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SF(しあわせでふしぎ)空間/うさぎストライプ『かがやく都市』感想

うさぎストライプ『かがやく都市』

作・演出 大池容子
出演 宝保里実(コンプソンズ)
   安藤歩(演劇企画もじゃもじゃ)
   伊藤毅(青年団リンクやしゃご/青年団)
   亀山浩史(うさぎストライプ)
   小瀧万梨子(うさぎストライプ/青年団)

高校生料金で500円で観れたのがすごくありがたかったです。
ありがとうございます!

まずは観劇直後のぽやぽやの感想


普段お芝居を観た後はツイッターに心の向くままに感想を書きなぐる。
あまりに頭が悪すぎる&上から目線な感想ばかりで恥ずかしいから、もちろん鍵垢で。

以下は、私が『かがやく都市』を観劇した直後、ぽわぽわの頭でツイッターに垂れ流した感想たちである。

多い上に読みづらくて申し訳ないけど、ツイッターのTLを眺める感覚で読んでみてほしい。


上から古い順に…

「つかみどころがない!だがそこがいい!!」

「もう1回見たすぎるんだが」

「多分大池さんの感じてる生きづらさと私の感じてる生きづらさって波長が似てるんだと思います  そんなところが好き」
(※大池さん…大池容子さん 作・演出の方 控えめに言って神) 

「唐突にまわり始めるミラーボール、絶妙な選曲の歌…すきだぁ…」

「たまの「星を食べる」が流れてうおー!ってなった」

「全然わかんないよ!わかんないまま終わったよ!!」

「台本をくれ それかもう1回観させてくれ」

「ぜんぜん飽きないのはなんなんだろう なんか、わかる〜って感じなんだよな わかる〜ってどんな感じだよって感じだけど」

「一番共感できたのははなちゃん なんか宇宙人みたいなんだよなぁみたいな疎外感というか、あの先生を好きになっちゃう感じも絶妙に変わった子って感じ」
(※はなちゃん…安藤歩さん演じている宇宙人の触覚(!?)が生えている女子高生)

「小瀧さん、今回はいいお姉さんでしたね…歌声もよかったでしゅ…トゥキ…」
(※小瀧さん…小瀧万梨子さん 謎の女役)

「なにも起きないのにずっと引き込まれる感じ、なんなんだろう」

「すげえな〜まったくわからなかったぜ…」

「雰囲気を楽しんでしまう」

「面白かった〜観てよかった なんならもう1回観たい!」

「終わり方と始め方のつながりがうまかったよね!」

「空に向かってむかえにきて〜!って叫びたくなる気持ち わかるな」

「青年団の遺伝子を引きつつ独自の色もあるって感じで好き 大池さんと私は波長が合う(と勝手に感じている)」

「小瀧さんめちゃくちゃ好きなんだよな…推せる…」

「演劇やりたくなってきたよ…」

多い上にとりとめがない。あとなんか口調が気持ち悪い。
勝手に大池さんにシンパシーを感じているみたいだけど、思い上がりすぎだ。大池さんごめんなさい。

でも、お芝居の感想って観た直後の方が活きがいいというか、時間が経つとどうしても作品の形が自分の中で変形してしまうから、観劇直後の知性もとりとめもない感想にもある種の価値はあると思う。


気を取り直して真面目な感想


と書いたものの…
上に書いてある通り、ほとんどわからなかったんです!

私の理解力がないのが主な原因だと思うが、観劇中の脳内は終始「???」だった。

わからないというか、つかみどころがないって感じ?

これといって大きな事件が起こるわけでもなく、少し不思議な日常が淡々とすぎてゆく。
物語の中に出てくるいろんな謎も、最後まで明かされないまま終わる。

もう一回観ればまた何かわかることがあるのかもしれない。
物販に戯曲があったら間違いなく買ってる。

でも、つかみどころがなかったけど、なんかおもしろかったし、楽しかったし、劇場を出た時は謎の満足感でいっぱいだった。

心のどこかにある乾いてた部分が満たされた感じ。
どこが乾いてたのか、何が満たされたのかはわからない。



めっちゃ余談だけど、知り合いの観劇好きのお兄さんの話をしたいと思う。

そのお兄さんは、いわゆる小劇場系の中でも、革新的で難解な作品を好んで観に行っていると言っていた。

最初に聞いた時は、なんか意外だった。

難解な作品を観る人って、哲学的なことを常に考えてて、IQがめちゃくちゃ高くて、ちょっと近寄りづらい…みたいな謎の偏見があり、そのお兄さんは、いい意味で、そうではなかったからだ。

その日は、お兄さんがとある作品を観に行った話をしていた。

公演ダイジェストを見てみたが、私の頭では全く理解できない。
説明書きには「肉体と物質がウンチャラカンチャラ…」みたいなことが書いてある。
これもまた、全く理解できない。

(なんかすごそうだけど何言ってるのか全くわかんない!?)

