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ビジネス史「選択と集中の失敗」
今回は、ビジネス界で起こったある印象的な出来事のお話です。
その中から、わたしたちが学ぶべきビジネスモデルの教訓についてご紹介したいと思います。
ボーダーズの決断
2001年(22年前)、全米第2位の書店チェーン店ボーダーズが、ライバルであるバーンズ・アンド・ノーブルとの市場シェア争いに勇んでいました。
そしてその最中、CEOは次のように宣言。
「オンラインで顧客ニーズを満たすのはそれが最も得意な人たちに任せ、私たちは自分たちが最も得意とするものをお客様に提供します。すなわち、魅力あふれるショッピング空間で本や音楽、映画を買い求めるという体験です。」
つまり、ボーダーズはオンライン部門の運営をアウトソーシングし、自社の得意とする実店舗での販売に集中するという決定を下したのです。
ビジネスの基本である『選択と集中』を行った、ということですね。
選択と集中の結果
この決断は、ボーダーズの経営陣にとって思いもよらぬ結果をもたらしました。
顧客は便利さを求めてオンライン購入へ流れ込んだのです。
ボーダーズの選択した「魅力あふれるショッピング空間で本や音楽、映画を買い求めるという体験」が実現できなかったか、それ以上にオンライン購入の便利さが勝った結果と言えると思います。
数タップでモノがオンラインショッピング・・・便利ですからね。
そして、このオンライン部門の運営を任されていたのが、、、
当時すでに勢いを増していたAmazonでした。
Amazonは、この契約を通じてボーダーズの顧客データを収集し、商品ラインナップを強化。
結果的に多くの顧客を自社に取り込むことに成功し、売上を大幅に拡大しました。
一方ボーダーズは、オンライン部門を手放したことで顧客の一部を失い、最終的には2011年に破綻しました。
歴史から学ぶ教訓
この出来事から、わたしたちは何を学ぶべきでしょうか?
それは、「機能的固着」という認知バイアスを避けることの重要性です。
機能的固着とは、モノや事象の一部の機能・用途に固執するあまり、他の可能性に気づかなくなる心理的な傾向のこと。
ボーダーズのケースでは、「Webは宣伝する場所で、本の販売は店舗だけで行う」という既存のビジネスモデルに固執していました。
そしてこの結果、大きな失敗を犯してしまったのです。
わたしたちも、この歴史的な教訓から学ぶ必要があります。
一度既存のビジネスモデルを見直してみてもいいのかもしれません。
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