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#4:クレーンで印刷機を4階窓から搬入!!(手元資金が手形割って1か月分しかない頃)
実行に移す!(ワークサンプリングの実施!)
2015年7月頃
カイゼン活動の基本的な考え方は、現在ある人や機械(いわゆるリソース)の組合せや能力を効果的に最大限の力を発揮してもらうという点にあります。
印刷の下請け一本で仕事をしていたため、エンド顧客(一般企業)からの仕事は無く、数多くの印刷会社さん(当時口座で350口座、アクティブで120口座位)から大量の印刷物を業界最安値で受注しており、薄利多売のビジネスモデルでした。なので価格を上げることは状況的に出来ませんでしたので、社内の生産性を上げて利益を出すしかありませんでした。
まず初めに手を付けたのは人生産性を上げるというカイゼン活動でした。
どのように人生産性を数値で評価し改善していくかと言うと、ワークサンプリング法という手法で実施しました。(下記図①②参照)
![](https://assets.st-note.com/img/1731563542-lbAqMJ839kpZKwLmVhHiQFx6.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1731563910-uR1wh3ZHOiM0WjIvQN7sVoEk.jpg?width=1200)
製品に直接価値を与える作業(例えばインク調整とか給紙とか)を有価作業と呼び、有価作業率を上げる為に人の導線や機械配置などを何度も何度も見直しました。いきなりすべての機器でのレイアウト変更はリスクもあるし、製造現場の反発も強いので、まずはテストラインをフローライン化(ワンフロアで一気通貫して工程が完結する)して、印刷機をクレーンで吊り上げて移動させたりしてレイアウトを変えて上手くいくかどうかを検証しました。
その結果40%近くあった非有価作業率(例えば歩行や運搬は大変だが直接製品に価値を与える作業ではない)が0%近くまで下がりました。
(下記図③参照)
![](https://assets.st-note.com/img/1731563869-xLRqDn0PiQsyecIzFmOA67uf.jpg?width=1200)
テストデータは良かったものの、実行に移してみると・・・・(#1の社員に詰め寄られる結果となります)
満を持して全フロアのレイアウト変更に移ったのですが、予想以上に混乱に混乱が重なりひどい状況となりました。一番の難敵は製本工程であったのですが、上下の2フロアにまたがっていたものを1フロアに纏めてモノの流れを整流化し、人の導線もクロスしない視点でレイアウト変更したのですが、考え方ややり方が馴染まず、とにかく混乱して定時で終わるくらいの仕事量であっても21時~22時までの残業が続き、社員も疲弊していきました。
それでも#1でお話したようにとにかくお金がなく、この状況を耐えて考えてやってきたことを信じるしかなかったので、朝礼で毎回ダメ出ししていました。心に全く余裕がなく、今考えれば本当にキツイ口調でダメだダメだと追い込んでいました。そんな矢先、朝礼で社員に詰め寄られてしまいました。
ちょっとした成功体験が流れを変える!!
2フロアに分かれていた製本工程を1フロアに纏めたのですが、このある一幕での出来事がのちの人生産性向上を飛躍的に上げていくキッカケになりました。(下記④⑤ レイアウト変更 ビフォー&アフター)
![](https://assets.st-note.com/img/1731565444-JRNTlCKBdS9IiqVj1rvPs08a.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1731565474-aNqprwEziD7OegH8kT4xJcRh.jpg?width=1200)
ワークサンプリングの結果、40%以上の非有価作業があったという事を受けとめると、2人でやっている作業が頑張れば1人で出来るんじゃないか?という仮説が立ちました。この客観的なデータがあるお陰で、現場のオペレーター達は納得はしていませんが、説得することはできました。まずやってみてダメならもとに戻せばよいというスタンスで話をしました。
今までの感覚では2人⇒1人なので2倍以上の時間が掛かるに決まってる!と言うマインドでスタートしましたが、実際に1人でやり始めると、想定よりも早く終わる事が出来ました。ここで現場のオペレーターは「アレっ?」と言う感覚が芽生えました。翌日もその翌日も続けてみるとだんだん慣れてきてどんどん早く終わるようになり、ついには2人でやっていた時よりも早く終わるようになりました。
この体験で、やってみないとわからないという腹落ち感が生まれ、さらに2人でやっていたものを1人で出来た事への喜びの感情も生まれ、現場カイゼン活動に勢いがついてきました。マインドが真逆のプラスに作用したことで今までの混乱が嘘のようにみるみるレイアウト後の作業性が良くなっていきました。
#5に続く。