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俳句俳誌「雲の峰」掲載句

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私が所属する俳句結社「雲の峰」の結社誌に掲載された俳句です。
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2020年4月の記事一覧

俳句どっぷりの1日(月刊雲の峰令和2年5月号)

俳句どっぷりの1日(月刊雲の峰令和2年5月号)

今日は、俳句の投句〆切に追われる日でした。
月刊俳誌「雲の峰」6月号の投句 13句と168句から2句の選
俳句結社雲の峰「かきもり句会5月」への投句 4句
角川俳句4月号、令和俳壇への投句 5句
〆て、22句の投句でした〜汗

何かの〆切がある生活は、プレッシャーに感じすぎてしまうマイナスもありますが、適度な〆切は生活にハリが出来て充実した気分を味わえます!
でも今日の投句数は適度を超えていて

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令和2年4月号

【空想の句】
瀬戸内の暗き海面に初明り
縫糸を一つ買ひ足す木の芽時
蕗の薹茹づ割烹着着て祖母をまね
鳩の乗るカフェの机に牡丹雪
空想の句を練り春の蚊を叩く

所感 浅川正副主宰
空想の句を練り春の蚊を叩く
俳句は客観写生で、実景を詠めといわれますが、俳句は文芸であり、文芸は虚構だというのが私の主張です。事実の羅列よりも、虚構の方が本質に迫りやすいと考えるからです。掲句、春の蚊の取合せが俳諧味を醸し

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令和2年3月号

(推薦)【春着】
庚子の麻垂整ふ筆始
着流しに伯母の形見のショール掛く
城郭に日の丸なびく初御空
杜の火を夜通し守る春着かな
近道にいつも居る猫春近し
日本画の透けゐる河豚の薄造り

所感 浅川正副主宰
杜の火を夜通し守る春着かな
氏神への初詣客をもてなすために境内で焚火をするのでしょうが、宮守も春着を着る事があるようです。

(課題俳句 兼題:近松忌)
特選 実と虚に揺らぐ川面や近松忌
こちらも

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令和2年2月号

【四ノ二の針】
副市長マスクずらして囁きぬ
遠山の青をそびらに紅葉散る
冬空に花火赫ふ即位の儀
冴ゆる夜を四ノ二の針の折るる音
ほのぼのと師と酌み交はす師走かな

(課題俳句 兼題:紙漉)
佳作 紙漉や句集の礼を認めぬ

誌上句会
鳩の上に鳩ちよんと乗る天高し

ことばの花束(ハッピーFMいたみ)
庚子の麻垂整ふ筆始

月刊「俳句界」3月号 俳句上達の結社選びより
鷹化して鳩となる日の出土品

令和2年1月号

(推薦)【受光伐】
冬に入る鍵穴に鍵すつと入る
政治家の世過ぎに冬の風少し
晩秋の雨粒受くる金盥
受光伐終へおもむろに山眠る
窓際のワインに映ゆる冬日かな
月を背に高度下げゆく機影かな

所感 浅川正副主宰
〈受光伐〉は林業用語で、下層の樹木などに光を当てるべく上層の樹木を整理する作業で、間伐とは少し目的が違っています。掲句では、明るくなった森が冬を迎える様子を気持ちよく表現しています。

鑑賞 

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令和元年12月号

【玉兎】
ばつたんこ棚田の畦に草揺らぐ
東京のビルの隙間の玉兎かな
秋麗あるじ見上ぐる盲導犬
秋雲の残照を背にモノレール
プリズムを窓際に置く秋の朝

(課題俳句 兼題:秋晴)
佳作 秋晴や仏間の額の塵叩く

令和元年11月号

(推薦)【議員】
手の平を返す議員に秋の蠅
絶好球見逃し仰ぐ秋の空
秋の土捏ねて丸むる泥団子
女郎花揺るる野原に獣道
記念日の卓に並ぶる秋の菜
指の跡つけまいと剥く桃の皮

