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思いつきで劇団に入った話-体で表現する趣味のススメ-
はじめに
皆さんには趣味はありますか?スポーツ、読書、映画鑑賞etc…一通り試してみましたがどれもしっくりこず、私の唯一の趣味は「一人カラオケ」に落ち着きました。しかし、もっと何かに打ち込みたい!そう思った私は、今までの人生で一番熱中したことを思い浮かべました。浮かんだのは高校生時代の部活動、「演劇」でした。そうだ、劇団に入ろう。
そして私は、2024年5月にアマチュア劇団に所属し、10月に8年ぶりの舞台に立つことになりました。
本記事では、この挑戦から得た発見を通じて、「演劇」という趣味の魅力や、新しい活動への挑戦をおすすめします。息抜きがてら読んでみてください。
演劇の何がいいの?
そもそも演劇って?
劇団や演劇と聞いて思い浮かべるのは「劇団四季」や「宝塚」でしょうか。勉強のために初めて劇団四季の「ゴースト&レディ」を観に行ったのですが、圧巻でした。舞台装置から演出、役者、音楽、全てに至るまで、これが本物か…と。
あれを思い浮かべてください!とは言いにくいのですが、大体あんな感じです。
脚本、役者、照明、音響があれば演劇です。
役者って恥ずかしくないの?
これはよく聞かれますが、むしろ快感です。(個人的感想です)
自分では言わないセリフ、行動、何者かになって生きる快感は正直やってみないと理解できないと思います。「そもそも目立つのが好きな人じゃないとできない」とよく言われますが、私は日頃ボソボソ喋って皆さんのお耳を煩わせている人間です。公演に来た知り合い全員に「あんな大きい声出せるんだ!」と言われました。
人は皆ペルソナを持っているといいますよね。であればシェイクスピアが言うように「この世は舞台、人はみな役者」だと私も思います。例えば営業が上手くいく声のトーン、表情、目線、仕草。仕事なら恥ずかしいと思わずにやりますよね?てことはあれ?演じてるじゃん!役者じゃん!実は誰もが役者の素質を持っているんです。
舞台は生き物、ライブなんだ!
舞台は生き物だとよく言います。初公演を終えてより実感しました。
初日。幕が下りたまま始まるアクシデントがあり、即興でシーンを変更しました。
二日目。端の客席から舞台の袖が見えてしまうため、目隠し用の板を設置していたのですが、シーン中に板が倒れました。
最終公演。一番白熱するシーンの自分のセリフで、今まで噛まなかったのに2回も噛みました。なんでや!
やっている側も生を体感していますが、観に来てくれるお客さんも一期一会。客側で観に行った際、この時この場所の舞台はここに居ないと観れなかったんだよなと毎回しみじみしてしまいます。アーティストのライブでボーカルが言う「今日は来てくれてありがとう」の言葉も、感じ方が違ってきますね。
自己理解と成長につながる演劇
避けては通れない自己理解
役になりきるためには、その役の背景や心理を深く理解する必要があります。それを通して、自分との違いや共通点を見つめることになり、最終的には「自分とは何か?」という問いに向き合うことに。あやふやながらも自分という人間の輪郭が見えてきたりして、心が落ち着く瞬間があります。
健康面からの演劇
呼吸
もし役者をやる場合、重要なのは発声です。発声とは体という楽器を鳴らす行為。どうしたら喉に負担をかけずに発声や呼吸ができるのかを会得していきます。
発声は呼吸に、呼吸は姿勢に繋がり、姿勢は体幹に繋がります。まずは姿勢からと思い整体に通い始めました。腰痛が改善しつつあります。何より自分の体に気を遣うというのが、なんだか嬉しいですね。
記憶
もちろんセリフは暗記です。認知症予防とかにもなるんじゃないでしょうか。
でも日頃の忘れっぽさがまだ治っていないので、台詞覚えにリソースを取られている気もしています。私が認知症になったら過去覚えた台詞を叫ぶファンタジスタおばあちゃんになるかもしれないですね。
人との繋がり
劇団という組織に所属しなくてはならないので、自ずと仲間ができます。これはかなり運もあるかもしれないです。私は劇団になろうよという劇団員募集のサイトで縁があり加入できました。
また、趣味が一緒や、目的が同じな人との会話は辛くないことが発見でした。プライベートなことを無理に話さなくてもいい、聞かなくてもいいのが私には嬉しいことで、息がしやすい環境となってくれています。
おわりに
劇団に入った結果、私は前よりも自分を好きになれたと感じています。自分の可能性を再発見でき、自分自身をコントロールできている感覚がありました。
ハードルの高い趣味かもしれませんが、「ずっと文化祭の準備してる」みたいな高揚感や、日頃使わない筋肉を使う感覚を味わえるので、万人におすすめしたいです。
もちろん演劇だけに限らず自分が楽しいと思うことをやるって、心と健康にいいはず!
やりたいことやったもん勝ち、青春なら!
皆さんも素敵な趣味ライフを〜〜♪