト・ラブ)」のテーマ(1970)

ツルゲーネフの原作を忠実に映画化したマクシミリアン・シェル監督、ジョン・モルダー=ブラウン、ドミニク・サンダ主演の苦い味の青春映画。監督自身も出演しています。                      ジョン・モルダー=ブラウンは、ポーランド派のイエジー・スコリモフスキがイギリスで撮った『早春』(1970)でも同じように年上の女に恋する少年の役を演じていました。                       テーマ曲は、後奏のギター演奏が素晴らしいです。

051 ミーナ「太陽はひとりぼっち」(1962)

                                  052 「太陽はひとりぼっち」サックス・ツイストバージョン

『情事』(1960)、『夜』(1961)に続くミケランジェロ・アントニオーニ監督「愛の不毛」三部作の三作目。ラストの人気のない荒涼とした都市風景のストップモーションと凄まじい効果音がこの作品の主題を物語っていて、衝撃的でした。                             作曲は、ニーノ・ロータ。

053 「太陽がいっぱい」(1960)

ニーノ・ロータの代表作。パトリシア・ハイスミスの原作のラストを改変し、イスキア島の明るい夏の陽光のもとで主人公リプリーの暗い末路を暗示するルネ・クレマン監督の余韻の残る対比的演出が見事でした。そして、ラストの情感を一気に盛り上げるニーノ・ロータの主題曲。           

『太陽がいっぱい』については、こちらに書いています。

054 「誘惑されて棄てられて」 (1963)

イタリアの名匠ピェトロ・ジエルミ監督のシシリー島を舞台にした辛口喜劇。

055 アリダ・ケッリ「死ぬほど愛して」(1959)

『鉄道員』と並ぶピェトロ・ジエルミの代表作『刑事』の主題歌。この曲は、日本でもヒットしました。題名が、すごいですね。                    主演は、ピェトロ・ジエルミ、クラウディア・カルディナーレ、エレオノラ・ロッシ=ドラゴ。

056 「禁じられた恋の島」 (1962)

監督は、ダミアーノ・ダミアーニ。
少年と継母との禁断の恋の行方を描いた同名イタリア青春映画の主題歌。
「太陽がいっぱい」ど同様、ラストシーンで非常に効果的に使われている知られざる名曲。

                                 サックスをフィーチャーした名曲を続けて3曲。

057 「太陽のかけら」 (1964)

スゥエーデン映画らしく、当時としてはかなり衝撃的な内容が含まれた青春回顧ノスタルジー映画の知られざる秀作。もう一度観てみたいのですが、BSかCSで放送してくれないものでしょうか。

058 「激しい季節」(1959)

ヴァレリオ・ズルリーニ監督、主演は、エレオノラ・ロッシ=ドラゴ、ジャン=ルイ・トランティニャン、ジャクリーヌ・ササール。             ムッソリーニの失脚、バドリオ政権の成立と内戦、そして、ドイツ軍の占領と目まぐるしく変わる第二次大戦後半イタリアの政治・軍事情勢を背景に年上の未亡人と大学生との恋の行方を描いたイタリアン・ネオリアリズムの流れを受け継ぐ名作。                         大学生をめぐる女の闘い、ササールとドラゴの目線がぶつかり合って火花を散らすこのダンスシーンもなかなかすごかったです。

059 「女王蜂」(1963)

マルコ・フェレーリ監督、マリナ・ヴラディ主演の同名映画主題歌。
若い男性が観たら、女性恐怖症&結婚恐怖症になりそうな艶笑喜劇。   園まりのカバー曲もヒットしました。

060 園まり「女王蜂」

                                 061 パティ・ペイジ 「ふるえて眠れ」 (1964)

ロバート・アルドリッチ監督、ベティ・デイヴィス、オリヴィア・デ・ハヴィランド主演の恐怖サスペンス映画。                

ベティ・デイヴィスとジョーン・クロフォードの二大女優の演技が火花を散らして好評だった『何がジェーンに起こったか』(1964)に引き続きロバート・アルドリッチが監督。

主演も前作と同じキャストで撮る予定でしたが、クロフォードが降板したため、オリヴィア・デ・ハヴィランドが急遽出演することに。出来栄えの方は前作より少し落ちましたが、こちらも大ベテランと若手女優の演技合戦が堪能できる映画でした。             

パティ・ペイジの代表曲は累計600万枚を売り上げ、1950年代最大のヒット曲となった「テネシーワルツ」。世界各国でカバー曲が作られており、日本では江利チエミ盤が40万枚の大ヒット。彼女の代表曲になっています。

062 パティ・ペイジ「テネシーワルツ」(1950)

                                  063 石川セリ「八月の濡れた砂」(1971)

藤田敏八監督、主演廣瀬昌亮、村野武範、テレサ野田。大映と日活が合同したダイニチの一般映画最終配給作品で、この映画の後、日活はついにロマンポルノ路線に踏み切ります。
                                  ダイニチの一般映画最終作らしく欺瞞に満ちた大人社会の体制や道徳の枠組みを押し付けられる若者たちの憤懣、反抗を一気にスクリーンにぶちまけた感のあるアナーキーな雰囲気に満ちた無軌道青春映画。

ラストの白いヨットの空撮シーンで流れる主題歌が方向性の見えないシラケ世代の大人社会に対する「小さな反乱」の虚しさを象徴していて、非常に印象的。
                                  当時、青春時代を送った「全共闘世代」にとっては、70年安保における学生運動の政治的「挫折と敗北」が色濃く感じられる映画でもあります。

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