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アメフトと暴走経営者
日大のアメフトの問題で連日メディアがにぎわっていますね。
だいたいにおいて監督が悪いとなっていますが、本来は、監督を雇って権力を持たせて放置してしまっている人が最も責任があるはずです。どうして放っておくのかはよくわかりません。
こうした現象は、企業経営においてもよく見る光景です。
オーナーでもなく雇われなのに暴走する経営者は、たまにいます。私のような業績が悪い会社を相手にしている仕事をしていると、むしろ頻繁に見かけます。
いま現在も同業者の友人が、20年近く連続で業績が悪化している会社の再建に当たっていますが、不思議なのは過去何人もの経営者が暴走・散財してきたなかで、株主はその暴走に気づくまでにかなりタイムラグがあることです。まさにお尻に火が付くまで気づかないのです。
なぜそうなんだろうか? と諸々の共通点を思い返してみると、だいたいにおいては「誰かの紹介」でオーナーがその経営者を雇っていることがほとんどです。親しい●●さんの紹介だからとか、立派な大企業の★★さんの紹介でと言って、一緒に働いたり利害関係を一緒にして行動したことがない人を雇ってしまいます。
普通にサーチ会社を経由して雇った経営者であれば、結果がダメだったり、暴走している怪しい雰囲気が出てたりすると、まだドライに喧嘩して切れます。
しかし某かの人間関係を大事にしたい人(と自分は思っているものの、その実は相手はそんなに親身には思ってないことがほとんどなんですが)を介して雇っていると、その人間関係を気にするという名目のもと、問題を先送りしてしまいます。
あるいはオーナーが世襲した2代目や3代目のような、組織は自分で築き上げたものでもない場合にも、なんやかんやと理由をつけて言い出せないことがよくあります。言ってみれば甘いのです。
そして、オーナーも似たような人というケースがあります。こうなってしまうと最悪です。「暴走しているんです、あの人」と社員が勇気を振り絞ってオーナーに訴えかけても、実は自分がそれ以上に下々には見えないところで暴走しているので、「なに? この反乱分子め!」となります。こんな環境は最悪です。
つまるところ、暴走経営者は最後にはやっつけられるかもしれませんが、暴走している間は天国を味わっていますので、それとイーブンです。経済的にダメージを食うのはオーナーであり、そして暴走される船に乗っかっていた社員です。
そうした会社を見るにつけ、いざ自分が社員として在籍していた会社でそうした暴走をされていることに気づいたら、自分はどんな行動をしていたのだろうか?と思ってしまいます。恐らくは、すぐ辞めたと思います。
しかし学生の場合は学校を途中でなかなか止められないので、今回の件は色んな人の人生に影響をしてしまうのではないかと心配です。