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2024東大物理対策シリーズ 結果レビュー

2024年度東大入試(物理)に立ち向かわれた受験生の皆さま、こんにちは。
2024年2月28日(水曜日)、本日も私との楽しい触れ合いのお時間がやってまいりました。おかげさまで本日で1335日連続投稿となりました。

皆さまと一緒に毎日走り続けている証です🏃。


本日は今年度のmitty note (物理難系シリーズ、東大物理対策シリーズ、東大物理過去問演習シリーズ、物理重問シリーズ)の結果レビューとなります。
mitty noteで2024年度東大物理に対応できたかどうかの最後の審判です!



【今年度のmitty note】

創立4年目となる今年度のnoteオンライン講座(通称:mitty note)は
① 物理難系シリーズ
➁ 東大物理過去問演習シリーズ
③ 東大物理対策シリーズ
④ 物理重問シリーズ (← 初の試みとしてnoteメンバーシップ制度で運用)

おまけとして
⑤ 東大国語漢字対策シリーズ
の4本立て(おまけを入れて5本立て)として毎日記事をお届けしてきました。

以下の指定参考書5冊
①『物理教室(四訂版)』
②『新・物理入門』
③『新・物理入門 問題演習』
④『理論物理への道標(上)』
⑤『理論物理への道標(下)』

とともにシリーズを最後まで駆け抜けてこられた皆さま、本当にお疲れさまでした。

🌟 指導記録として「東大物理過去問演習シリーズ」「東大物理対策シリーズ」「物理重問シリーズ」の記事一覧(レジュメ教材を綴じ込んでいくコクヨフラットファイルの先頭につける目次ページ)を以下に貼っておきます。


【2024年度東大物理とmitty note対応可否】

第1問 斜めのベルトコンベア上の物体の運動

摩擦のある面上の物体の運動をテーマとした古典的問題です。
物理難系シリーズ、東大物理過去問演習シリーズ、東大物理対策シリーズ、物理重問シリーズで何度もやりました。

■ Ⅰ(1) について
同一趣旨の問題を何度もやりました。
基本に忠実に運動方程式を立てて加速度を出して等加速度運動の式を使えば答えは出ます。あるいはエネルギーの原理(「力学的エネルギー変化=非保存力がした仕事」)を使ってもよいでしょう。
この手の問題は運動方程式でもエネルギーの原理でもどちらでも解けるようにしておきましょうと私、何度も申し上げましたよね?
摩擦がご登場されたらエネルギーの原理を使うと相場が決まってますと私、何度も申し上げましたよね?
慣れていればエネルギーの原理を使って解くほうがラクなのですが、受験生は基本に忠実に運動方程式を立てて解くほうが多いようです。
というわけで解答速報では運動方程式を立てて解いておきました。

■ Ⅰ(2)について
こちらも同一趣旨の問題を何度もやりました。
動摩擦力の向きが変わるだけでやることはⅠ(1)と同じです。

■ Ⅱ(1)について
こちらも同一趣旨の問題を何度もやりました。
最初は物体はベルト上をズルズルとすべる等加速度運動をしてだんだんと物体の速度が大きくなっていき物体の速度がベルトの速度と同じになったところで物体はベルトと一緒に動くようになるというアノ論点です。

■ Ⅱ(2)について
こちらも同一趣旨の問題を何度もやりました。
いわゆる「速度反転」です。物体があっちのほうに行っちゃっても待っていれば同じ速さで戻ってくるというアノ論点です。
0<v0<Vという条件より動摩擦力の向きは常に上向きとなりますので物体の加速度は(少なくともx<0の範囲では)一定です。よって速度反転が使えます。

■ Ⅲ(1)(2)について
こちらも同一趣旨の問題を何度もやりました。
AとBそれぞれの物体について力のつり合いの式を立てます。
ばねでつながれた2物体の問題における力の矢印の描き方についても何度もレクチャーしました。

■ Ⅲ(3)について
重心速度の求め方も何度もやりました。

■ Ⅲ(4)について
皆さまおなじみ、ばねでつながれた2物体の運動です。
同一趣旨の問題を何度も何度もやりました。全部で30回くらいやりましたかね? (やりすぎコージーもびっくり!?)
「重心から見るとばねの長さ半分なのでばね定数2倍!」という怪しい †テクニック† は入試で使ってもいいですよと私、何度も申し上げましたよね?(問題文にその怪しい †テクニック† を使ってもよいことが示唆されているのはいとをかし。)
重心から見たBの運動を考えて「床から見たB速度=重心速度+重心に対するBの相対速度」というのも何度もやりました。

■ Ⅲ(5)について
今度は重心からではなくAから見たBの運動を考えます。
こちらも同一趣旨の問題を何度もやりました。
重心から見るだけでなく、相手方(本問ではA)から見るというアプローチもありますよと私、何度も申し上げましたよね?

