英語での仕事で悔しい思いをしまくって思うこと:結局TOEICって仕事面で役に立つのか
3年半ほど前、外資系企業の日本支社で働いていた頃、一度だけTOEICを受けました。その前にTOEICを受けたのは学生の頃(10年前)。
当時の結果は960点。私は帰国子女でも本格的な留学経験があるわけでもないので、こうやって手応えをある程度感じられるのは嬉しかったです。
この投稿は、点数アップの方法やTOEIC対策方法についての記事ではありません。
TOEICスコア960を取った時点で、どれだけ英語での仕事に苦しんでいたかについての記録です。
背景:仕事での英語の要求レベルがいきなり上がった
私は大学卒業後、新卒で東南アジアで就職し、その後東京にある大手の外資系IT企業で働いていました(現在は同じ企業のシアトル本社で働いています)。
意外に聞こえるかもしれませんが、私は日本で働きはじめてから、東南アジアで働いていた時以上に英語を使う機会がぐっと増えました。
そして、自分の英語能力が少なからず足を引っ張っていたのです。
仕事上、英語を使うタイミングは大きく下記の3つ。
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■1. 本社や外部の方とのテレカン・ビデオカンファレンス(アメリカ、インドの同僚と話すことが多かったです。まれにヨーロッパの同僚とも話すことがありました。)
■2. メール・ドキュメント(全体の8割くらい)
■3. 日本オフィスの上司や外国人メンバーと話す時(日本語も上手な人が多いので、時折言葉を混ぜつつ話していました。)
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ちなみに、その前に働いていた東南アジアの仕事においても、仕事の半分くらいは英語でした。ただ、実務で要求される英語レベルは高くなかったです。ボキャブラリーが限られていても、英語として正しくなかったとしても、お互い非ネイティブ同士なので、困ることはほとんどありませんでした。
日本に帰ってきてから、こんなに英語に困るなんて。
これまで「英語は割と得意」だと思っていたのに、正直面食らってしまいました。
なんで久しぶりにTOEICを受けてみたか
私は英語に苦手意識はないものの、アメリカで働いている今でもネイティブにはほど遠い状況です。
日本語ならまっとうな方向に右ストレートを打てそうなものでも、英語だと変な方向に猫パンチを放ってしまうことがしばしば。
その度に悔しい思いをしています。
※せめて猫パンチでも正しい方向に打ちたい。
特に下記は、優先度の高い課題でした。
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■リーディングの遅さ(メールやドキュメントを読むのが遅い。特にドキュメントだと日本語に比べて理解力もスピードも格段に落ちてしまいがち。)
■リスニングの不正確さ(私の場合、スピーキングより正しく聞けることに課題あり。ネイティブの方が主体のミーティングでは自信を持って発言できなかったり、正しく理解できているか確認するタイミングが増えたり、的を外した回答をしてしまったりすることがある。)
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こういう課題がある中で、リーディング&リスニングの現状把握をしたかったというのが、3年前当時TOEICを受けることを決めた理由です。
TOEICを受けてみて思ったこと
※下記は、2017年に受験した当時の感想です。形式や問題の傾向が変わっているかもしれないので、あしからず。
1. TOEICって意外と仕事で使う英語をしっかりカバーしている
これは社会人になって英語で仕事をする機会が増えたからこそ感じるのですが、TOEICの問題ってリスニングもリーディングも意外と実用的なビジネス英語を扱ってます。
相手の発言に対して正しい反応を選んだり、メールやチャットの理解度を図ったり。
時間内に大量の文章を読んで、正しく内容を把握できる能力も、英語を使って仕事をする人にとっては大切な能力だと思います。
個人的にPart.1(絵を正しく説明しているものを選ぶ)の実用性は謎ですが、2016年に形式が少し変わってから、更に実用性を意識して作られているように感じました。
2. TOEICの「点数アップテクニック」的なものの意味
学生の頃にTOEICを受けた時は、点数アップ自体を目的としていたので、所謂テクニック的なものをかじりました。時間配分を考えてみたり、問題の解き方のコツを意識したり、消去法で問題を解いてみたり。
TOEICの点数アップ自体が目的であれば、テクニックを学んでおくことに意味はあると思います。実際、TOEICの点数が高ければ履歴書上のメリットはあると思いますし。
何回か模試的なものを解いて形式に慣れ、2時間を効率的に時間配分するだけでも、100点くらい点数が上がることはあります。(時間が足りず、後半のリーディングで大量失点する人が多いので)
