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映画のことしか考えていません

過日、オンラインでこんな対談に参加した↓

 出版事業をされている近藤昇社長から「教養を高める為に読書をする」という話しになり、いや一切そういう目的で読書をしていない、と応えるとちょっと驚かれた。
 全て映画制作の為に読書している。少なくともこの二十年はそうだ。
映画化したい、出来そうな、原作を探す為の読書。
プロデューサーから企画が与えられ、その企画に必要な知識を得る為の読書。
脚本を書く為に資料として読む書物。
 結果として教養を補完する事にはなるかも知れないが、最初からそういう目的である事はほぼ無い。

 対談でも話したが、芥川賞や直木賞の作品は一切読まない。
そんな作品の映画化の仕事が私に来る訳ないから。

 一方、これは映画にしたいという本を見つけたら出版社ではなく直接作家に連絡を取る。近年は大抵何らかの方法でネットで繋がるものだ。
 2014年に一青妙さんが書いた「私の箱子」と「ママ、ごはんまだ?」を読んでこれは映画になる、と思った私はネット検索して杉並区のホールで一青妙さんが講演をされることを知る。



その講演会に参加し、演壇から降りられた妙さんに声をかけ「この本を映画にしたいのですが」と話しかけた。

そこからこの映画が出来た。結果、台湾との国際合作となり、サンセバスチャン国際映画祭に正式出品され、台湾は勿論、香港、タイ、韓国、フィリピンやヨーロッパ、カナダ、アメリカでも上映されるに至った。

妙さんの証言はこちら↓


 今また、ある一冊の本との出会いで映画化の準備が進んでいる。
先日、出版社にご挨拶に行ったら、担当の方がかつて一青妙さんの担当もされていて、私のことを知ってくれていた。

 読書もそうだが、日常街を歩いていてもそれは全てシナリオハンティングでありロケハンティングでもある。
  
 オンラインで対談した近藤さんからは「ロマンがありますねぇ」と言われたが、釣りもゴルフもしない、楽器も弾けない、何の趣味もないので森羅万象映画に結びつけてしまう習い性というだけだ。

 もう映画を撮れない、という状況になったら、その時は直木賞とか読むかもね。

 

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