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刹那の感情をスケッチする効用

歳をとると、毎年時間がすぎるのが早いと感じることが多いですよね。
割と多くの人の感覚に一致するこの現象はフランスの哲学者ジャネーにより発案されジャネーの法則と呼ばれています。

ジャネーの法則によれば、主観的に記憶される9歳の体感時間と45歳の体感時間は約5倍ほどの違いがあり、歳が若いほど長く、歳をとるほど短く感じる傾向があります。つまり私の子供と私は5倍流れるスピードが違う時間を生きていることになります。


一般的には大人になるほど、新たに学ぶことがなくなり日常に変化を感じにくくなることが原因と呼ばれていて、新しいことを学ぶことがその抑止力になるとよばれています。

しかし、現実的にはどんなに学習意欲が高い方でも新しいことを次から次にみつけたり手をつけるのは疲れるし、よく言われる手段の目的化という罠にもはまってしまいそうな気がしています。
一定打ち込まないと何も身につかないことがわかっている年配の人ほど、興味が向く方向は絞られる傾向にあると思います。

そんななか私が、これいいなぁと感じたのは日記です。日記と言われても変わり映えしない毎日を記録するのは気が進まないと思われる方もいらっしゃると思います。
ポイントは日記の付け方ですが、感情の動きを短い時間で区切って観察するようにつけていくんですね。

例えば「楽しかった」という感情も、どんな瞬間にどんなことに心が動いているのか、それは何の感覚に似てるのかというようなことを考えて言語化していくと、自分の固有な心を動きを発見することができます。人の発した言葉、そのときの環境、一緒にいた人の非言語的な存在感、見たものに対する畏敬の念、など細かく区切って感情を観察し、思い出すと複数の感情が動いた結果、「楽しかった」という言葉につながっていることに気がつくと思います。このプロセスは自分との対話であり、観察した感情の記録は毎日の営みにある些細な出来事に対して実行することができます。

そうやって過ごした時間を味わうことにより、1日は違った特徴を持っているように見えるはずです。私たちの多くは新しいことに手をつけなくてもそこに存在する新しいことを発見することができるはずです。
その時、私達の体感時間はゆっくりと流れていくように感じていくはずです。

皆さんが毎日を味わいつくし、満ち足りた毎日が送れることを祈っています。

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