ただ、英語を使って実務をするところまで視野に入れているのであれば、消去法やカンに頼って点数を上げようとするより、自信を持ってひとつの正解を選べることを目標にして勉強をした方が本質的かなと思います。
3. 「TOEIC満点に近い=ネイティブレベル」の証明にはならない
学生時代には「TOEIC900以上=ネイティブレベル」みたいな表記をちらほら目にしました。私も実際、昔はそう思っていました。
ただ、それは事実ではないことを自分自身である意味証明してしまった形です。
Netflix風(?)に例えると、TOEIC満点をひとつのゴールだとしたら、「ネイティブと同じレベルで会話ができる」はシーズン2、「完璧な英語でネイティブに響く文章が書ける」とかはシーズン3。
TOEIC900点以上取った人の中に、ネイティブの人が含まれているのは事実だと思いますが、皆が実務レベルで問題なく英語を使えるとは限りません。
長い長い道のりであることを、今でも日々痛感しています。
個人的には、TOEICの点数が示すものは下記だと思っています。
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■英語理解力があるか(ライティング・スピーキング除く)
■ビジネス英語のリスニング・リーディングにおいて、素早く・正しく大事なポイントを引き出せるか(5W1Hを正しく聞き取ったり、文章の中からキーになる情報を引き出す力があるか)
■2時間集中して多くの設問に取り組めるか (2時間休まず集中するのって、大人になればなるほど難しくなるものですね……)
■形式に慣れ、対策をするなどの準備をしているか(非ネイティブの場合は、ここで結構点数変わるので)
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TOEICって結局仕事で役に立つのか
結論から言うと、リーディングやリスニング面で課題意識がある人や、英語で仕事をする人にとって、TOEICの勉強をすること自体は有意義だと感じました。
また、現状を理解できる意味でも、「ここに向けて頑張ろう」という目標が設定しやすい意味でも、テストって便利ですね。
「TOEICが仕事に役に立つか」という観点で、主に感じたことを下記簡単に書いておきます。
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■点数アップにこだわることや、小手先のテクニックを磨くことには、意味を感じていません。履歴書上のメリットが必要な場合や、企業で目標点数を課されている場合はこだわっても良いと思いますが、後々英語で大変な思いをすることにはあまり変わりないかなと。
■「TOEICは音が聞き取りにくいからリアルじゃない」という人がいますが、テレカンも超絶音が聞き取りづらいので、良いトレーニングだと私は思います。
■逆に「TOEICの音は、ゆっくりはっきり発音しすぎ。実際はもっと聞きづらい」という人もいますが、ゆっくりはっきりレベルで聞けて初めて応用が効くと思うので、無駄だとは感じませんでした。
■TOEICの問題で大事なポイントを聞き取ったり読み取ったりする力は、話のポイントを意識することに等しいので、実務でも活かせると思います。また、単語やフレーズもよく仕事で使うものが多かったです。
■英語がネイティブの人で、TOEICの点数が極端に低い人もいないと思うので、企業の採用面接においても、TOEICは英語面のファーストスクリーニングとして機能すると感じました。ただし英語を実務で使えるレベルの人を探すなら、TOEICの点数だけでなくスピーキング面を別途測った方が良いと思います。
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英語でお仕事をされている方や、これからTOEICを受験される方で「何でTOEICやんなきゃいけないの」と思っている方のご参考になれば幸いです。
おまけ:どうしても受験まで時間がない人は
「そんなこと言っても、まずは点数アップしなきゃ始まんないんだよ」
「時間もないし、ちょっとでも対策したいんですけど」
という方。その気持ち、すごく分かります。
目の前の点数アップを目指す方のために簡単に書いておくと、公式問題集でシミュレーションをするだけでも大分点数が変わると思います。
私は2017年受験時に当時の最新版と下記の単語帳、合わせて2冊を買いました。形式が随時変わる可能性を考えると、最新のリソースを探すのが良いかなと思います。
どちらも役に立ったと思いますし、単語帳は実務でもよく使うフレーズが結構あると思います。
あと、今はTOEIC公式がスマホアプリやWeb上で色んなリソースも公開しているので、英語の勉強がてら触ってみても良いかもしれません。
一歩一歩、できることから。
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※2020年11月7日、英語学習Twitterアカウント始めました。英語でハンデなく仕事ができるのを目標にしているので、まだまだ課題が多い状況です。英語を仕事で使う方、英語学習中の方、一緒に頑張っていけると嬉しいです。(雑多なトピックをつぶやく本アカウントはこちら)