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冬のはじまりと秋の終わりに感じた湖国のヒュッゲ

ヒュッゲという言葉をご存知でしょうか?
デンマークの言葉で、自分自身をエネルギーで満たしてくれるような居心地のよい空間でほっこりとリラックスできる時間や、人との触れ合いを通じて幸福感を感じる時間や環境をつくる意味合いがあります。
人によって何がヒュッゲにあたるかは広い意味があるので、これと特定することはできないのですが、一般的には上記のような表現をされることが多いです。

そんなヒュッゲですが、私なりにここがポイントかなというのをまとめてみました。
あくまで、私なりの解釈なのでご参考までに。

時間・場所

いつやるのか、という観点は心地よさに大きな影響を与えます。時間の概念には季節という観念も含まれます。今この時だから味わえるもの、太陽の入射角、空気の感触、これらの相乗効果です。

人もまばらな公園で朝日がのぼりはじめた頃、ジョギングしたり、散歩したりする。
木々は急に冷えた気温になんとか追いつこうとして、急いで紅葉になりかけている。
だけど、たぶん本格的な冬がきてしまうから錦秋という状態には間に合わない。
でもそこにある精一杯の紅葉の美しさは感じることができる。

今年の紅葉はダメだなとか野暮なことは言わない方がいい。目を奪われるような彩りはしっかりとみれる。

琵琶湖の湖岸というアセットが近所にある。
昔から地元に住んで、有り難さを感じていない奥さんと違い、完全なよそ者の私はこの日本一大きな湖に畏敬の念を持っている。沢山の鳥たちが穏やかな波面で羽を休めてリラックスしている景色、キャンパー達がテントをならべて朝のコーヒーを飲んでいる景色、自分以外の人が安らぐ景色から自分自身も安らぎを貰える。
こんな場所に日曜日の朝に必ず赴けるというのは、なんという僥倖なのでしょうか。

仲間のように見える人達

朝7時から活動しているので、優越感を感じているのですが、その時間に自分と同じように活動している人達がいる。

ジョギングに勤しむミドル、犬の散歩をする老夫婦、サイクリングやポタリングする若いグループ、朝から活動している人は思いの外多い。

「あなた方もきっとこの時間から活動してる優越感を感じてらっしゃいますよね。」と心の中で思っていて、ニヤニヤしながら歩いていたら見知らぬ人から「おはようございます」と挨拶をいただく。

行く春を近江の人と惜しみける

この句を残したのは有名な俳人松尾芭蕉ですが、彼もきっと、この湖と木々の自然のコントラストに魅せられていたと思われ、「デスヨネ〜」と時間を超えて共感する。

つまるところヒュッゲとは自分のエネルギーの巡りを良質にしてくれる媒体をセットアップすることであり、日頃の時間的脅迫観念から自分を切り離す行為のことだと考えてます、

そう考えるとおしゃれなインテリアや食事など不要であり、きっとあなたの普段の日常の中でクラフティングできるものなのです。

ヒュッゲが日本でももっと広がりますように。

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