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2024/6/24 家電の魂

スティックタイプの掃除機がゴミを吸ってくれない。スイッチを入れたままヘッドを持ち上げると、今吸ったものを全部撒き散らかしてしまう。

悲しい、もう寿命なのかもしれない。でも買ってそんな何年も経ってないのにな、ちゃんとヘッドも掃除してるし、ゴミだって溜め込まないようにしてるのに。途中に詰まっていた猫の毛をほじくり出したりぞうきんで拭いてやったり私なりに可愛がってたのに、と思っていたら、昨日、掃除機のおかしな様子に気付いた夫が、分解して上の方から小さなフィルターを取り出して洗っていた。

そんな部品があるとは知らなかった。

そして今日、掃除機は今までとは全く違う、賢そうな音を出しながら(昨日まではヒステリックにがなりたてるクレーマーみたいな音を出していた)吸ったものをちゃんとお腹に収めている。部屋がすごくきれい。

家電も適切に世話をしてやらないと、病気になったり拗ねて働かなくなったりするのだ。夫はちゃんとそこを汲んでやったんだな。これからは家電たちは生き物と思ってもっと手厚く接するようにしようと思う。

外がとても暑いということが、窓からの景色だけでよくわかったので、絶対外には出ないようにしようと決め込んで仕事。突然黒豆茶にはまって、そればかり何杯も飲んだ。カラカラに乾いた黒豆にお湯を注ぐだけのもの。最後にふやけた豆を食べるのがお楽しみ。思えば昔から豆類が好きだったが、最近はっきりと「豆が好き」と自覚したので、豆のものばかり買ったり食べたりしている。グリーンピースの豆菓子とか、いろんな豆のドライパックとか、乾いたナッツとか。おやつにクレイジーソルトがかかったアーモンドをごりごり噛んで、昼は豆サラダと残り物を食べた。

週末に新しく買ったエッセイを、作業の隙間にちまちま読む。ハン・ジョンウォン『詩と散策』。詩人のエッセイは言葉が澄んでいて、しんとしているのにちょっと色っぽい。ふやけた黒豆の香ばしい甘さを奥歯に残しながら、じりじりと今度は調べ物をした。

闇を脱した掃除機の朗らかな鳴き声がもう一度聞きたくなって、無駄に家の中をぐるぐる掃除。ゴミ箱に吸ったものをあけると、コーヒー豆と黒豆が一粒ずつ出てきた。

本やなにかしらのコンテンツに変わって私の脳が潤います。