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絵本のたのしみ、その4


”絵本=子どもの本”という固定概念は余りに勿体ないと思うようになったのには、素敵な絵本たちとの出逢いがあったからだ。


絵本といえばやっぱり夢のあるお話や空想の世界のお話というイメージ。史実にフィクションを加えておとぎ話にしたもの、言い伝えや神話をモチーフにしたもの、この類が1番絵本らしいと言える。

絵本のたのしみその4は、
こんなの本当にあったら素敵だな、の世界。


そらいろ男爵

戦争に参加せざるを得なくなったそらいろ男爵は、砲弾の代わりに家にある本を空から投下します。辞典やら文学全集やら。その本を拾った人は夜通し夢中になって読んだり、また1冊の本を半分にして、敵陣と味方の陣地へそれぞれ落とし、お互い本の内容を知りたくなってそこに敵と味方の会話が生まれます。

最後には兵士の家族からの手紙をそれぞれ相手方の陣地に落とし、それを読んだ兵士たちは相手兵士にも家族がいて、無事を祈りながら帰りを待っているんだというのを知ることで、やがて戦争が終わる、というお話です。

その功績が認められた男爵は勲章をもらいました。戦争で勲章をもらえるのは普通は敵を大勢倒した人。男爵のように平和的解決をもたらした人が勲章をもらえるなんて、夢と期待が持ててとても素敵です。


パヨカカムイ

パヨカカムイとはアイヌ語で”病気を撒き散らす神”。音の響きがとても可愛いらしい名前なのに、恐ろしい神様です。

物語の主人公は、”ユカラ”というアイヌの英雄伝説を語って聞かせるのがとても上手でした。たまたまそれをパヨカカムイが聞いて、あまりの面白さに本業も忘れて聞き惚れたため、それからというもの主人公の村には病気が来なくなったというお話。

主人公のおかげで村は病気から守られ、パヨカカムイからタバコ入れをもらったというのですから。
”ユカラ”ってどんだけ楽しいお話なんだろうって、そこが気になっちゃいました。


コロナを撒き散らす神様がいるなら、誰か、神様が夢中になるような面白い話、知りませんか?



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