【写真展】上田晃司×コムロミホ『The Departure』を見に行った話
東京・丸の内にあるエプサイトギャラリーで開催中の写真展『The Departure』を見に行きました。
「写真家夫婦 上田家」としてYouTubeにカメラや写真に関する動画を上げられている、上田晃司さんとコムロミホさんの写真展です。
今回は、備忘録がてら写真展の感想をnoteしようと思います。
『The Departure』について
開催場所や開催期間などの詳細については、以下エプソンさんのホームページをご参照ください。
※会期は2025年2月1日(土)と迫っていますのでご留意ください
概要としては、上田晃司さんとコムロミホさんが、同じ日に空港を発ち、それぞれ異なる国で撮影された写真(ストリートスナップが中心)を展示されている企画展です。
それぞれの行き先としては、上田晃司さんがキューバ、コムロミホさんがフランス・パリとなっています。
展示室自体は一部屋ですが、お二方それぞれ壁面を2面使用し、異なるアプローチで写真を展示されています。
上田晃司さんは、裁ち落としの大判でプリントされた写真。
コムロミホさんは、額装した小さめな写真が多めに展示されています。
また、同写真展を開催されるまでの模様(配置や展示方法、紙質の選び方など)がYouTube「写真家夫婦 上田家」さんで公開されています。
動画を拝見してから展示を見ることで、写真や展示に対する理解が深まりますし、よりお二方に親近感がわきます。
お二方のYouTubeは、以下リンクからご参照いただけます。
お二方と写真展を知ったキッカケ
たいしたことではありませんが、お二方を知ったキッカケとしては、『Nikon Z fc』でした。
ミラーレスカメラ購入に際し、当然安い買い物ではないのでそれは色々とリサーチをしました。
そんな中で知ったのが、お二方のYouTube動画です。
コムロミホさんは、確かNikonさん公式の動画で、撮影技術等を交えてZ fcを紹介されていたかと思います。
ほぼほぼZ fcに的を絞った僕は、かなり真剣に何度も動画を見ていました。
上田晃司さんも、「写真家夫婦 上田家」さんのチャンネルでZ fc(ブラック)の動画を上げられており、開封や沖縄のスナップ撮影の様子が公開されていました。
どちらも、プロ目線で、わかりやすく丁寧な口調で紹介されている動画となっており、とても参考になりました。
YouTubeについてはチャンネル登録をさせていただいたのですが、ここ最近はメッキリYouTubeを見ることも少なくなり、お二方がその後も動画を上げられていることも気付きませんでした。
(今回の写真展の動画もまったく気付きませんでした……)
そんな中、noteのおすすめページを見ていたら、とあるnoteにて、お二方の写真展が開催されていることを知りました。
それが、今回の『The Departure』でした。
すぐにチェックをしたら会期終了まであと1週間ほどと知り、慌てて見に伺った次第です。
写真展の感想
「写真展」という場所に行くこと自体、ほぼ初めてでした。
(昔一度だけ恵比寿の写真美術館のチケットをいただいて行ったことがある程度)
率直な感想としては、「思い切って行って良かった!」に尽きます。
千葉県北西部在住ですが、近年は東京まで出るのが非常に億劫になってきました。
しかし、今回の写真展は、わざわざ東京まで出て見に行く価値が十二分にあるものでした。
(と言っても、実はこちらを訪問する前に寄ったところがあるのですが、それはまた別の機会に……)
上田晃司さんの展示『La Habana Vieja』
「ハバナ旧市街」という意味のようです。
キューバの古き良き街並みや街中を行き交うクラシックカーなど、街の喧騒や空気感が大判プリントでダイレクトに伝わってきます。
ポートレートも何枚か展示されていたのですが、葉巻を燻らす男性の写真では、得も言われぬ表情が眼前に迫り、葉巻の煙がこちらにまで漂ってきそうなほどでした。
路地の写真は、恐らくそれぞれ異なる場所で撮影されたのでしょうが、組み合わせによって、さもストーリーがあるかのような展示となっており、想像力をかき立てられます。
大判プリントの裁ち落としだからこそ得られる迫力だと思いました。
訪れたことのないキューバという国や人々の営みを目の前で感じられる展示でした。
コムロミホさんの展示『The Decisive Moment』
「決定的瞬間」という意味。
上田さんの展示とはガラリと異なり、比較的小さめ(それでもA4くらいでしょうか)の写真が額装されて展示されています。
場所は、雪の降るパリ。
写真はすべてモノクロでした。
街角に置かれた自転車、通りに佇む人、バーで会話する人々、街灯に止まる鳥など、パリを感じさせるストリートスナップが中心に展示されています。
それぞれ何気ない一コマだけど、降雪という条件も相まって、どれもその瞬間にしか見ることができない光景ばかりでした。
パリは約20年前に一度だけ訪れたことがありますが、展示された写真を拝見していて、当時見た街並みや空気感が蘇ってきました。
モノクロだからこそ、自分の記憶の色と合わさって、色々と想起されたのかも知れません。
参考になった「写真展への道」コーナー
企画展の最後には「写真展への道」と題したコーナーがありました。
YouTubeの動画でお二方が実際に作られた壁面割の実物が展示されているほか、用紙の種類の違いや額装の方法について紹介されていました。
僕が写真展をすることは(恐らくほぼ)ないと思いますが、額装や展示方法についてはとても参考になりました。
フィルムカメラからデジタルカメラに変えて以降、フォトブックは作ってきましたが、写真を個別にプリントする機会は年々減っていました。
今回、こちらの写真展を見たことで、やはり写真というのは画面ではなくプリントしてはじめて活きるモノだなと実感しました。
フォトブックは作り続けたいと思っていますが、それとは別に、「これは!」というお気に入りの写真を少し大きめにプリントして、額装して部屋に飾りたくなりました。
展示写真のみならず、写真展示についても勉強になり、今回訪問して本当に良い機会となりました。(無料なのが申し訳ないほどでした)
おわりに
今回、写真展という場所に初めて行ってみて、むやみやたらに”撮る”だけではなく、プロの方の作品を”見る"機会も重要なのだと実感しました。
別にこれから写真家になるわけではなく、これから先も気ままに写真を撮るだけではありますが、それでもやはり「見た光景」を少しでも「より良い形で残したい」もの。
今回は、さらにそれに加えて「より良い形で展示」する欲が生まれました。
写真は奥の深い世界ですが、歳も歳なので焦ることなく、これからもノンビリ写真ライフを楽しんでいこうと思います。