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*読了22冊目*『成瀬は信じた道をいく』

『成瀬は信じた道をいく』宮島美奈著 を読んだ。

「成瀬ならどうするだろう?」
何か困ったことに行き当たると、私はいつもそう考えるようになった。
それくらい憧れてしまっているのだ。
小学生のゼゼカラファン北川みらいと同じだ。

成瀬の親友島崎みゆきも、それはほとんど恋なんじゃないのか?と思えるくらいなのだが、人間が人間に本気で惚れ込むとはこういうことなのだろう。(成瀬側も同じなのだと思う)

クレーマーの話も面白かった。
クレームする側の心理にこれほど光を当てた物語は今までなかったんじゃないか?
そしてクレームする人に対する成瀬の言動もこれまた意表を突いてくる。

そんな風に周りを驚かせ、調子を狂わせ、全く意図せずに自分の渦に巻き込んでいく成瀬がすごい。
本人が意図していないというところが肝心なところだ。
成瀬はただ超ド真剣に自分の人生を生きているだけだ。
そして巻き込まれた人たちは、なぜか必ず最後笑ってしまって、心には爽やかな風が吹き渡る。
でも当の成瀬はそんなことお構いなしにもう次のことに集中している。

ひとつだけ残念だったのは1巻で一番気になった登場人物、西浦 航一郎のこと。二巻ではきっとメインの登場人物になって出て来るだろうと思っていたのに出てこなかったことだ。
でもちょっと「ん?」と思う伏線もあったので、今後の巻に期待している。





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