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【秋田内陸縦貫鉄道】風景と駅名を愉しむローカル線の旅(写真あり)

先日、JR東日本の「どこかにビューーン!」というサービスを利用し、秋田県の角館へ日帰りで行ってきました。

角館散策の様子については、以下のnoteに記していますので、お時間があれば併せてご覧いただければと思います。

今回のnoteでは、上記角館散策後、かねてより乗車したかった『秋田内陸縦貫鉄道』(以降、「秋田内陸線」)に乗車した模様を記します。


秋田内陸線について

秋田内陸線は、秋田県の角館駅から鷹巣駅までを結ぶ路線です。
その名のとおり、秋田県(の上半分くらい)内陸部を南北に縦断しています。

沿線には、角館や世界遺産の伊勢堂岱遺跡といった観光地があり、阿仁付近はマタギのふるさととしても知られています。

また、過去に本noteでも紹介した【鉄印帳】にも参加している路線でもあります。

僕自身、昔から秋田内陸線は知っていましたが、これまで乗車したことはなく、いつか乗車してみたい路線でもありました。

今回、「どこかにビューーン!」で角館が行き先に選ばれたこともあり、日帰りという限られた時間ではありますが、念願だった秋田内陸線に乗車することを決めました。

帰りの新幹線の時間もあり、残念ながら全線に乗車はできず、角館から阿仁合(あにあい)までの往復乗車のみとなりましたが、以降で乗車風景や感想を写真を交えて記します。

秋田内陸線(角館-阿仁合間)旅の記録

角館駅出発

乗車したのは2024年4月のとある休日。
角館駅11:50発の阿仁合行です。

角館散策後、秋田内陸線の角館駅に戻ると、1両編成のディーゼル車両が停車していました。

秋田内陸線 角館駅にて

休日でしたが、角館駅出発時点で乗客は自分を含め5名ほど。
直前まで散策していた角館の町中は多くの観光客で賑わっていただけに、やはりローカル路線が置かれる実情は厳しいものがあると肌で感じます。

さて、時間も時間なので、JR角館駅ニューデイズで駅弁を購入して乗車していました。

散策でお腹も空いていたので、席に着くやいなやお弁当を広げます。。

購入した駅弁は、『比内地鶏の鶏めし』。1,200円くらいだったと思います。
もう少しリーズナブルなお弁当もありましたが、せっかくの秋田なのでこちらの駅弁にしました。

駅弁『比内地鶏の鶏めし』

真ん中に乗っている鶏肉が比内地鶏だと思いますが、肉質に弾力があり、食べ応えのある鶏肉でした。

付け合わせのおかず(なす田楽やがんもなど)もしっかりした味付けで美味しかったです。

秋田内陸線の車内

秋田内陸線の車内ですが、行きで乗車した車両は大半がボックスシートで、両端の一部がロングシートの、ローカル路線でよく見る構造。

秋田内陸線の車内

面白いのは、ボックスシート窓側の小テーブルに路線図がプリントされている点。

テーブルの路線図

これは良い試みだと思います。
目的地まであと何駅かすぐにわかりますし、難読駅の読みを知ることもできます。

僕は一人旅でしたが、複数人であればちょっとした話の種にもなりますね。

ちなみに、阿仁合から乗車した帰りの車両には、秋田犬の写真が展示されていました。

「秋田犬」車両

ひとつの車両でも色々工夫されているので、鉄道会社の皆様のホスピタリティの高さを感じました。

秋田内陸線の車窓と駅名を愉しむ

角館駅を出発してしばらくは、のどかな田園風景が広がります。
車窓には桜が点在しており、関東では葉桜をとうに過ぎた頃合いですが、秋田の内陸では満開を過ぎて散り始めくらいの時期でした。

