ミスから生まれた産業界の革命
小さな失敗も、時に大きな革命をもたらすことがあります。
その最たる例が、19世紀のアメリカでチャールズ・グッドイヤーによって発見された「加硫ゴム」の誕生です。
この素晴らしい発明は、一見不運な事故から生まれたものですが、現代の多くの産業や製品に欠かせない素材の基盤を築きました。
天然ゴムの問題点
19世紀初頭、天然ゴムはその独特の弾力性や防水性から多くの製品に利用されていました。
でもその一方で、当時の天然ゴムには大きな問題もありました。
それは、気温の変化に極端に反応すること。
冬には硬化し、夏には融けて柔らかくなってしまうという特性があったのです。
当時の企業・化学者・発明家たちも、この不安定なゴムをなんとか使いやすくしようとしていたものの、安定して使えるようにするまでには至りませんでした。
グッドイヤーのミス
チャールズ・グッドイヤーも、この問題解決に挑戦していたひとりでした。
彼はアメリカのフィラディルフィアで金物店を営みながら、ゴムにいろいろな物質を混ぜて実験を重ねていたのです。
ゴムの将来性に希望を持っていたグッドイヤーは、「救命用具」や「靴」、「衣料品」などいろいろなものを試作し実験を繰り返していましたが、1837年の世界恐慌によって、彼とその家族は経済的に窮地に立たされます。
でも、彼はそんななかでもあきらめずにゴムの開発を続行。
最終的に、硫黄とゴムとの化学的な反応に興味を持ちます。
そしてある日、グッドイヤーは硫黄を混ぜた天然ゴムを誤ってストーブの上に落としてしまうというミスを犯します(所説あり)。
でもこの偶然のミスが、のちのゴム製品の将来を分けることになります。
ストーブの上の天然ゴムは融けることなく、表面は黒く焼けこげ乾き、軟化もしていなかったからです。
ついに、グッドイヤーは気温の変化に左右されないゴムを作ることに成功したのです。
これが「加硫ゴム」の誕生瞬間でした。
拡大するゴム需要
グッドイヤーはこの発見の重要性をすぐに理解しました。
そして、試行錯誤の末、加硫ゴムの製造法を確立しました。
ご存じの通り、結果としてこの加硫ゴムは、当時の天然ゴムの持つ問題点を一掃し、多くの産業や製品に革命をもたらすことになります。
タイヤ、シューズ、雨具、医療器具など、さまざまな製品が加硫ゴムを利用するようになりました。
特に自動車産業では、ゴムタイヤの発展が大きな進歩となりました。
グッドイヤーはグッドイヤーではない
チャールズ・グッドイヤーのこの加硫ゴムの発見が産業界に大きな革命をもたらしたわけですが、グッドイヤー自身は商売下手で、ビジネスで成功することはありませんでした。
じつは、よく耳にするタイヤの「グッドイヤー」は、彼を称えてこの名になっていますが、じつはまったく関係がないのです。
みつわポンプのクローバーポンプもゴムライニングを採用したポンプですが、名前の「クローバー」は三つ葉や四つ葉のクローバーとはまったく関係がありません(笑)。
でも、グッドイヤーが切り開いた産業用加硫ゴムを使って、産業界に貢献しています。
「ステンレスでも持たない」などお悩みの方は、一度みつわポンプへご相談ください。
▼ゴムライニング製ポンプ▼
▼ゴムライニング製自吸式ポンプ▼
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?