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村上春樹さんの「猫を棄てる」

村上春樹さんが語る、父親についてのエッセイ。小説含め今まで読んだなかでいちばん好きやったかも。と言ってもぜんぜん全部読んでないけど。

長い間疎遠だった父親との幼いころの記憶から、村上さんが産まれるより前の、京都のお寺の家に産まれ育ち青年時代には3度も徴兵され、そんななかで俳句にはまり…ながやけど、村上さんご自身が実際父親から聞けた話はわずかで、母親や従兄弟から聞いた話や残されたものをもとに調べ纏めた、ごくパーソナルなエッセイ。

記憶って各々の脳内で編集はいって結果曖昧で、けどそれが語り継がれ「歴史」になってくこととか、一人ひとりの語るべきと思うこと、語りたくないこととか。パーソナルな視点だからこそ伝わる物語の複雑さがあって、これが村上さん他の作品の根底にはあるのかなーと思った。


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