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危機を乗り越える組織の力〜レジリエンスの構築法〜

こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
笑顔工学って何??という方は、ぜひ自己紹介をご覧ください!

何が起こるかわからない現代社会。戦争、自然災害、経済危機、パンデミックなど、企業が直面する危機は多岐にわたります。
このような状況で、組織としてどう生き残り、成長を続けるか・・・それが問われています。

私が「千年企業」と呼んでいる、永続する仕組みを持っている企業には共通する「危機対応の力」、すなわち「レジリエンス」が備わっているということです。今回は、レジリエンスを高めるための5つの視点を深掘りし、どのように危機を成長の糧に変えられるのかをご紹介します。

レジリエンスとは、困難な状況や変化に直面しても、組織として立ち直り、成長し続ける能力を指します。これは単なる危機管理のスキルではなく、組織文化や経営理念に根付いた持続可能な強さそのものです。

1. 長期的視点を持つ

短期的な利益にとらわれず、10年先、50年先を見据える経営こそ、持続可能な組織の基本です。景気が悪化している状況であっても、基盤となる人材や技術を守り抜いた企業は、景気回復後に競争優位性を確保することができます。
企業経営に日々取り組んでいると、どうしても目先の状況にとらわれがちです。私もなかなか長期的視点が持てないまま会社の経営が悪化していった、という経験を持っています。常に長期的視点をしっかり持ち続けることが大切だと痛感しました。そのためには、下記の実践が必要に思います。

  • 長期的な経営ビジョンを明確に持つ。重要な意思決定を行う際、「10年後にこの決定はどう評価されるか」を軸に考える。

  • 景気や市場の変動時にこそ、事業基盤を守るための投資を惜しまない。

  • 短期的な利益よりも持続可能性を重視する意思決定を行う。

長期的視点は、短期的な危機に左右されず、組織としての耐久力を築く鍵となります。たとえば、景気後退時にも人材や技術に投資する姿勢は、危機後の競争優位性を確保する「回復力」を高めます。

2. 柔軟性と適応力:変えるべきものを見極める

柔軟性とは、環境の変化に迅速に対応する力です。例えば、主要顧客を失うことになり経営の苦難が訪れた際、この苦難を変化できるチャンスととらえ、例えば従来の技術を応用して新規事業の開発に着手する、などの決断を行う、というようなことです。変えるべきではない軸を持ちつつも、柔軟に変えるべきものを変えるためには、下記の実践が重要ではないでしょうか。

  • 社員の多様性を確保し、多角的な視点を取り入れる。

  • 危機対応のプロジェクトチームを編成し、迅速な意思決定を行う。

  • データに基づいたシナリオプランニングを行い、変化に備える。

  • 現場レベルの小さな変化に耳を傾け、早期に対応する仕組みを作る。

柔軟性と適応力は、レジリエンスを構成する主要な要素です。環境の変化に対応する能力が、組織が危機を乗り越え、新たな機会を見出す力につながります。

3. 地域との共生:危機時の支えとなる絆

地域社会とのつながりは、危機時において組織を支える重要な要素です。地域社会との強い結びつきは、企業が危機を乗り越えるための強力な支えとなります。地域社会からの信頼は、平時においても重要ですが、特に緊急時や困難な状況下で、組織にとってかけがえのない資産となることがあります。下記のような実践に取り組むと良いでしょう。

  • 地元資源を活用した事業展開

  • 災害時の地域支援ネットワークの構築

  • 地域社会とのコミュニケーションの強化

  • 地域のニーズを定期的に調査し、事業に反映させる。

  • 地域住民を巻き込んだイベントや活動を通じて絆を深める。

  • CSR活動を単なる広告戦略ではなく、地域社会との共生を目的とした取り組みに進化させる。

地域との絆は、危機時における「支え」となり、レジリエンスを高める重要な要素です。地元社会との信頼関係が、組織が立ち直る力を外部から補強する役割を果たします。

4. 内製化の力:危機対応能力を高める基盤

ITの内製化は、危機に対する柔軟な対応能力を高める重要な要素です。外部に頼りすぎると、緊急時に迅速な対応が難しくなることがあります。特に、新規事業の立ち上げやシステムの改善が必要な場合、内製化されたITチームは迅速な対応を可能にします。
外注に依存すると、意思決定のスピードが遅れるだけでなく、外部企業との連携に時間がかかり、チャンスを逃すリスクもあります。外部企業に価格決定権を握られ、また、外部企業がサービスを中断した場合、事業継続が困難いなるケースもあります。
組織の特性やニーズに即した柔軟な対応を実現するためにも、できる限り内製化を図り、IT業者はアドバイザーとして活用する方向が望ましいです。
下記の実践を行なっていく必要があるでしょう。

  • ITシステムを外部に丸投げせず、内製化を進めて危機対応能力を高める。

  • 社内にITスキルを持つ人材を育成し、緊急時に迅速な対応ができる体制を整える。

  • 内製化と外部委託のバランスを見極め、外注する部分を、できる限りアドバイザー業務など、依存度の低いものに限定していく。

ITの内製化は、レジリエンスの「柔軟性」と「即応力」を高める具体的な方法です。外部依存を減らすことで、予期せぬ状況でも迅速に対応できる体制を構築します。

5. 人材育成への投資:未来への基盤づくり

人材は、組織の未来を支える最大の資産です。人材の獲得と維持は、企業の持続可能性を高めるための重要な戦略です。この観点からも、長期的な人材育成が求められます。
具体的には、下記のような実践が求められます。

  • 長期的な人材育成計画を作成し、技術や理念を次世代に継承する仕組みを構築する。

  • 技術研修だけでなく、企業理念や価値観を共有するプログラムを実施する。

  • 若手社員が主体的に成長できる場を提供し、次世代リーダーを育成する。

人材育成は、組織のレジリエンスの「基盤」を作る活動です。次世代のリーダーが育つことで、変化の波に対応できる文化が組織内に形成されます。

おわりに

危機を乗り越える力は、単なるスキルや戦略ではなく、「未来を見据える視点」「柔軟に変化を受け入れる姿勢」「地域や社員との絆を大切にする心」に基づいています。

ITの内製化、地域社会との共生、長期的視点の導入など、これらの具体策を取り入れることで、どんな困難な状況でも組織を成長させることが可能です。

レジリエンスとは、単なる危機対応のスキルではなく、組織全体の文化や経営哲学に根ざした力です。長期的視点、柔軟性、地域との絆、内製化、人材育成――これらを強化することで、どのような困難な状況でも、組織は立ち直り、新たな成長を遂げることができます。危機をチャンスに変える「レジリエンス」を高めることで、より強い組織を目指していきましょう。

皆さんの組織では、どのように危機に備えていますか?ぜひコメント欄で教えてください。

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