■ Ⅲ(6)について
こちらも同一趣旨の問題を何度もやりました。
ちなみに1971年度 東京大学 第1問(3)と全く同じです。最も伸びた位置で「すべらない条件(静止摩擦力≦最大摩擦力)」を立てる例のやつです。
53年の時を経ての再出題です。歴史は繰り返されるのです。

■ おまけ

2024年度(前期) 東京大学 第1問の解答速報です。
しばらくの間載せておきます。


第2問 コンデンサー極板間引力とコンデンサーサイクル

コンデンサー極板間引力は山ほどやりましたのでさすがにいいでしょう。
東大でも類題が山ほど出題されています。例えば1983年度 第2問は重力、弾性力、極板間引力を考えさせるという点で本問に極めて近いです。あるいは直近2018年度(前期) 第2問では極板間引力と弾性力の合力による単振動が出題されています。
コンデンサーサイクルは東大物理対策シリーズで何度もやりました。例えば問題演習62(出典:2010年度 慶応(理工) 第3問)は本問とよく似ています。

■ Ⅰ(1)について
誘電体が埋め込まれている場合のコンデンサー極板間の電場はガウスの法則を使う解き方(∫DdS=Q、ここでD(=εE)は電束密度、Qは真電荷)をやりました。一般高校生向けの解き方としてコンデンサーの式「Q=CV」を使って「Q=εS/d・V ∴E=V/d=Q/εS」とする解き方もやりました。
電位の高低については何度も注意喚起をしました。電場の向きに沿って電位は下がりますよ(“すべり台”をイメージするとよいですよ)と何度も申し上げました。

■ Ⅰ(2)について
コンデンサー回路の問題(電荷移動の問題)です。
コンデンサー回路の問題(電荷移動の問題)では電荷を未知数とおいて
・電荷保存則
・電圧の関係式(=キルヒホッフ第2法則)
を立てるのが基本ですよと私、少なくとも100回以上は申し上げました。
皆さまの耳には可愛いタコ🐙ができているはずです。

■ Ⅰ(3)について
重力、弾性力、極板間引力の力のつり合いの式を書き下します。
例えば前述の1983年度 第2問などで同一趣旨の問題をやりました。
極板間引力の式「1/2・QE」の1/2の物理的意味についても何度も申し上げました。

■  Ⅰ(4)について
電位の求め方も何度もやりました。
電場の向きに沿って電位が下がることを間違えないようにするため、極板間に電場の矢印を描いて「高」「低」と書き込むといいですよ(そして“すべり台”をイメージをすると分かりやすいですよ)と私、何度も申し上げました。

■ Ⅱ(1)について
この手の問題では単振動の性質をフル活用して解く(本問では振動端を考えます)とよいですよと何度も申し上げました。

■ Ⅱ(2)について
静電エネルギーの減少が熱エネルギーとなることも何度もやりました。
エネルギーの大局的な流れの理解を問う問題は東大物理で頻出ですよと私、何度も申し上げました。

■ Ⅱ(3)について
こちらもⅡ(1)と同様、単振動の性質をフル活用して解く問題です。
単振動の様子を考えればⅠ(3)で求めたzが振動中心となります。振動中心は力のつり合いの位置です。振動中心での力のつり合いの式を立てることでおもりの質量mが求まります。

■ Ⅱ(4)について
エネルギー収支を考えれば、おもりの重力による位置エネルギーの減少が熱エネルギーとなります。これも何度もやりました。


第3問 ドップラー効果とうなり

ドップラー効果とうなりについては入試直前の2月中旬に集中的にくどいほどやりました。
設問Ⅰは入試直前にやった内容と同内容でしたのでスラスラできたはずです。やったね!
一方で設問Ⅱ(音源の周波数が変化する場合)はmitty noteでは一度も扱ったことがなかったです。今さらではありますが、やっておいてあげればよかったなぁというお気持ちです。

