ぷちとりっぷ〈城ヶ島〉 #4 海風を感じながら馬の背洞門へ続く道を歩く
緑に囲まれた道を割と延々と歩いていたのだが、すれ違う人は、みんなカップルだったり友達同士だったり、とにかくひとりで歩く人がいなかった。
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この感動を分かち合えないことに一抹の淋しさを覚えつつ、ひとりだからこそ自由に動いて見られる風景もあると思い返す(もとは友人と来るはずだったから、最初からひとりだったわけではない)。
こんなことを書いているが、ひとりで出歩くこと自体にさして抵抗はない。ただ、あまりにもひとりでいる人が少なくて、つい比べてしまう悪い癖。
何はともあれ、ウグイスとトンビの鳴き声をBGMに亀の歩みで進む。
ちょうど、潮が引いていたときだったのか、岩場にたまった水に取り残されてそうな魚を見つける。
しばらく魚を見て立ち上がると、戻ってきた人たちが猫いたね~と喋っているのが聞こえて、ついあたりを見回す。
こんな海岸に猫?と思ったら、白黒の猫が器用に岩場を歩いているのを見つけた。
魚も挑発するかのように、猫のそばまで寄るものの逃げ足(?)が早く、ねこパンチでは捕まえられなかった。
周りではこの攻防を見ている人が多く、ちょっとした見世物のようになっていた。しばらく粘っていたが、結局捕まえることができず、退散。魚も自分の命がかかっているから必死だ。
海岸を歩いて、もっと海のそばまで行こうかとも思ったけれど、まだ先は長そうだったので、そちらは諦め元の道に戻ることにする。ということは、降ってきた階段を今度は登らなければならないわけで。そこそこ距離のあった階段を少しだけ恨めしく見上げ、よし行くかと覚悟を決める──ほどの距離ではべつにないのだが。
さて、またしても長くなったのでここで区切り。
なんだかひとつひとつしか紹介できていない。
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なぜだか一気にいいねが増えて驚いている。