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三井とめ子先生の健康哲学

今回は、これまで紹介した三井とめ子先生の言葉を振り返ります。

温熱療法の仕組みと効果

1988年に出版された『難病に克つ』の中で、三井先生は現代にも通じる重要な健康観を示しています。

病気はどうして起こるのかというと、生命現象を営んでいる自律神経の狂いからくる。
きれいな血液が流れ、体のすみずみまで適当に栄養を与え、酸素を与え、老廃物を拭い去っていれば、健康でいられるのであるが、これが理屈通りにはいかないのである。
現代の複雑な社会では、肉体的精神的な刺激が強すぎて、人間の生命現象は常にそれらに脅かされ、自律神経のアンバランスをきたしてくるのである。
生きている以上はこのストレスから多かれ少なかれ、逃れることはできない。そこで正常な生命現象が維持されなくなると病気が起こるのである。

難病に克つ 温熱治療、奇跡の実録と証言 山梨ふるさと文庫 三井と女子著

という先生の言葉は、現代医学においても眩しいほどに真実をつく言葉なのではないでしょうか。

三井先生が生涯をかけて取り組んだ三井温熱療法、肩こり・腰痛・内臓の不調・肩や膝の関節痛などをはじめとしたあらゆる痛みから、難病やガンといった重篤な疾患まで、幅広い症状に対して自律神経のバランスを整える手法として活用されました。

特徴的なものとしてアチチ反応があります。

これは治療中に突然感じる強い熱さのことで、血液の循環が滞っている箇所に現れやすい反応です。

例えば、筋肉疲労によって乳酸などの老廃物が溜まったり、病気と闘って生じた細胞の破壊物などが毛細血管に詰まったりした場所で発生します。

この反応は、交感神経を刺激し、血管をいったん激しく収縮させたあと、反動で大きく拡張させることにより筋肉をほぐす効果があります。

東洋医学と自然治癒力の活用

三井先生は、

体内の病変は必ず体表にあらわれるので、皮膚の上から反応点を探し、そこに熱を入れるのである。
<中略>
細胞をとってみなくても、器械を使わなくても、身体の深部でも、頭の中でも、体表からピタリと探ることができる。

難病に克つ 温熱治療、奇跡の実録と証言 山梨ふるさと文庫 三井と女子

と言う言葉も残しています。

この考え方は東洋医学の理論とも合致しており、皮膚と内臓の密接な関係性を活用しています。

三井温熱治療器は、レントゲンやMRIとは異なり、不調箇所の発見と治療を同時に行うことができます。

この作用は体性-自律神経反射、または皮膚内臓反射と呼ばれ、皮膚への刺激が内臓を支配する自律神経の活動を調節します。

自律神経の調整と健康管理

三井先生はガンや難病を抱える人達に積極的に温熱を行っていて、著書においてこのような文を残されています。

人間の活力は熱であるから充熱してやればいい。
42度~45度位の熱を与えると生命力も雨後の植物のごとく、たちまちパワーがみなぎり、顔の表情といい、別人のようになってくるから不思議である。
(中略)
熱を入れると組織のまわりの血液が動き出し、貧血をみたし、鬱血を去り、組織活動が盛んになってくるので、凝り固まった組織がたちまち活動を復活する。

難病に克つ 温熱治療、奇跡の実録と証言 山梨ふるさと文庫 三井と女子

特に注目すべきは、「人間の活力は熱である」という三井先生の考えです。

「42度~45度位の熱を与えると生命力も雨後の植物のごとく、たちまちパワーがみなぎり、顔の表情といい、別人のようになってくる」と書かれており、「熱を入れると組織のまわりの血液が動き出し、貧血をみたし、鬱血を去り、組織活動が盛んになってくるので、凝り固まった組織がたちまち活動を復活する」と、その効果を明確に示しています。

温熱療法を受ける際には、この熱さが治療効果に重要な役割を果たしていることを理解し、適切に熱刺激を受け入れることが、短時間で最大限の効果を得るための鍵となります。

生きている以上はストレスから完全に逃れることはできませんが、温熱療法を通じて自律神経のバランスを整え、体内の血液循環を改善することができます。

三井とめ子先生が残した温熱療法の知見は、現代の私たちに大切な示唆を与えています。

最後に

最後までお読み下さりありがとうございました。

次回の更新は11月29日(金)になります。

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