窯業工場の生産効率を上げるハイブリッド法とは?
工場の生産効率向上は、人の頭を悩ませている課題のひとつ。
そこで今回は、窯業工場で生産性を上げるハイブリッド法についてご紹介します。
製土プロセスで使われている高圧ポンプ
窯業製品をつくる工場では、製土と呼ばれるプロセスがあります。
これは、水と粘土や他の原材料を混ぜ合わせ(これが窯業原料)、練り上げ、均一な質感を持つ土に加工するための窯業の基本的なプロセス。
はじめの窯業原料では、移動させやすく混ぜやすくするためにたくさんの水が含まれていますが、練り上げるプロセスでは、この水分がいらなくなります。
このため、この原料を練り上げるプロセスの前段階で、フィルタープレスと呼ばれる装置を使って窯業原料から水を抜いてケーキ状にします(下図参照)。
このフィルタープレス装置への窯業原料移送で使われているのが、メンプランポンプ(ダイヤフラムポンプ)。
メンプランポンプは高い圧力で窯業原料を打ち込むことができるので、多くの工場で使われています。
メンプランポンプの弱み
高圧で使いやすいメンプランポンプ(ダイヤフラムポンプ)ですが、なにごとも長所と短所があります。
メンプランポンプの短所は、揚水量が少ないこと。
こういった容積型ポンプは、高い圧力が出るかわりに送り出せる量が少ないのです。
これはつまり、フィルタープレス装置が脱水作業にかかる脱水時間が長くかかるということでもあります。
弱みからわかる効率化ののびしろ
もし、窯業原料100Lに対して1時間に10L送れるポンプAと50L送れるポンプBがあったら・・・?
100L÷10Lで10時間かかるポンプAより100L÷50Lのたった2時間で送れるポンプBの方が生産効率が高いということになります。
でも逆に言えば、メンプランポンプはこれだけ生産効率を上げるのびしろ(余地)がある、ということでもあります。
ハイブリッド法で時間短縮
そこで、効率を上げるために使えるのが遠心渦巻き型ポンプ。
遠心渦巻き型ポンプは、メンプランポンプのような容積型ポンプに比べて、圧力が弱い代わりに遅れる水の量は大きいという特性をもっています。
つまり、メンプランポンプの高圧力を利用しながら、その弱みである水の量を増やすために遠心渦巻き型ポンプを併用する、というハイブリッド式アプローチを使うということです。
さらに言うと、遠心渦巻き型ポンプは、圧力が低い時には揚水量(送る水の量)が大きく、圧力が高くなると揚水量が小さくなります。
フィルタープレスの初期運転段階で遠心渦巻き型スラリーポンプを使用すると濾布に抵抗が少ないので、大量の原料を短時間でフィルタープレスへ送り込むことができるようになります。
具体的には、全揚程(圧力)が20mのときは、約0.9m3/minの原料をフィルタープレスへ送り込むことができます。
こうして脱水時間を大幅に短縮し、生産効率を向上させることができる、というわけです。
ゴムライニングポンプで効率アップ
今回のような窯業原料移送では、みつわポンプの「ラバーセルポンプ」がよく使われています。
窯業原料の高い摩耗性にも対応できる、ゴムライニング製のポンプです。
みつわポンプでは、工場の生産効率を上げるために、このような新しいアプローチも提案しています。
「生産性を上げたい」「生産効率をアップしたい」という方は、ぜひ一度みつわポンプへご相談ください。
▼フィルタープレスの生産効率がアップする遠心渦巻き型ポンプ▼