車窓を通り過ぎる桜
阿仁マタギ駅を過ぎたあたり

列車は、徐々に山間に入っていき、渓流と併走します。
トンネルの数も多くなり、少し開けた集落が見えてくると誰もいない駅に到着し、また発車し…を繰り返します。

しかし、この秋田内陸線ですが、駅名がユニークですし、副駅名(キャッチコピー的なもの)も特徴的です。

例えば「阿仁マタギ」。
日本でこんなにも旅情をかき立てる駅名は、ほかにないのではないでしょうか。

ちなみに阿仁マタギ駅では、ホームでマタギの立像が出迎えてくれます。

阿仁マタギ駅のマタギ像

ほかにも、駅名で言えば「笑内」(「おかしない」と読む)、副駅名だと「県内一てっぺんの駅(標高315m)」の「戸沢」駅や、「演歌「無人駅」の駅」の「奥阿仁」駅など。

さながら「駅名美術館」と行っても過言ではないほど。
車窓はのどかな景色が続きますが、停車する駅でも愉しませてくれます。

笑内駅
「県内一てっぺんの駅(標高315m)」戸沢駅

列車は、笑内駅を過ぎると、路線で一番の撮影スポット「大又川橋梁」に差し掛かります。

乗客サービスの一環でしょうか、列車は橋の中程で一時停止のサービスをしていただけます。

観光列車ならまだしも、普通列車でもこのようなサービスをしていただけることは、旅行客として大変嬉しく思いました。

大又川橋梁より

大又川橋梁を過ぎると、列車はまもなくこの列車の終点「阿仁合駅」へ到着します。

季節がら、阿仁合駅前では鯉のぼりが優雅に泳いでいました。

阿仁合駅の鯉のぼり

阿仁合駅到着

列車は阿仁合駅に到着。
残念ながら、今回の秋田内陸線の旅はここで折り返しとなります。

角館へ戻る列車は約40分後の出発なので、それまで駅近辺をうろうろしたり、鉄印やお土産を購入したりしていました。

この阿仁合駅、駅舎がとてもモダンな建物でした。
阿仁合駅付近がちょうど北緯40度線に位置しているらしく、数字の「4」を向かい合わせたようなデザインになっています。

駅舎内には、結構広い売店とレストランがあり、木の香りが漂う2階では展示スペースも設けられていました。

阿仁合駅・駅舎外観

また、駅の目の前には「内陸線資料館」という無料で公開している施設もありました。

秋田内陸線の歴史や模型、マタギについての資料展示があり、短い時間でしたが僕も興味深く見させていただきました。

内陸線資料館

駅の近辺には、ほかにも阿仁郷土文化保存伝承館といった施設もあるようでしたが、お土産を購入する時間も考慮して断念しました。

ちなみに、お土産で購入したのは、名物と言われる「バター餅」。
帰宅後に食べましたが、バターの香りが濃厚で、よく伸びる美味しい餅でした。

帰りの列車で飲む用に、阿仁産のりんごを使用したりんごジュースも購入し、角館行きの列車へ乗車。
帰路につきました。

帰りの列車で飲んだ「りんごっこジュース」

ちなみに、帰りの列車は阿仁合出発時よりそこそこの乗車率でした。

また、松葉駅からは、田沢湖を観光されてきたと思われる外国人旅行客が大量に乗車し、1両編成の車内は満員となりました。

おわりに

秋田内陸線の乗車記は以上です。

日帰りで、沿線で観光する時間がまったく取れなかった点が悔やまれますが、それはまた次回訪問時の楽しみということにしたいと思います。

次回訪問の機会があれば、今度は鷹巣側から伊勢堂岱遺跡などを観光しつつ乗車したいです。

前回の角館散策を含め、かなり駆け足な日帰り旅となりましたが、そこそこ充実した旅ができましたので満足です。

そもそも、往復(実質)タダで行けたことを考えると、文句は言えません。
「どこかにビューーン!」様様です。

約5か月ぶりの旅行でしたが、日帰りであれ泊りであれ、やはり楽しいものですし、刺激になります。

次回の旅は未定ですが、また時間を見つけて自分なりの旅を楽しんできたいと思います。

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