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*読了12冊目*『リカバリー・カバヒコ』
『リカバリー・カバヒコ』 青山美智子著 を読んだ。
公園にある古いカバの乗り物にまつわる都市伝説、それをめぐる短編集。
各章ごとに主人公が違いそれぞれ独立した話になっている。
新築マンション「アドヴァンス・ヒル」の住人たちが、敷地からほど近い公園と、公園の目の前にあるサンライズ・クリーニングを通してゆるーくつながってゆく物語である。
私は特にに第4話「勇哉の足」が好きだ。
タイトルの通りこの章の主人公は勇哉なのだが、私はクラスメートのスグルに釘付けになった。
つくづく思うが、本当に頼りになる人というのは、頭の切れる人でも屈強な体力を持つ人でも空気が読める人でもない。
「何の根拠もなく前向き」な人間が最強である。
スグルはクラスメートから何も評価されていない。
でもスグル自身が自分を認めている。
だから彼は強い。
常に自分の心の声に耳を傾けている。
自分自身ととことん仲良くなれる人は、たぶんそこから突き抜けて他の人の心ともつながってしまうのだ。
だからここぞというタイミングで、相手が本当に必要としていることを察して自然と行動出来るのだ。