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千年企業に学ぶ「伝統と革新」のバランス術!

皆様、こんにちは。「笑顔工学」の専門家、木村光範です。

笑顔工学って何?という方は自己紹介の記事をご覧ください!

今回は、千年企業に学ぶ「伝統と革新のバランス術」について、具体的な事例を交えながら深掘りしていきます。

一言で言うと、永続企業の成功の鍵は「不易流行」の精神にあります。
変えてはならない本質(不易)を守りつつ、時代に合わせて革新(流行)を続けること。この両立こそが、企業の長期的な成功をもたらすのです。

「不易流行」の精神:千年企業のカナメ

永続企業の多くは、「不易流行」の精神を持っています。これは、変えてはならないものを守りつつ、変えるべきものは大胆に変えていく姿勢を指します。

1300年以上続く旅館「法師」の革新

石川県小松市にある粟津温泉の法師旅館は、この精神を体現する好例です。
法師旅館は、718年の創業以来、46代にわたって家族経営を続けてきました。奈良時代が始まったのが710年、「古事記」が完成したのが712年と言われていますから、とても歴史がありますよね。
1300年以上の歴史を持つこの旅館は、伝統を守りながらも、時代に合わせた革新を続けています。

法師旅館が守り続けてきた「不易」の部分は、おもてなしの心と温泉の品質です。一方で、「流行」の部分では、最新のデジタル技術を積極的に導入しています。例えば、デジタルサイネージを活用して、館内の情報提供や大浴場の混雑状況の表示を行っています。これにより、顧客サービスの向上と業務効率化を同時に実現しています。また、SNSなども積極的に活用しています。
バブル崩壊後に経営難となり、経営会社を変えるなどのことはありましたが、本質的な伝統は大切にしつつ、革新を続けながら千年企業を継続しています。

虎屋に学ぶ:伝統と革新の調和

和菓子の老舗・虎屋も、「不易流行」の精神を体現する企業の一つです。
虎屋の羊羹、美味しいですよね。私も大好きです。虎屋の紙袋を見るとテンションが上がります(笑) お土産として一級品だと思います。

虎屋は、400年以上にわたって和菓子文化を守り続けてきました。
虎屋が守り続けてきた「不易」の部分は、品質へのこだわりと「お客様第一」の精神です。虎屋の経営理念には、「お客様の信頼に応える」「品質本位」「伝統の継承と創造」が掲げられています。

特に注目すべきは、虎屋の「家訓がない」という独自のスタンスです。17代目の黒川光博氏は、「家訓がないということは、何をやってもいい。時代を読んで自由にしっかりやれ」という意味だと解釈しています。これは、伝統に縛られすぎず、時代のニーズに柔軟に対応する姿勢を表しています。
「流行」の部分では、虎屋は常に新しい取り組みにチャレンジしてきました。例えば:

  1. 1980年のパリ進出:日本の和菓子文化を世界に広める先駆けとなりました。

  2. 2003年のTORAYA CAFE開業:若い世代や海外の人々にも和菓子の魅力を伝える新しい形態の店舗を展開。

  3. あんペーストの開発:伝統的な餡の技術を活かしつつ、現代のライフスタイルに合わせた新商品を創出。

  4. 「ゆるるか」という柔らかい食感の羊羹を開発し、高齢者や通常の羊羹を食べづらい方向けの商品を展開

これらの取り組みは、伝統的な和菓子の価値を守りつつ、新しい市場や顧客層を開拓するものです。

伝統を創れなかった私の失敗

ここで、私自身の経験をお話しさせていただきます。

私は27年間IT企業を経営してきましたが、最終的に会社を閉じることになりました。振り返ってみると、その大きな要因の一つが「伝統を作れなかったこと」でした。

私たちの企業理念は「新技術のさらなる先へ」でした。一見革新的に思えるこの理念が、実は伝統になり得なかったのです。なぜなら、この理念は「変化」だけを追い求め、「不変」の部分を持っていなかったからです。

常に新しいトレンドを追いかけることは一見革新的に見えます。しかし、それが場当たり的なものであれば、真の意味での革新にはなりません。むしろ、企業としての一貫性を失い、顧客や従業員の信頼を損なう結果になりかねないのです。

企業として大切にすることを、メンバーとしっかり創り上げ共有していくことをしてこなかったため、人数が30人を超えたあたりでバラバラになっていきました。不易の部分、すなわち伝統となり得る部分を創りあげることは経営者の責任です。

また、革新、というのは伝統の上に成り立っているのだ、ということも、失敗して、よく気づきました。

真の革新とは

ここで重要なのは、革新は決して伝統と相反するものではないということです。
真の革新とは、伝統や基本を深く理解した上で、それを時代に合わせて進化させていくことなのです。永続企業に学ぶべきは、この「伝統と革新のバランス」です。
確固たる理念や価値観を持ちつつ、それを時代に合わせて表現し直していく。そのプロセスこそが、企業の持続可能性を高めるのです。

デジタル時代において、技術の進歩に振り回されるのではなく、自社の「伝統」や「核」となるものは何かを常に問い直す必要があります。その上で、それをどのように現代に適応させ、進化させていくかを考えることが、永続企業への道となるのです。

ぜひ次回もお楽しみにしていただければ幸いです。

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