■ Ⅰ(1)について
同一趣旨の問題を何度もやりました。
線分図を描いて考えるとよいですよと私、何度も申し上げました。

■ Ⅰ(2)について
こちらも同一趣旨の問題を何度もやりました。
入試直前期のミニコラム『来年度もいっとく?』では「波の式の中に入っている位相ファクターからのドップラー効果の導出が狙われます」と申し上げました。
ほらね、やっぱり出たでしょ?

■ Ⅰ(3)(4)について
こちらも同一趣旨の問題を何度もやりました。
反射板がある場合のドップラー効果とうなりです。

■ Ⅱについて
・・・これねぇ。やっぱり初見では無理ですよね。
初見ですと
「音源も反射板も観測者も動いていないのにうなりが聞こえるなんてそんなのおかしいじゃん!」
と思っちゃって思考停止してしまいますよね。
これ直前にやっておいてあげればよかったです。ホント申し訳ないです。
ただ、「波が伝わるには時間がかかりますよ(「伝播時間(伝搬時間)」)」「今聞いている波は過去に出た波ですよ」とは何度も申し上げてきましたので、それにハッと気づいて解けた人もいるかもしれません。


【まとめ】

2024年度の東大物理は昨年2023年度と比較すれば易しくなりましたが、試験時間75分間に対しての問題量は相変わらず多く、難しい試験であったことには変わりはありません。半分取れれば十分でしょう。
参考までに私の考える合格ラインは以下の通りです(理一、理二)。

第1問
Ⅰ(1)(2) ・・・これを落としたらさすがにアウト
Ⅱ(1)(2) ・・・ここまで確実に取り切れれば合格
Ⅲ(1)(2) ・・・ここまで取れれば上位合格
(3)~  ・・・これ以上に手を付けることができればトップ合格

第2問
Ⅰ(1)(2)(3)(4) ・・・ここまで確実に取り切れれば合格
Ⅱ(1)  ・・・ここまで取れれば上位合格
(2)~  ・・・これ以上に手を付けることができればトップ合格

第3問
Ⅰ(1)(2) ・・・(1)は確実に取りたい。(2)はできない人が多いはず。
 (3)(4) ・・・ここまで取れれば合格
Ⅱ    ・・・できない人が大多数と予想。できなくてよい。


いろいろと書いてきましたが、結論として、少なくとも合格点を取るという意味では「物理難系シリーズ」「東大物理過去問演習シリーズ」「東大物理対策シリーズ」「物理重問シリーズ」で2024年度の東大物理に十分対応できたものと考えます(第3問Ⅱ以外は同一趣旨の問題を何度もやりました)。

ただしこれはあくまでも私の自己評価です。皆さまの忌憚のないご意見ご感想をお聞かせいただけますと幸いです。
頂いたご意見ご感想は真摯に受け止め、mitty noteがよりよいものに発展していけるよう、引き続き改善を続けてまいります。

長いようで短かったこの1年間、最後までお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
皆さまの合格を心より願っています。

- 2024年度入試対応版 mitty note 完 -
2024/02/28
mitty



【mitty noteご利用の皆さまへ最後のお願い】

あちらでも書きましたが、最後にもう一度だけこちらに書かせてください。

ご存じのとおり、mitty noteは口コミや友人紹介等で成り立っております。
大手予備校等とは違って弱小個人事業主の私には広告宣伝費は出せません。
皆さまが今春晴れて志望校(※ 今年度は東大志望者だけでなく東大以外の医学部志望者も多いです)に合格され、mitty noteや私からの直接的指導が志望校合格に少しでも役に立ったと思われましたら、ぜひとも口コミや友人紹介(後輩への紹介)をお願いします。

mitty noteは今年度をもって4年となりました。来年度で5年目です。
毎年の信用の積み重ねによって一歩一歩着実に成長させていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。


【親御さまへ】

mitty noteへのご理解とご支援を頂きまして誠にありがとうございました。
この場を借りて深く御礼申し上げます。



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