目を白黒させている私に、お兄さんは、少しも悪びれずこんなことを言った。

「これさ、ぜんぜんわかんなかったんだよね。
客席みんな寝てて面白かった。僕も寝ちゃった。」

(え、それでいいの!?!?)

さらにわからない。
「つまんなくて寝ちゃった」と話す人はよくいる。
でも、お兄さんは、その作品を批判したそうな感じでもない。

「この不思議空間!って感じがめっちゃ良かった」

「なるほど…!?」

つまりこのお兄さんは、(よくわかんないけどこの空間たのし~)と思いながら観劇してたのだ。

(そんな楽しみ方していいんだ!?)

難しい作品は、自分なりにでも解釈をつけて、その作品に込められたメッセージを、理解しなきゃいけない。わからなきゃいけない。

ずっとそう思い込んでいた。

だから、難解だと言われてる作品はいつも身構えて観ていた。
わからなかったらどうしようって心のどこかで怯えていた。

でも、わからなくてもいいんだ。たのし~って思うだけでいいんだ!

その事があってから、観劇がより楽しくなったし、よりいろんな作品を観に行きたくなった。


話がそれちゃった


今回の『かがやく都市』も正直「理解」はあんまりできてない。

たまに心に引っかかるセリフやシーンがあったりしたが、大池さんたちが何を表現したかったのかは正直3割くらいしかわからなかった。

でもね、めっちゃ楽しかったの!!

突然回りだすミラーボール。絶妙に古い選曲の歌。
『星を食べる』も『あの鐘を鳴らすのはあなた』もいい曲ですよね!

謎の女さんが宇宙人はなちゃんに乗っ取られ(!?)て、突然「あの鐘を~♪」って歌いだすシーン、すごく好きだった。

そして、猫に関するアンケートって、人生ゲームの人間を作る工場って、何!?
いちいち出てくるものがシュールで面白い。

でも、ただシュールで楽しいだけではない。

ちらちらと垣間見える宇宙人兄弟(?)の生きづらさ、気まずい空気が妙にリアルで、そのリアルさが良かった。
不思議さとリアルさの塩梅がちょうどいい。

そして、ちょっとほっこりして終わるラストシーンに胸があたたかくなった。

演出面では、空間の使い方がすごく上手で、場所とか空間の飛躍もなめらかで、すげーーー!!ってなった。
あと、登場人物の出ハケのタイミングが効果的で、観ていて全然集中力がとぎれなかった。


役者さんも皆さん素敵だった。

皆さん役作りがリアルでスッと状況に入り込めた。
特に学生役のお二人。「こんな子、いるいる!」って感じで、すごくリアルで良かった。

個人的には、小瀧さん演じる謎の女が魅力的で好き。
鼻歌で『あの鐘を鳴らすのはあなた』を歌うところは歌声が綺麗でドキドキしてしまった。
綺麗なお姉さんなのに、ちょっとおかしい、みたいなギャップも良かったです。
正直ときめきました…♡


またまた余談だが、小瀧さんは「オトナロイド」というアンドロイドのモデルさんをされている。

https://news.mynavi.jp/techplus/article/20140704-miraikan_android/3


オトナロイドさんは、今から八年前に作られ、日本科学未来館で働いていた(現在は引退して二代目オトナロイドさんが後を継いでいる)。

八年前の私はちょうど小5くらいだったのだが、科学とか技術が大好きで、「子どもの科学」という雑誌を定期購読し、日本科学未来館には年パスをとって足しげく通っていた。

オトナロイドさんはいつも常設展示コーナーにいて、一番身近に会えるアンドロイドだった。

ソファに座って、瞬きをしたり、ちょっと首をかしげたりしているオトナロイドさんはちょっと怖かったけどなんか魅力的で。
そんなオトナロイドさんを眺めるのが好きだった。

私はずっと前から、ロボットの小瀧さんに会っていたのだ。

え、これってすごくない!?!?
運命だよね!?(??)

めぐりめぐって(一方的だけど)運命の再会を果たした小瀧さんのことは、どうしても贔屓目で見てしまう。


まとめ

よくわからなかったけど、シュールで、楽しくて、妙にリアルで、ちょっとノスタルジックで、切なくて、あったかくて、ふしぎで、全部全部含めてすごく幸せな空間だった。

たまに記憶の中から取り出して味わいたくなるような作品。

うさぎストライプは映像含めて三作目だったけど、どれもいい作品ばっかりだ。
また五月あたりに公演があるみたい。
楽しみ!

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