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ブルースロック名曲集①ローリング・ストーンズ、ビートルズ他
難しい音楽理論はスルーしてマイナー調をキーワードで表すと、暗い、悲しい、哀愁、憂い、抒情、渋いなどが浮かんできますね。ブルース、ブルースロック、フォーク、歌謡曲、北欧エレキ・インストなどがマイナー調の代表的音楽ジャンルです。
意外なことに戦前の軍国主義の時代、戦意高揚を目的に量産された軍歌も有名な曲はそのほとんどがマイナー調なのに驚かされます。
日本人は昔からマイナー調が大好きと言われていますが、マイナー調が好きなのは別に日本人だけの専売特許ではなく、ビートルズやキンクス、ローリング・ストーンズ、ディープ・パープル、ドアーズ、ビーチボーイズ、レッド・ツェッペリンなど有名なロックバンドのヒット曲も実は大半がマイナー調の曲なのです。
前置きはこのくらいにして、これから、洋邦問わずマイナー調でメロディアスな名曲を集めて聴いて行きたいと思います。ただし、年代的な守備範囲は1950年代から1980年代中心で、最近の曲は一部を除いてほぼ範囲外なので悪しからず。
第一回は、ブルースロックの名曲を集めてみました。
ローリング・ストーンズ『down the road apiece』
原曲は戦前に書かれた古いブギウギ。ストーンズのブルースロック調アレンジが見事です。後半、キース・リチャーズのギター・ソロが素晴らしくて、いつまでも聴いていたいくらい。バックでリズムを刻んでいるブギウギ・ピアノも地味に素敵です。弾いているのは、ブライアン・ジョーンズでしょうか。
ビートルズ『ヤー・ブルース』
何かにつけてビートルズと比較されるストーンズですが、初期の彼らは典型的なブルースバンドでしたから、ブルースのカバーも沢山あります。
これに対してビートルズは最初からブルース臭が全くなく、ブルースと言える曲は何と『ヤー・ブルース』ただ一曲。ただし、この曲もジョン・レノンが1960年代後半にイギリスで巻き起こったブルースブームを皮肉って作った曲と言われていて、典型的なブルースとは一味違う曲構成です。 ジョンが、「俺たちだってその気になれば、ブルースなんてで簡単に作れるんだぜ。」と言ったとか言わなかったとか。変幻自在の曲作りの才能があった彼らにとって、何かと制約が多いブルースはあまり興味を引なかったということなのでしょう。
ダーティ・マック『ヤー・ブルース』
こちらは、ローリング・ストーンズのTV番組『ロックンロール・サーカス』(1968)にジョン・レノンがゲスト出演した時のライブ・パフォーマンス。バックはエリック・クラプトン、キース・リチャーズ、ミッチ・ミッチェルという豪華メンバー。キースがベースを弾いているのがびっくりです。
アル・クーパー『As The Years Go Passing By』
アルバム『赤心の歌』に収録されたスローブルース。 アル・クーパーがブルース・ギターを弾きまくる後半の展開は圧巻の一語。
ブルース・プロジェクト『泣かずにいられない』
アル・クーパーが在籍していた当時のブルース・プロジェクトのエレクトリック・ブルース。時代を考えるとかなりサイケデリックが入っている感じ。間奏でのベースが非常に印象的です。
ポール・バターフィールド・ブルース・バンド『絶望の人生』
題名からしてマイナー調の極地とも言えるスローブルース。 マイク・ブルームフィールドとエルヴィン・ビショップ在籍時の最強名盤アルバム『イースト・ウェスト』に収録。ゴールデン・カップスもカバーしていました。
ポール・バターフィールド・ブルース・バンド『ワークソング』
『イースト・ウェスト』からもう1曲。ナット・アダレイのジャズナンバーのカバー。ポールのハープ、マイクとエルヴィンのギター、マーク・ナフタリンのキーボードのかけ合いが凄まじい相乗効果を上げています。 バターフィールド・ブルース・バンドが後にジャズ・ロック指向を強める萌芽が、この選曲にも表れているような気がします。
チキンシャック『Revelation』
スタン・ウェッブ率いるチキンシャックは、サヴォイ・ブラウン、フリートウッド・マックと共に英国三大ブルースバンドと呼ばれました。 1967年にクリスティン・パーフェクトが参加して人気絶頂期を迎えますが、69年にクリスティンがジョン・マクヴィーと結婚してフリートウッド・マックに引き抜かれたのがけちの付き始め。
その後もメンバーが一度に3人もサヴォイ・ブラウンに引き抜かれるなどして人気も下降線。スタン・ウェッブさん、ギターの腕はありましたが、人望はあまりなかったようですね。
『Revelation』は、ブラスが入った抒情的なスローブルースです。
フリートウッド・マック『ホームワーク』
フランスでのライブ映像。ボーカルはピーター・グリーン、ジェレミー・スペンサーはピアノを弾いています。
フリートウッド・マックのブルース時代は、まずピーター・グリーン、次いでジェレミー・スペンサーが脱退するまでの約3年間と短いものでした。 その後、ブルース・ブームの終焉と共に、ブルース色をなくしたポップス色の強いロックバンドへと変貌して行きます。スティーヴィー・ニックスとリンジー・バッキンガムが加入するに及んで世界的大成功を収めるのですが、それはまた別の話。
フリートウッド・マック『Like It This Way 』
ダニー・カーワンとピーター・グリーンのギターのかけ合いが、もう素晴らしすぎます。この時期はスライド・ギターの名手ジェレミー・スペンサーも在籍していたので、最強のブルースバンドでした。
ジョニー・ウィンター『Mojo Boogie』
ジョニー・ウィンターのオリジナル曲。次にリンクするZZ Top もそうですが、たった3人でこれだけのド迫力の音を出せるのは凄いです。
1980年5月のマディ・ウォーターズ来日コンサート。当時、行動を共にしてたジョニー・ウィンターも一緒に来てくれるかなと期待したのですが、結局、ウィンターの来日は実現せず終い。一緒に来日していれば、「一粒で二度美味しかった」のに残念でした。
ZZ Top 『Just Got Back From Baby's』
分厚く重厚な大音量ハードロックバンドというイメージが強いZZ Topですが、初期にはブルースやブギを好んで演奏するバンドでした。 『Just Got Back From Baby's』は、1970年のファースト・アルバムに収録されたしっとりとした味わいの名曲です。
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