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2024/8/28 鮮やかで強烈なそれ

朝、食事と準備を終えて登校時間までEテレを観ていた長男が「センター長…」とつぶやいた。7:20からの『アイラブみー』である。この主人公・みーは俳優の満島ひかりが声を担当している。

こないだ観に行った映画で、彼女は巨大ショッピングサイトの関東センター長を演じていた。映画が面白かった(けど、同じくらい薄暗い内容だった)こともそうだが、多分いろいろ強烈だったのだろう。雑誌のポスターやニュースサイトの画像に満島氏を認めても「センター長だ」と言う。

同じように、菅田将暉のことはいつまでたっても「フィリップ(©︎仮面ライダーW)」と呼ぶし、次男は昨今巷に声も姿もあふれる津田健次郎を察知すると「ななみん!(©︎呪術廻戦)」という。

彼らにとって「鮮烈」だったということなのだろう。鮮やかで強烈な印象。それは残る。ダウジングで徳川埋蔵金を探す糸井重里のように、「ヒロスエ、スープ行きまーす!」のように。

その鮮やかな瞬間を今、過ごしているのだなあと、感動とまではいかないが、心が微細に震えるような感覚を覚える。「鮮烈」は丁寧にしまわなくともこびりつくものだから、彼ら自身に任せて鷹揚に構えることができる。子どもと過ごしていると、心を素手で扱っているような瞬間が多くて、私のような雑で残酷な人間にとっては正直荷が重い。

わちゃわちゃと兄弟は登校し、夫は出社し、私も仕事にかかる。昨夜、スタンディングのライブに参加して3時間ほど立ちっぱなしでいたら、見事にふくらはぎが痛い。なんなら肩もだるい。昔はフェスなんか行って走り回ってもこんなことなかったのに。老いを、ががーん!と鮮烈に感じたのは30代後半だったのでもう慣れたものだが、これはこれでもの悲しい。「鮮烈」が色褪せるのを感じるのもまた。

ふくらはぎをさすったり、肩をぐるぐる回したりしながら過ごした。これから外は嵐になる、備えよ、と気象予報士がしきりにラジオから訴えていた。

本やなにかしらのコンテンツに変わって私の脳が潤います。