所感 浅川正副主宰
手の平を返す議員に秋の蠅
「君子豹変す」とは、君子は過ちに気付けば直ちにそれを改めるという意味ですが、君子ともなき議員さんの中には、潮目や風向きに応じて恬として主張を変える人がいます。なおこの作者は君子であ

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令和元年10月号

【クロスプレー】
白秋や祖母の命の切るる音
祭後の玉砂利を踏む朝明かな
八月のクロスプレーの傷を舐む
盂蘭盆の祖母直伝の茶飯かな
天蚕を持ちて句友の現れぬ

(課題俳句 兼題:終戦記念日)
入選 終戦の日の倉敷にモネを見る

誌上句会
中古車のナビの履歴や夏の空

令和元年9月号

【ミシャグジ】
修行場の隅に金蠅弊えをり
躾糸解きて迎ふる晩夏かな
ミシャグジの石に纏はる鳳蝶
梅雨空を鋭くよぎる戦闘機
風薫る鴨川岸を阿波しじら

(課題俳句 兼題:吉野の蛙飛)
佳作 土砂降りの吉野の蛙飛の銅羅

誌上句会
万緑や豹柄ママのちやり疾走

令和元年8月号

(推薦)【ぽい】
修行場の正座の形に汗の染み
袖通す明石縮に朝戸風
古事記繰り日本書紀繰り明易し
銅鐸の出たる史跡のゆだちかな
湯上りの浴衣纏ひて香を焚く
ぽいの上に目高の跳ぬる宮の夕

所感 浅川正副主宰
ぽいの上に目高の跳ぬる宮の夕
金魚すくいに使う〈ぽい〉ですが、その上に目高が跳ねているという作品。目高すくいもあるのでしょう。昔はどこにでもいた目高も、この頃では観賞魚として人気があるようで、

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令和元年7月号

【羅】
公園に爺婆と稚春の風
春風や手水舎横に神籤掛け
春の夜の合鍵が部屋開くる音
羅に着替へて向かふ宴かな
校庭の暮れ行く風に鯉幟

作品鑑賞 伊藤たいら
ひと山をふはりと跨ぐ春の虹
とっても分かりやすい句です。それでいて、〈ふはり〉という言葉で春の虹のやわらかな雰囲気を捉えつつ、大きな景を見事に表現しました。絵葉書ではあらわせない趣があります。

(課題俳句 兼題:桜桃の実)
佳作 思い出の桜

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令和元年6月号

(推薦)【新社員】
届きたる米噛み締むる新社員
見舞して三日後の訃や鳥雲に
雨止みて囀とどく明けの閨
深呼吸して身の奥に春を呼ぶ
囀やしづかに飯の炊きあがる
公園に夕餉の香り立つ日永

所感 浅川正副主宰
届きたる米噛み締むる新社員
一見なんと言うことのない作品ですが、読み返してみると、親の思いをしっかりと受け止めている新社員の様子が見えてきます。噛み締めているのは、親と同居していたときには気付き

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令和元年5月号

【白衣】
ひと山をふはりと跨ぐ春の虹
新しき白衣を撫でて風光る
湯の匂ふ春風に身を晒しけり
梅が香や湯をあふれさせ四肢伸ばす
春昼の炭酸泉に身を委ぬ

(課題俳句 兼題:鞦韆)
ふらここに遊ぶ子を呼ぶ母と兄

誌上句会
垂直に見下ろす冬の月見上ぐ

平成31年4月号

【出土品】
鷹化して鳩となる日の出土品
花時やさては無垢なる心欲し
縁側に一升瓶と鉢の梅
土筆摘む祖母の向かうに播磨灘
清め湯を立てて始まる里神楽

(課題俳句 兼題:入学試験)
特選 親友と受けし入学試験落つ

誌上句会
冬ぬくし便所の家訓黄ばみたり

ことばの花束(ハッピーFMいたみ)
実弾を籠むる夢見し余寒かな