話のオチが迷子〜映画の予告編、からのドラマ、からのミスチル
私はあまり映画を観に行くほうではない。が、最近映画づいている。
映画を観に行くと予告編がセットで付いてくる。予告編を見たら「あ、これも面白そうやな」というものに出会えたりして、そうすると次はそれを観に行ってまた面白そうな映画の予告編と出会って‥って感じになる。
この冬は、好きだったドラマの映画版がいくつか公開予定なので観に行くつもり。とはいえ映画を観に行くのは時間とお金がかかるからどうなることか。
さて、先月観たのは『スオミの話をしよう』三谷幸喜さんが監督、脚本を手がけ、長澤まさみさん主演のコメディだ。その前に観た『ラストマイル』の時に予告編を観た。松坂桃李さんが「オッサン、2枚目、オッサン、2枚目、オッサン」て言ってるのが可笑しくて。ちなみにオッサンはエンケンさん、小林隆さん、坂東彌十郎さん。2枚目とは松坂さんと西島秀俊さんのこと。
うちの次女は長澤まさみになりたいガールだ。若い頃から長澤まさみさんの大ファン。とにかく美人である。そしてスタイルも抜群。それでいてちょっと天然でもありミステリアスでもある。
映画の出演者がそろっていろんな番組に出ていたが、いかにも長澤さんらしいなと思えるエピソードがあった。長澤さんが三谷さんをセットの隅に連れて行って、何かな?と思って、もしかしたら撮り直したいシーンがあるとか、監督へのダメ出しとか、っていろいろ思い巡らせて緊張していたら、唇の裏を見せて
「口内炎できちゃった」
って言ったっていう。
なんてチャーミングなエピソード。
『スオミの話をしよう』は、そんな、女優・長澤まさみを見る映画です。ちなみに、“スオミ”はフィンランドのこと、そしてフィンランドの首都がヘルシンキであることを、この映画を観たら一生忘れないと思う。(↓若干ネタバレ)
映画が公開されるタイミングで、その映画の関連作品がテレビで放送されることがよくある。ジブリの新作が出たらジブリの過去作が。ドラマの映画化ならばそのドラマの再放送が。
今回の『スオミの話をしよう』では、三谷幸喜監督の過去作が放送された(『記憶にございません』)し、私の住んでいる地方では『古畑任三郎』が再放送されている。第1シーズンが終わり、続いて今は第3シーズンが放送されている。平日の午後に毎日放送されているので毎日観られるのはとても贅沢。続けて観るといろんな発見がある。例えば毎回同じパターン(最初の犯行シーンで犯人がわかったうえで、最後に解決編がある)だが、犯行シーンの長さがまちまちだ。サクっと殺して終わりの時があれば、犯行までに結構時間を費やしている回もある。
本間勇輔さんの劇伴がとにかくカッコいい。古畑さんが登場する時はこれ、犯人が犯行を起こした時はこれ、バレた後はこれ。劇伴を聞くだけでどういうシーンかわかる。すごい。
そして、古畑任三郎は初っ端から古畑任三郎だった。あの役作り、あの演技は初回から完成されていた。話題になったからだんだん大袈裟になっていった可能性もあったが、そんなことはない。最初っからあれ。すごい。
オープニングと解決編の前に視聴者に向けてヒントをくれるパターンも他のドラマには無い演出だ。第3シーズンともなると、オープニングで視聴者からのハガキ(しかもちょっとドラマをディスってる内容)を紹介するという遊び心溢れた演出もあった。
毎回犯人役として豪華なゲストが登場していたが、ゲストと役(職業)が見事にハマっているのにもあらためて驚いた。すごい。
鹿賀丈史さんが三谷幸喜さん脚本のドラマ『振り返れば奴がいる』(これも大好きだった。古畑の再放送が終わったらこれの再放送も始まる)の時と同じ役(中川医師)で『古畑任三郎』にも出演されていたことも懐かしかった。こういう作品間のコラボは大好物。楽しい。
梶原善さんなんて、第1シリーズ(全12話)に2回も登場、しかも違う人の役。今でこそ「梶原善がまた出てる」って気づくけど、当時はまだバイプレイヤーとしては無名だったのかな。ヤッシーも何度か登場してた。こちらは毎回同じ人の役で毎回職業(職場)が違う。何度も転職してる人物のようだ。楽しい。
第1シリーズのゲスト、桃井かおりさんの役はラジオのDJ。そのラジオ番組の中で話された視聴者ハガキのエピソード「赤い洗面器の男」これは度々三谷作品に登場している。それでいていまだにその話のオチは明かされていないまま。こういう作品間のコラボは大好物。楽しい。次はいつ出てくるのか?それにしても、桃井かおりさんのDJ役、めちゃくちゃ似合ってた。
私もnoteでドラマ談義を音声配信している身なので、喋りの参考になれば良いなと思いながら観た。いや、あんなに喋れないけどさ。
えっと、何の話だっけ?映画の予告編?三谷幸喜?古畑任三郎?桃井かおり?
あ、そうそう、『スオミの話をしよう』を観に行った時のアニメ映画の予告編で流れてきたミスチルの曲が良すぎて思わず聴き入ってしまった。なんとも言えない多幸感を感じることが出来るのでこの記事のオチの代わりとして皆さんにお届けしたい。(って、三谷さんに全然関係ないじゃんっ)