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自動筆記先生を紐解く<小説の書き方>

 私の執筆スタイル、「自動筆記先生」についておさらいをしておきます。

 脳内映像を文章化してくれるゴーストライター
 それが自動筆記先生です。

 そこで一つの疑問が。
 「あれ? じゃあその脳内映像、誰が生み出してるの?

 まぁ自分自身ですよね。
 イメージした主人公に人生のバックストーリーが瞬く間に肉付けされて行って、主人公が物語の開始地点から人生を再開します。

 彼、あるいは彼女には何か目的があったり、なかったりします。

 物語が開始する前に過ごしてきた時間があります。

 そういった膨大な情報量が突然、頭の中に「ポン」と生まれます。

 そこから連鎖するように主人公の周囲の世界が彩られて行きます。
 そして彼、あるいは彼女が生きる世界が呼吸を始めます。

 主人公の周囲には取り巻く人々が居て、彼らにも同じように人生のバックストーリーがあります。

 主人公を含めた登場人物一人一人に人生があり、そこで培われた人生観で彼らは言葉を紡ぎ、身体を動かします。

 ――とまぁ、小説本文の冒頭だけでも、これだけの情報量が発生します。

 そりゃあプロットを書けない訳だよね。
 こんな膨大な情報量を整理する方法なんて思いつかないし。

 物語が進んでいくと、この情報ネットワークがどんどん広がるので勝手にお話が転がっていきます。

 彼らは作品の中で生きていて、彼らなりに真剣に、あるいは不真面目にリアクションを取ります。
 リアクションがリアクションを呼び、物語はどんどん進みます。

 最終的に主人公が目標を達成するまで、新しい登場人物が投入されてはネットワークが広がり続け、感情の交換が行われて行きます。

 そして主人公が目標を達成したところで、物語が終わります。
 最後に主人公の未来予想図なりを適宜、追加してあげれば完成です。

 ……うーん、自動筆記先生が処理してる情報量、膨大だな?

 私は頭の中でどれだけのペルソナを飼ってるのだろう?

 結局、自動筆記先生がやってることは、こうした「仮想世界のエミュレート」なんだと思います。

 その中の特定人物を主人公と定め、その人の目的が達成されるまでをカメラが追いかける。

 あとは自動筆記先生がその様子をいい感じに文章に落とし込んでくれます。

 これが、私が「自動筆記先生」と呼んでいる執筆スタイルの真相じゃないかな。

 一言で言えば、直感型の即興執筆。
 ただしこれを短期間に集中して一気に書き上げます。
 おおよそ1週間で10万~30万文字くらいの長編が1本出来上がります。
 続けられそうならさらに繰り返す、そんなスタイルです。

 誰でも真似できるかというと、どうだろう? 案外いけるかも?
 頭の中にどれだけのペルソナを飼っているかが鍵でしょうか。

 みなさんも試しに「自動筆記先生」をお一人、雇ってみませんか?

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