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喫茶去。まぁまぁお茶でもお飲みなさい。

コーヒーをのむ。
うっっっすいコーヒーをのむ。

おしゃれにコーヒーを淹れるなら、
じっくり、お湯をまわしかけ、ブラックで。

にもかかわらず、
ぼくはそのコーヒーをお湯で薄め飲む。

コーヒー風味の白湯なんじゃないのという声。
たしかに、その通りだ。

もう白湯にしろよ。
いやいや、このフレーバーがいいのよ。

ぼくはちいさい頃、
コーヒーをのみすぎた。

近隣のこどもの中では、
トップクラスに飲んでいたのではないだろうか?

とくに摂取量が多かったのが、
UCCの缶コーヒーだ。あの甘いやつ。

自販機を前にし、何を飲むかと聞かれたら、
迷わず「コーヒー」。

おじいちゃんも、
コーラじゃねえのかよ!と驚いたことであろう。

おやつの時間もコーヒーを。
もう、カルピスにしなよ。

なんてこどもだ。
コーヒーを欲しがるこども。

こどもらしさを失った、
おじさんのようなこども。

だが、そんな日も長くはつづかない。
その日はやってくる。

そう、ある日、
コーヒーがのめなくなった。

どんなにミルクをいれても。
どんなに砂糖をいれても。

牛乳9、コーヒー1でも、ぼくの体は受け付けない。
突然おとずれた、コーヒーとの別れ。

あんなにも好きだったのに香りを嗅ぐだけアウト。
理由はない、無理だから無理。

一方的に振られる側の気持ちにも、
なってみろってんだ。

それ以来、
水と牛乳をメインとする暮らしへ。

時は流れ、
少年はおとなになり、CMをみてコーヒーをのむ。

ブラッドピット氏、永瀬正敏氏。
かっこいい男のコーヒースタイル。

これだ。

そして、少しずつ、
コーヒーとの関係を修復し始める。

社会人になり、
訪問先で出されるコーヒー。

一日に何杯ものむことも。
3杯目あたりには緑茶を希望したくなる。

体にいいと聞いては、
1杯のコーヒーを。

行きつけのお店では、
黙っていてもブラックででてくる。

ぼくは、
コーヒーの香りが好きだ。

長い間、離ればなれになっていたけれど、
こうしてまた距離が縮まっている。

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飲み過ぎるとよくないけれど、
ほどほどであればハッピーが続く。

まぁ、
なにごともほどほどにしておくことが一番。

もしかしたらぼくは、
白湯が好きなのかもしれない。

まぁまぁ、お茶でもお飲みなさい。
人生はまだまだ続くのだから。

ふわっふわっふわっ

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